人生も後半ともなって来ますと、誰もが健康である事を考え、
食事に、運動に気を使う様になります。
世の中には、あらゆる食が溢れ、それと共に、現代人は、
肥満と病気が悩みの種となって来ます。
例え、平均寿命以上生きたとしても、不格好で不健康でいては
生きて行く喜びが得られません。
その為、中高年になると、途端に、スポーツをしたり、食事制限や
健康管理を生活に取り入れる様になります。
今や、日本中が飽食となる一方、ダイエットをして、いかに健康と
スタイルを維持するかに躍起になっています。
老いも若きも、老いる事と太る事に恐怖を覚え、医者や専門家の
アドバイスを生活の指針とすらしています。
日本中の人々がスマートになり、若々しくなるのは良いのですが、
外見はともかく、中身はどれ程気遣っているのでしょう。
そう考えると、誰しも、内臓脂肪を減らし、血液をサラサラにして
健康食品を摂れば大丈夫と考えがちですが、実際のところ
本当に血液がどうなっているのかは専門家にしか解からないのです。
運動機能が高まったり、見た目が美しくなるのは、誰もが普通に
気付くものなのですが、目に見えない体の中の状態は、
医療機関で検査を受けなければ、具体的には解からないのです。
私達素人が、外見以外に気づく事の一つに体臭の変化が有ります。
特に、30歳を超える頃から、誰もが体臭が変化してきます。
自分は体臭が無いと思っている方でも、全く臭いの無い方はいません。
比較的自分や周囲の人に気づかない臭いで有る事が多いだけです。
しかしながら、欧米人の様に人種的に体臭が強い民族は有りますが
日本人の場合は、極端に強い人は少なく、それまで何も臭わなかったり、
体臭が気にならなかった方が、急に周りから注意を受けたり、自分でも
何か違和感が出て来たときは超注意です。
体臭は、血液の成分が、汗などと共に体表面に出てきて、それが気化して
臭うのですが、これは、身体の中の組織が異常を来したり、食物の中の
におい成分が血液の中に残っているために臭うものです。
食物からの臭いはまだしも、身体の機能の衰えから来る臭いは問題です。
特に、加齢臭は、年を取ったから仕方がないと言うものではなく、
肝臓や腎臓と言った、身体に取り込まれた無駄な成分や毒物を
排出する機能が衰えてきた場合もあるのです。
特に、腸から吸収された栄養成分や身体にとって危険な物はすべて
肝臓で無毒化され、身体全体に送られます。
におい成分も、多くが分解され、安全な血液となって全身に送られるのですが、
肝機能や腎機能が衰えると、身体にとって有害な成分が残ってしまう事が有ります。
これは、毒物だけでなく、例えば、薬を大量に飲んだ時の、必要分以外は
そのまま体外に排出されます。
尿や便として排出されるだけでなく、汗や呼気としても排出されます。
特に、高齢になって来ると、沢山の薬剤を毎日体内に取り込む事により
身体から薬剤の臭いが加齢臭となっている場合も多いのです。
薬物を投与して、内臓の機能を高める事も出来ますが、薬物に頼ると
かえって臓器自体の機能が回復しないで、薬物が無いと機能を果たさない
薬物依存の原因にもなりかねません。
私達が、内臓機能を高める一番簡単な方法は、適度の運動をして
汗をかく事です。
運動をすると、体内の老廃物を体外に出す機能が高まり、その結果
内臓機能が高まることが知られています。
軽い体操でもウォーキングでも、汗をかく習慣をつけると、内臓機能が
驚くほど回復し、体臭も少なくなるのです。
最初は、機能が高まると共に、汗ばむと、強烈な体臭がする場合が有ります。
しかしながら、次第に肝臓や腎臓の機能が高まると、汗の臭いも無くなり、
それ共に血液の成分も健康な状態になって行きます。
焼肉にたっぷりのニンニクを使うと、翌日は強烈な体臭や口臭がするものです。
これは、身体が必要以上の成分を体外に出そうとしているのです。
薬を飲む場合も、必要量以上のものは全て体外に出てしまうのが普通です。
有効成分の量の多さをうたい文句にしている健康飲料も、それが全て自分の
健康に関与すると思うのは大間違いで、その人の許容量以上は、排泄物や
臭いとなって外に出てしまいます。
特に、高齢になると、薬品の吸収率も悪く、効果が出にくい為、大量の薬物を
投与する傾向が有ります。しかし、必要量以上になると、身体はそれらを排出し
体中が臭くなるのです。
体臭は、健康のバロメーターでもあります。
健康な汗の匂いは、むしろ若々しくて、人々を引き付けるホルモンの様な
役目をします。
歳を取ったから加齢臭が有ると言うのではなく、怠惰な生活や運動不足が
むしろ原因であることも知っておきましょう。