ロイターによる9月17日の報道です。
欧州議会は17日、大統領選の不正疑惑が取り沙汰されるベラルーシのルカシェンコ大統領の再選を認めない姿勢を示した。 欧州議会は8月9日に行われたベラルーシの大統領選の結果を巡って投票を行い、574対37(棄権82)で選挙の結果を認めない方針を決めた。 声明では「現職のルカシェンコ氏の任期が満了する11月5日以降、議会は同氏をベラルーシの大統領として認めない」とした。
ロイターによる9月17日の報道です。
欧州議会は17日、大統領選の不正疑惑が取り沙汰されるベラルーシのルカシェンコ大統領の再選を認めない姿勢を示した。 欧州議会は8月9日に行われたベラルーシの大統領選の結果を巡って投票を行い、574対37(棄権82)で選挙の結果を認めない方針を決めた。 声明では「現職のルカシェンコ氏の任期が満了する11月5日以降、議会は同氏をベラルーシの大統領として認めない」とした。
ベラルーシ南部の町、ピンスクに拠点のあるメディア・ポレーシエに、ロシア版フェイスブック、フコンタクテの「Pinsk is love」が行ったアンケート調査結果が取り上げられました。
ピンスク市民1607人に9月6日から「どこか外国に住みたいですか?」という質問のアンケート調査をしました。
回答の選択肢はいくつかありました。そしてアンケート結果が発表されました。
一番多かった回答は「いいえ、どこにも行きません。」で約31パーセント。
次に多かったのは「今後の国内情勢を見て決める。」が約25パーセント。
次は「国外へ出たいが、ピンスクに住み続けたい。」で約15パーセント。
そして「はい、もうすぐ外国へ行きます。」で約14パーセント。
次が「はい、もう国外へ出ました。外国に住んでいます。」が約10パーセント。
最も少なかったのが「ピンスクに引っ越してきて、ピンスクに住みたい。」で約2パーセント。
最後の二つの回答は、元ピンスク市民でしょうか。
「はい、もう国外に出ました。」が10パーセントということは160人ですか。そして、「はい、もうすぐ外国へ行きます。」が14パーセントということは230人ですか。
ピンスクの人口はおよそ126300人です。
日本で同じアンケート調査をしたら、どんな結果になるでしょうか。
ピンスク市民の意識調査がベラルーシ国民全員の意識を反映しているわけではありません。
しかし、人口12万人の市民のうち少なくとも230人が旅行などではなく、就職や留学などで、国外へ長期にわたり住むので、国から出ていくとはっきり決めているというのは、どうなのでしょう。
いや、ずっとベラルーシに住み続けますよ、と決めている国民が30%だったとして、残りの70パーセントは必ずしもこの国に住み続けるとは限らないとすると、将来どうなるのでしょうか。
極端な人口流出、少子化、高齢化、人手不足になると思います。
ベラルーシはこれといった天然資源もなく、オイルマネーなどで潤っている国とは根本的にちがうのですから、人材流出が続くと社会が空洞化し大変なことになります。
単なる短期の出稼ぎ労働だったらいいのですが、居住地を完全にベラルーシの外にしてしまうと、税収も入ってこなくなります。
ベラルーシ人がベラルーシ人に向かって、政府のやり方が気に入らないのなら、うるさいデモ集会などしないで、黙って国外へ出て行けというのは、まちがいで、かえって自分の首を絞めることになります。
いまだ国内でやかましく反政府のシュプレヒコールを上げている人が大勢いるだけで、まだましな社会だと言えます。もっと問題な社会は、人が少ない、特に若い世代、子どもの人口が少ない社会だと思います。
ベラルーシ大統領は9月17日、政府主催で開催されたコンサート会場(表向きにはベラルーシ女性フォーラムが開催され、そして多くの歌手も登場するコンサートも行われた)の壇上で、近い将来、ポーランドとリトアニアとの国境を閉鎖すると発表しました。
また、残念ながら、ウクライナとの国境地帯も閉鎖していく方針だそうです。
今年前半、コロナウイルス感染が拡大していたとき、他の周辺国と違って、一切国境を閉鎖しなかったベラルーシ。
今、別の理由で国境の半分近くを封鎖しようとしています。
ポーランドは、ベラルーシ人に簡略された観光ビザの発給を今日から始めました。
今のうちならポーランドへの出国が簡単にできるようになりました。
ウクライナの大学は、反政府デモに参加したため、退学処分を受けた大学生の編入を受け入れると発表しました。
まだウクライナとの国境地帯ではユダヤ教超党派の人々が足止めされています。
・・・・・
追記です。9月19日のユダヤ教の新年をウクライナの聖地ウマニで迎えることをあきらめたユダヤ教超党派の人々は、あきらめて、18日ピンスク市内のホテルや貸しアパートなどに宿泊しました。そしてピンスク市内にあるユダヤ系が通っている学校(もちろんベラルーシ国公立の学校ではありません。)に集まり、そこで新年を祝う儀式を始めました。
ちなみに、1000人以上が足止めのためほとんど野宿状態だったため、人々が去った後、国境地帯に大量のゴミを放置していきました。
