めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

妻を笑顔にするには

2015-10-08 14:05:55 | 人生

私ごとですが、妻と付き合い始めて、結婚して
30年以上になります。
その間は、あまりにも沢山の出来事があり、
良く今まで続いてきたものだと、御互いに
驚くと共に、その道のりは、小説やドラマより
遥かに波瀾万丈だったと振り返ります。

一つ一つ書けば、沢山のブログネタになると思いますが、
その内容よりも、何故、沢山のアクシデントが有っても
続けて来られたかの方に、私の気持ちは引き付けられ
現在が、付き合い始めた頃と何だ変わっていないのに
多くの問題を抱えたものの、この生き方で良かったのだと
感じる様になりました。

私達が付き合い始めた頃、つまり、恋愛時代は、多くの方が
思う事と同じで、一日中、何をしていても相手の事が気になって、
本当に世の中がバラ色の様に感じたものです。
どうしたら喜んでくれるか、自分を好きになってくれるか、
そんな事ばかりを考える毎日でした。

数年の時を経て、結婚すると、いつも二人は一緒でした。
仕事柄、一日中離れることは無く、子供が生まれるまでは
この世は二人の為に有ると思っている程でした。
結婚して2年もすると長男が生まれました。
今まで二人だった家庭に、もう一人、大切な家族が生まれ
我が家は、幸せの絶頂と成りました。

しかしながら、それまで二人でしていた仕事は私一人となり
妻は子供優先の生活となりました。
何処の家庭でもある普通の状態ですが、子供が生まれるまでは
妻は、私と同等の仕事をしていた事も有って、二人の生活の
キャッチボールが、私よりも子供へと向かう事となって来ました。

今でこそ、夫が妻の育児を手伝ったり、育児休暇を取ったりして
夫が家事に関わるのは普通なのですが、当時は、それ程家庭に
夫が関わる事は少なく、私は仕事に、妻は育児にへと向かい
この辺りから、少しづつ意思の疎通が怪しくなり、俗に言う
百年の恋も冷めがちとなって来ました。

別に喧嘩をするでもなく、御互いに相手の事が気になっているのですが
立場上、中々、その辺りを察する事が難しくなり、言いたくもない事を
口走ったりする日も増えて来ました。

その後、子供も大きくなり、更に二人目ともなると、妻は完全に
子供の中心となって、私は、悲しいかな、亭主元気で留守が良いと
言ったコマーシャルの言葉を地で行く生活が多くなりました。

こんな生活が続くと、御互いに本音を出さなくなり、何となく口先の
他人行儀な対話が多くなるものです。
生活は、安定していたものの、一日が、効率的に段取り良く進むものの
次第に事務処理の様な単調な日々となって、御互いの関わり合いが
子供を通しての対話となって行きました。

良い時も悪い時も、御互いが子供のフィルターを通しての繋がりであり
いわば同居生活の様な、時めきが全く感じられない日々となりました。

そんなある日、滅多に声を荒げない妻が、大声で叫びました。
余りの突然の事で、私は、まさに青天の霹靂と言った感じでした。
中に溜まり溜まった感情がほとばしり出た瞬間でした。
大粒の涙が溢れ、妻は、疲れ切った表情でした。

これ程まで妻を逆上させた原因が何であったのか、それを知らせて
くれたのが子供達でした。
まるで、子供と大人が変わったかのように、私達夫婦は、子供達から
その原因を諭されました。

彼らの言うには、どちらが悪いと言うのではなく、御互いに思いが
全く届いていなくて、御互いが我慢をしていたからと言います。
妻は、思いを心に秘め、育児に専念し、私は、仕事に専念して
御互いの気持ちが背を向けあっていたのです。

子供達は、幼い頃からそんな二人の事を気付いていた様で
後から思えば、本当に申し訳なかったと思います。

その後、二人で何度か話し合うと、本当に、思いを語ったのが
恋愛時代以来であることも解りました。
二人の関係が崩れて行くのは、どちらかと言うより、二人の気持ちが
いつの間にかお互いの気持ちを遠ざけて行くのだという事も
解って来ました。

そんな衝突の日から、もう10年になります。
あの日から私が学んだ事、それは
妻が笑顔になる事をいつも考える、という事でした。
妻が、じっと耐えている時、不安に思っている時、悲しんでいる時
その時は、怒りや悲しみの表情は有りません。
一番いけない無表情となって行くのです。

まだ、相手に感情を向けられる内は良いのですが、無表情は

相手が自分の心から消えている事を示します。
かつてお互いが無表情になっていた時代が有りました。
その結果、火山が突然爆発するかのような、怒りが生まれたのです。

今や、私達も人生の後半を迎え、子供達も社会人となって
毎日仕事に追われています。
これまで、家族で様々な体験をし、御互いに成長してきました。
その成長を支えてきたのが、御互いへの尊重と思いやりでした。

妻と私は、二人でいる時はいつも、顔が向かい合って笑っています。

御互いの笑顔に癒されながら、もっと笑顔が増えて欲しいと思います。

遠い昔、妻の事が一日中頭から離れなかった時、

妻は最高の笑顔で、世の中はバラ色でした。
お金も地位も何も無かったのに、二人がいつも世の中の中心で
笑っていました。

そんな気持ちが、ようやく戻って来た様で、

様々な事が有ったにせよ、これで良かったのだと思える
日々を迎える事が出来るようになりました。
この気持ちを、これからも忘れない様、いつまでも
妻を笑顔にする努力をしていきたいと思っています。