御神楽少女探偵団その40
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殺サレルベキ男で解決篇に入った所からである。
■殺サレルベキ男 解決編1 続き
滋乃は貞吉を静斗に預け、保護を依頼した。
それには静斗は頷いたのだが、現状では早隅の逮捕は無理だろうと言う。
偽証ではあるが、証拠がないからである。
そして巴は、意を決して民政署に向かった。
おりよく早隅が出てきたので、後をつけ始めた。
早隅はことらに入って行ったので、巴は裏に回り、塀を乗り越えようとすると、声がかかった。
「ちょっと待ってください!」
ギョッとして振り返ると、そこには芳蘭の姿があった。
しかし巴は制止する芳蘭を振り切り、ことらの邸内に入った。
そこには酒を酌み交わす早隅と林の姿があったが、巴は庭石に躓いて音を立ててしまう。
そして早隅は開通式と称して巴を犯そうとしたのである。
その時・・・
襖が開かれ、声が響いた。
「まずはその娘を放してもらいましょうか。
早くしないと私は阿片の後遺症で指が震えているんでね、発砲してしまうかもしれませんよ!」
そこへ森松らに率いられた警官がなだれ込み、林と早隅を引き立てていった。
■殺サレルベキ男 解決編2
そして、時人はこの事件の謎解きをする。
神父の腕を切断したのは?
美作すえである。
しかし、神父を殺したわけではなく、畑中は自殺したのである。
ではなぜ腕を切断したのか?
それは自殺を隠すためである。
おそらく畑中は手首を切って自殺したのだろう。
キリスト教では自殺は絶対の禁忌である。
だが、林に唆されたコウは、畑中にすえが妹であることを告げた。
敬虔で生真面目な彼は、近親姦の罪に耐え切れず、手首を切ったのである。
そしてすえは、その畑中の名誉を守るために、腕を切り落とし、他殺に見せかけたのだった。
時人はつぶやく。
「そうですよね、すえさん?」
いつの間にかすえがそこに立っていた。
以前巴が聞いた、「あの人は殺サレルベキ男だったんです」とは、そういう意味だったのである・・・
殺サレルベキ男 完
滋乃姫様御真影

■呪香 前編 事件編
朝、巴たちがホテルを出ると、一人の女性が困った様子でいるのを見かけた。
彼女は鶴牧要と名乗り、事件の依頼に来たそうである。
殺サレルベキ男を解決したとのことで、三人娘のことは新聞にも載っていて、それを見てやってきたとのことだ。
要は義兄である伊福部武明が、なにか悩みごとがあるらしいので、それを調査して欲しいと言うのだが、具体的な内容は話さないので、雲を掴むように曖昧なのである。
能天気が人間の形を取った巴は、明日伺いますと例によって安請け合いをしてしまう。
■呪香 前編 捜査篇之一
伊福部武明は呉服店を経営しているが、会って話してもこちらの言うことには上の空である。
確かに何かの心配ごとがあるようだが、三人には何も話さない。
伊福部の本宅で、娘の千佳と話すのだが、この千佳いとはんは、巴と甲乙つけがたい能天気いとはんで、言うことが全てすれ違ってしまうのだ。
御神楽少女探偵団その41へ続く
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