煮炊きや暖を取るための焚き火の燃えかすなどもそのまま。
テリトリーで言うとベラルーシ領内なので、これからこの大量のゴミをベラルーシ人が税金を使って片付けないといけません。通さなかったウクライナ側に清掃費用を請求せよ、と言う意見もありますが、ウクライナ側は応じないでしょう。
ベラルーシ人の中でのユダヤ教超党派のイメージが悪くなりましたね。
・・・・・
一週間前にスウェーデン大使館敷地内に逃げ込んだベラルーシ人二人は、大使館内で暮らしている状態で、政治亡命を認めるかどうか関係者の間で調整中のようです。
ここで、認めると多くのベラルーシ人がスウェーデン大使館の塀を乗り越えようとするかもしれません。あまりにも大勢が殺到するとスウェーデン政府も困りますよね。
9月17日、ミンスク・アレーナで、ベラルーシ政府主催のコンサートが行われ、ベラルーシとロシアの有名な歌手が出演要請されました。
ベラルーシ政府お抱え芸能人はともかく、ロシアの有名歌手、ニコライ・バスコフも招かれていますが、ベラルーシ人ファンの多くは、「出演したらベラルーシ政府を支持していると見なされる。ベラルーシ人ファンには見放される。それでもいいの?」「出演しないで!」とネット上で書き込んでいます。
(ギャラのためにベラルーシまで来るかもしれませんが、そのギャラももともとロシアからの借金の一部かもしれません。ロシアから借金して、ロシアの歌手にギャラを払い、お金はロシアへ。そしてベラルーシ人がベラルーシで税金を納めて、ロシアに借金を返していくわけです。)
観客は公務員が動員されます。会場の周りには政府がチャーターしたバス60台が止まっています。
政府支持政党の党員などが招かれているようです。
ベラルーシ大統領と、モスクワ郊外の高校に偽名で入学したという噂が飛んでいる三男もコンサート会場に登場しました。
最近はミンスク市内の団地の中で、住民主体のデモ集会が行われており、反政府系のミュージシャンが飛び込みで演奏したりしています。
9月17日の書き込みです。
ベラルーシのコロナウイルス感染者数は74987人になりました。1日の新規感染者数は224人です。
死者数は771人です。
72967人が回復しました。
168万件を超える検査数となりました。
ベラルーシ労働省によると、今年初めに存命だった大祖国戦争従軍者の数が、半年の間にほぼ半減(45%)したそうです。
分かりやすく言えば、第二次世界大戦中、兵士でしたというベラルーシ人で、ご存命だった人(平均年齢は95歳ぐらいですね。)の数が、今年7月に計算すると、半分近く減っていた、ということです。
つまり95歳前後のベラルーシ人の二人に一人が、今年1月から6月の間に亡くなったということです。
たしかに、90歳代は高齢なので、亡くなる確率も若い世代より高いのは理解できるので、少しずつその数が減っていくのは当然なのですが、半年で半減してしまうのは、あまりにも急ではないか、という声が上がっています。
もちろんコロナウイルス流行の関連性が疑われるのですが、公式発表では死者数は1日平均4、5人なので、半年の間にコロナウイルス関連で亡くなった方全員、90歳代というわけではありません。
またコロナウイルスとは関係のない、以前からかかっていた持病のせいで、今年前半亡くなった方もたくさんいると思います。
チハノフスカヤ元候補は、反政府デモ集会参加者に暴行を加えた治安部隊員や命令を出した役人の氏名を把握していると発表しました。
そのブウラックリストは黒い本と呼ばれていますが、タライコフスキー・リストとも呼ばれています。
タライコフスキーは、無防備でデモ集会に参加していて、治安部隊に射殺された人で今回の反政府デモ運動の最初の死者の名字です。
立候補そのものができなかったツィプカロ氏は、ベラルーシ大統領を国際人道法に違反しているとして、ハーグの国際刑事裁判所で裁いてもらうよう要請しました。
ちなみにベラルーシは加盟国ではありません。
まだはっきりと命名されているわけではないのですが、今回の反政府活動が革命だとして、またそれが成功したとすると、社会がひっくり返ってしまうわけです。
フランス革命で国王がギロチンにかけられたり、ロシア革命で皇帝一家が銃殺されたりすることがあるわけです。
もし、社会がひっくり返り、白が黒になり、黒が白になった場合、警棒でデモ参加者を殴っていた警察が今度は裁判にかけられ刑務所に入れられることになります。
今政治思想犯として刑務所に入れられている人は解放され、名誉回復がなされるでしょう。
すでに4人のデモ参加者が死亡しています。故意でなくても殺人の犠牲者です。殺人犯は今も元気でベラルーシのどこかにいます。今日も身柄拘束をしているかもしれません。今は治安維持のため立派に任務を遂行している警察官という扱いです。
もし、社会がひっくり返ったら、殺人犯として裁かれる立場になります。
このような可能性を考えていないのでしょうか。ボーナスの額のほうが大事なのでしょうか。
自分が正しくて、犯罪者ではない、という立場でいられる時代が自分が死ぬまで必ず続くと信じているのでしょうか。