マンハッタン・レクイエム その3
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ピートの尋問だが、これもGreenbayさんのブログからである。
「ピート・ギルフォードの供述
……そうだ。JB、君の思っている通りだ。
君だけには知られたくなかった……。
JB、ジャクリーヌの事、覚えているかい?
あの頃、二十歳の僕達は……共に彼女の事を心から愛した。
でも、彼女は不幸な偶然から、凶悪な犯罪者が撃った流れ弾に当たり、その若い命を失った。
そして君は刑事になり、この僕はペンの力で、犯罪を生み出す現実を告発しようと心に誓った。
あの頃は……純粋だったな。
名も無い酒場のピアノ弾きのために……こうやって真実を捜し求めた。
僕は……もっと早く、君に全てを打ち明けるべきだったのかも知れない。
M&Mでやったメ[カー賭博で、僕は負けが続き、借金が膨らんでもうどうしようも無い所まで来てしまった。
だから……あの女が持ちかけた話を断る事など、出来なかったよ……。
あの女は、メ[カー賭博のメンバーのベイカー弁護士と組んで、ローレンス・ブルームの莫大な遺産を横取りする計画を立てていたんだ。
サラJが死ねば、ローレンス・ブルームの遺産は、彼に一番近い親族……つまりそれは、行方不明になっている娘のローリーのものになる。
あの女は……自分がそのローリーに成りすますつもりだったらしい。
ただ、それには自分の過去を知っているアンディ・ムーアの口封じが必要だった。
(中略)
僕は……サラをアパートまで送っていき、そして……彼女を……あの窓から突き落とした…………。
JB……サラを……サラ・O・シールズを殺したのは…………この僕だ。
もうすぐここに、あのアームストロングという刑事がやって来るだろう。
僕は君に話した通りの事実を認めるよ。
JB、ローレン・ベネットの自宅は、イーストサイドにある。
彼女は、きっとそこにいるに違いない。」
こうしてエンディングのローレン・ベネットの供述となる。
ローレン・ベネットの供述も、Greenbayさんのブログからである。
「とうとう解ったのね。私、あなたに初めて会った時から、こうして話をするときがやって来るような気がしていたわ。
もう20年以上も前の事、私は作曲家を志す一人の青年と出会ったわ。
彼の名前はマーク・ベネット。私は18だった。
貧しかったけれど、あの頃が私の人生の中で一番幸せな時だったのかもしれない。
私は彼のために昼も夜も一生懸命に働いた。
そしてやがて、マークの才能が認められる時がやってきたわ。
。
もうお金の苦労は無くなった。私は働かなくてもよくなった。
でもその頃からマークの心は私から離れていったの。
そして人づてに、相手の女がマークの子供を身篭った事を聞いたわ。
(中略)
ある時サラは、あたしに一枚の古い楽譜を見せてくれた。
その時のあたしは……サラの本当の父親がマークだと分かったの。
可愛がっていたサラは、私の人生を狂わせた女の子供だった。
そう、あれは9日の夜、店が終わったあと、サラの部屋を訪ねた。
あたしは力一杯あの子の背中を押したわ。
────……サラの体は、闇の中に吸い込まれていった……────
そうよ、ハロルドさん…………
あたしが犯人だわ!」
ということで、マンハッタン・レクイエムは完了である。
次回からはDCコネクションの予定
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