ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年3月23日。ウクライナ侵攻から760日目

2024-03-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月23日。

 昨夜にモスクワ郊外のコンサートホールで起きた銃乱射テロ事件。死者の数が130人以上に増えました。

 大統領府報道官は事件発生後すぐに「大統領はすぐに報告を受けた」と発表し、今日未明にロシア大統領は声明を出すと国営メディアが予告したのに後に、誤報として訂正されました。
 23日昼までベラルーシ大統領などの首脳と電話会談しています。
 すぐに過激派組織イスラム国が犯行声明を出し、何百人ものキリスト教徒を殺害に成功、実行犯らは拠点に無事戻ったとしました。

 ロシア大統領は動画演説で実行犯らのためにウクライナに越境する「窓口」が用意されていたと主張しました。背後にウクライナがいる、容疑者はウクライナへ逃亡しようとした、ということです。
  
 そしてロシア内務省は今日、ウクライナ国境ブリャンスク州で、逃亡しようとしていた容疑者らをカーチェイスの果てに拘束。実行犯として拘束された容疑者4人は全員外国籍でロシア人ではないとしていますが、国籍は公表していません。このあたりのロシア発の情報は二転三転しており、不確かあので、注意が必要です。
 逃亡に使った車の中にタジキスタンのパスポートが複数見つかったという報道はありました。

 ところが、タジキスタン外務省によると、ネットでモスクワのテロ事件の容疑者として個人情報が出回ってるタジキスタン国籍者のうち一人は犯行時も今も自国の首都ドゥシャンベに住んでおり、ロシアには行っていない。もう一人はロシアの都市のサマーラでタクシー運転手として働いていますが、犯行時には家にいたそうです。タジキスタン人もいい迷惑ですね。

 またブリャンスク州はベラルーシ国境とも接していますが、容疑者たちはウクライナ国境ではなく、ベラルーシ国境の近くで拘束された模様です。
 だからウクライナではなくベラルーシへ陸路で逃走しようとしたということになります。ベラルーシ経由でウクライナへ行こうとしたのではないか?という憶測がネット上に流れていますが、今ベラルーシとウクライナの間の国境は閉鎖されていますよ。

 ウクライナ大統領はロシアが責任をウクライナに転嫁しようとしていると非難。事件が起きてから、ベラルーシ大統領らと何らかの話し合いをして、その調整に時間がかかり、動画演説の発表が予定より遅くなったということかもしれません。

 今回の襲撃はウクライナは関係ない、我々の成果であると言いたいかのように、イスラム国は再び犯行声明を出し、襲撃の様子とする約1分半の動画を系列メディアで公開。実行犯とみられる数人の男が銃を乱射したり、床に倒れた人を刃物で切り付けたりしていました。最初に警備員を殺害して、あっという間にコンサート会場の中に侵入。6000席もある会場のチケットは売り切れており、開演15分前で観客が集まってきたところを無差別乱射です。
 実行犯は4人で、犯行声明によると機関銃や拳銃、ナイフ、爆弾を所持し、ホールに侵入。3人が銃撃する間に1人が爆弾を仕掛けたということです。

 ロシアのオンラインメディア「デバチ」は今日、容疑者の一人として露西部ブリャンスク州で拘束された男が拘束現場での当局側の尋問に「50万ルーブル(約82万円)の報酬を約束されて銃撃事件を起こした」と答える様子を撮影したとする動画を公開しました。
 動画内で男は、約1カ月前に交流サイトを通じ、氏名などが不明な人物から接触を受けたと説明。無差別銃乱射事件を起こす見返りに50万ルーブルの報酬を約束され、事前に半額を送金されたとしました。事件で使った銃に関しては「彼らから渡された。彼らが何者かは知らない」と述べました。
 こんなお金の話を出されただけで、あんなにパンパン人を撃ちまくれるんですね。

 現場となったクロッカス・シティー・ホールは火災で焼け落ち、瓦礫の下に犠牲者が閉じ込められています。

 私の日本語教室の生徒さんの親戚がこの会場の近くに住んでいて、昨夜は家の窓から燃え上がる火を見ていたそうです。
 その生徒さん自身も数年前にこの会場へコンサートを聞きに行ったことがあり、会場自体はとても大きく、見やすい構造になっていて、とてもいいコンサートホールだったこと、ショッピングセンターも併設されていて、とてもきれいなところだったのにと話してくれました。
 
 ただ、建築の専門家によると、複合施設は建築資材に安い中国製を使用しており、耐久性や耐火性の低い建物だったそうです。
 火災が発生したときも火災報知器が鳴った証言はなく、スプリンクラーも稼働していませんでした。また有毒ガスが建物内部にこもらないようにする排煙装置があったにも関わらず、それも稼働したようすがなく、光熱で安物の建築資材が溶解。建物が崩落してしまいました。
 今回の死者のうち、銃殺されて死亡した人は40名ほどで、後は火災が死因だそうです。6000席の会場のチケットは売り切れで満席だったということは、もっと被害が大きかった可能性もありました。

 ロシアではこんさーとだけで多くのイベントが中止・延期されています。
 ベラルーシも同様です。またアニメフェスティバルが中止になるんでしょうね。
 明日24日はロシアは追悼の日になることが決まりました。

 ミンスクでも今日は地下鉄の警備体制が厳しくなり、手荷物チェックを受ける乗客も多かったです。


 今日、ロシアの宇宙センターからソユーズMS-25が打ち上げに成功。ベラルーシ共和国初の宇宙飛行士(しかも女性)マリーナ・ワシレフスカヤ氏(元ベラビアの客室添乗員)も搭乗し、宇宙へ飛び立ちました。25日に 国際宇宙ステーションに到着予定です。
 アメリカのトレイシー・ダイソン氏と、ロシアの宇宙飛行士オレグ・ノビツキー氏も搭乗しました。
 宇宙船の中では人種関係なく協力しあって宇宙の旅をしています。それなのに地上では・・・