私達は、年を重ねてくると、自分の普段の生活が
以前にも増して、次第に不自由に不器用になって
来るのを感じます。
ちょっとした立ち振る舞い、交わす言葉の内容からして
若い頃とは違って来ているのを、様々な場で自覚するのです。
しかしながら、忙しい毎日、それ程自分が老化して来たとは
誰もが感じません。
5年過ぎ、10年過ぎても、自分は殆ど変っていないと思いがちで
周囲が指摘したり、余程、生活に支障が出ない限り自覚しないものです。
ところが、この自負が簡単に覆されるのが、写真です。
時たま、芸能人の若い頃の写真が番組で取り上げられると
その差に見る側としては、懐かしさと面白さが感じられるのですが、
問題は、自分の写真を久し振りに見た時のショックです。
ああ!こんなにも若かったのだ! と懐かしさ以上に寂しさが
沸いてきます。
生物として老化は致し方ないとしても、人間は過去を顧みる手段が
幾つも有ります。
あえて見ないのではないのです、時たま突きつけられると、
急に肩が重くなってしまいます。
致し方ないとは言うものの、世の中には、自分と同世代でありながら
遥かに若く、ハツラツとしている方も多くいます。
何故自分だけが、と言いたくなりますが、これは、写真以上に
現実として体感する事実です。
では、若く見えたり、若く感じる身のこなしをする人は、何処が違うか
考えてみましょう。
人間の自分以外に感じる印象の90%は視角からと言われます。
つまり、目で見えた様に感じてしまうという事です。
ならば、その様に感じさせれば、若返ると、誰もが考え
衣装を変えたり、化粧を変えたり、髪型を変えたりとするのです。
しかし、どんなに外見を変えても、やはりどこか違います。
ならば、身体を変えれば、とスポーツジムに通ったり、エステに行ったり
更には、整形をしたりすることも有るのです。
それ程にしたら、絶対、魅力的になり、誰からも注目されると思いますが、
残念ながら、しばらくすると、誰も感動はせず、そんな美しい自分にも
飽きてくるのが現状です。
その為、更にエスカレートする人が増えてきて、挙句の果てには
飛んでもない化け物に変身する事も有るのです。
人は、視覚から90%感じると言いますが、これには、裏が有って
視覚で確認して、それから、本人の中身を推察しているのです。
つまり、目で見えるのは、家で言えば、表札の様なもので、
他の人と区別するため位のものです。
昔から美人は三日で飽きる、と言いますが、ブスでも三日で飽きます。
どちらであっても、表札を三日見ていたら誰でも飽きるに決まっています。
これは、男女、年齢、世代に関係なく、人間は、表面で生きているのではなく
御互いのやり取りで生きているのです。
美しい門構え表札は良くても、本宅がボロボロでは、生活が出来ません。
つまり、人の魅力は、本宅、つまり中身を常に魅力と感じなければ
直ぐに飽きてしまうのです。
私達は、いかなる時も、自分を感動させ、幸せにさせ、安心させる物や人に
魅かれるものです。
自分が、魅力的に見えるには、人に、魅力的に感じささる自分を作らなければ
どんなに美しく着飾っても、お化粧をしても、残念ながら、本人が思ったほど
人々は感動しないのです。
となると、誰もが、自分を磨かなければと思い、自己啓発をしたり、その手の
ハウツウ本を読んだりして、頑張りがちですが、実はここでほとんどの方が
疲れてしまい諦めるのです。
若返るのも、美しくなるのも、魅力的になるのも、その手の事を身に付けたり
勉強しようとすると直ぐに飽きて続かないのです。
本屋さんにあるあらゆる参考本を読んでも、殆ど無駄な努力と成ります。
何故なら、ほとんどの方が、一番大切な事を忘れているからです。
それは、老化や身体の衰えのを、自分以外のものの力で阻止しようとして
外部からの方法に託しているから失敗するのです。
人間には、五感と言うものが有ります。
これが一番敏感なのが子供であり、若い人達です。
私達は、いつも、誰もが同じように感じていると思いがちですが
誰一人として同じ感覚は無いのです。
同じような感覚を共有して、生活をし、社会を作っているに過ぎないのです。
貴方が食べるご飯の味は、家族一人一人も、周囲の人も誰一人違うのです。
同じ牛肉を食べて、隣で美味しいと言っている妻の味わいは、私とは
全く違っているのです。
違っているのに美味しいと言う表情行為をするので、美味しいと思っているに
過ぎないのです。
では、同じ美味しさはどうやって感じればいいのでしょう。
それは、相手の気持ちを察して、どの様な美味しさかを感じる力を持つ事です。
素晴らしい魅力的な人に会ったら、その姿やしぐさを見て、外見を感じるのではなく
その人から発するすべての情報を五感で感じる様にすれば、その魅力が
外見でない事が解ります。
そして、その、素晴らしさが解って、自分がその内面に感動するようになると
すでに貴方は、同じ魅力的な人になって行くのです。
表札と門構えが美しいのも大切ですが、その後ろの本宅が素晴らしくなれば
本当の美しさと魅力が備わるのです。
自分の魅力を引き出し、美しさを増すには、本当の美しさ魅力を持つ人の
中身を感じる感覚を増す事で、自分が変わって行くのです。
外見的な美しさやスタイルは、家で言う入り口です。
中に入って、もっと素晴らしい人間性に触れた時、人は感動し
魅力的な人として認め、更には、自分もそんな素敵な人に変わっていくのです。