スポーツは、健康に悪い！？

長い間スポーツに関わって来ると、鍛え上げた身体が
時に健康を害する原因となる事も有ります。
運動を続ければ、確かに様々な恩恵に預かる事が出来、
病気しにくかったたり、人よりも若く見られたり、良い事が
目立つため、その反対のリスクはあまり語られません。

かつて、大相撲の横綱が、引退をしてから、身体を普通の人の様に
戻そうと努力するドキュメンタリー番組が有りましたが、
長い間壮絶な戦いを続ける為に鍛え上げた身体は
そう簡単に元には戻れません。

引退して、普通の人と同じ生活を始めると、様々な弊害が
起こり、身体の中のバランスが普通の人以上に悪くなります。
昔から、力士は長生きできないと言われています。

運動を辞めれば、身体の筋肉は急速に衰え始めますが、
臓器は簡単には戻りません。
当然旺盛な食欲は変わらず、消費されないカロリーが
単なる脂肪と成って身体に蓄積します。
更に困った事に、身体に大量の血液を送っていた心臓は
滅多な事では衰えません。

車で言えば、大型ダンプを動かしていたエンジンが
小型車を動かしているようなものです。
車なら、馬力が上っていいかもしれませんが、人間の身体は
心臓のポンプの力とバランスを取っています。
身体は衰え、筋肉は少なくなるのに、心臓から送られる血液は
そのままでは、様々な血管障害や内臓障害が起こって来ます。

このドキュメンタリーの主人公の横綱は、身体を小さくすることは
出来るのですが、心臓もそれ相応にすることに四苦八苦していました。
私もかつて、運動中に怪我をして検査をしたときに、私の心臓が
人より少し大きなスポーツマン心臓であることを医者に言われました。

その時は若かったのですが、年を取っても急に運動を辞めたりしないで
ゆっくりと時間をかけて、普通の身体に戻していく事を進められました。
力士やスポーツ選手が意外と長生きできないのは、引退して
急に運動を辞めてしまい、しかも、食生活や、生活リズムは
現役時代と同じと言う場合が問題だと言われています。

最近では、スポーツは健康に良くないと言う学者も出てきました。
私として見れば、長年スポーツに携わってきたので、スポーツを
悪とは考えにくいのですが、自分の身体と相談しながら
無理をしないで続けることは大切と思われます。

まして、三大成人病を危惧する世の中です。
スポーツがこれらの病から身を守る手段となる事も事実です。
外見的に美しくなるという事で、運動をして太った人を急激に
痩せさせるビジネスが流行していますが、何よりも大切な事は
痩せていても太っていても、心身ともに健康であるという事です。
見た目に惑わされないで、ダイエットやスポーツに励む事は
生活に張りをもたらし、心の躍動を感じられると思います。