ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

9月20日、今日もデモ行進、7回目の日曜日

2020-09-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 今日もミンスクの地下鉄は6箇所で閉鎖されました。

 市内の道路もあちこちで封鎖されました。装甲車や護送車も各地に配置されました。主要な広場の周りには鉄条網が張られ、立ち入り禁止になっています。

 そして反政府デモ行進が始まりました。ミンスク郊外の「栄光の丘」では政府派のデモ集会が行われました。

 ミンスクだけではなく、ブレスト、ゴメリ、バラノヴィチなどでも大規模なデモ行進が行われ、ロシアのサンクトペテルブルグやウクライナのキエフでもデモ集会がありました。

 

 そして身柄拘束です。ミンスクのツム百貨店近くでは逃げ惑う人々を追いかけ、引きずるようにして護送車に押し込んでいます。今日は日曜なので百貨店で買い物していた人も多くいたと思いますが・・・。

 ブレストでは催涙ガスがまかれました。大勢の人に向かってまく、というより、一人だけに顔面に発射。そして拘束です。

 また威嚇射撃らしい何かの発射音が2回、その場でスマホで動画撮影していた人の動画の中で聞こえます。

 

 グロドノでは、妊娠中の女性も手荒に護送車に押し込まれました。「私は妊娠しているのよ! どこにも行かない、離して!」と叫んでいるのに、複数の治安部隊員で引きずって行きました。

 明らかにお腹が膨らんでいて、妊娠前期ではない人です。

 

 ミンスク英雄都市記念碑の前には治安部隊が配置され、近づくことはできません。しかし、その周囲には多くの市民が集まっています。

 ミンスクで白赤白の旗を掲げていた一人の男性を拘束するのに治安部隊が20−30人ぐらい寄ってきます。

 

 ミンスクのデモ行進の参加者は5万から10万という報道があります。デモ行進そのものは、治安部隊のせいであちこち分断されています。

 しかし、ミンスク市内の各区ごとにデモ行進をしています。

 区の中だけで行進をして、ミンスクの中心部にはわざと行かない。身柄拘束される可能性が高いですからね。

 それより、各団地ごとに土日家族で集まって、お茶したり歌ったり踊ったりのピクニックのような平和なデモがあちらこちらで行われています。

 そこへ有名歌手が飛び入り参加することも。ただ、有名な人は身柄拘束されやすいようですね。

 身柄拘束された人は400人以上だそうです。

 

 今日は良い秋晴れの日でした。

 


作詞者が脅迫されている?

2020-09-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 「ロシアのアーティストがベラルーシ祖国愛を歌う」の記事でも書きましたが、現在この歌の歌詞を書いた作詞者が、ユーチューブのコメント欄を閉鎖したと発表しました。

 案の定、大炎上して、「人殺しを礼賛する歌詞を作った。」などというコメントが殺到し、この作詞者に対しても、「命を大事にしな。」といったコメントが書き込まれたようです。

 

 ・・・私個人としては、このように脅し文句をネット上で投げつけるのは、いけないことだし、法律違反だと思います。

 みなさんやめましょうよ、こんな個人攻撃・・・と思います。

 一方で、この歌の作詞者や出演した歌手は、この歌の発表後、自分の身に何が起きるのか、全く想像していなかったの?と不思議にも思います。

 芸能人なのだから、先のことも予想して仕事を選ぶのが当然だと私は思うのですが・・・。

 一方で目の前にあるギャラのためには、後先考えず行動する芸能人もいっぱいいるんでしょうね・・・と改めて感じました。明日自分のファンがごっそりいなくなり、新しい仕事が来なくなってもいいや・・・と思っているのか、何を歌おうが何をしようが、常に高額ギャラの仕事が死ぬまで来ると信じ込んでいるのでしょうか。 


ハッカーがベラルーシの治安部隊員の個人情報を1000人分流出

2020-09-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 以前から予告していたとおりと言えばそうなのですが、ハッカー(集団)と思われる「サイバー・パルチザン」が9月20日、約1000人分のベラルーシの治安部隊員の個人情報を流出させました。

 氏名、誕生日、勤務地、所属、肩書きなどが、ネット上で閲覧できる状態です。

 あっという間にネット上で拡散。個人情報のリンク先を掲載するサイトも多数です。クリックすると「閲覧できません。」というエラー表示が出るサイトも多いですが、すっと閲覧できるサイトもあります。

 このように一気に拡散すると、政府が完全にネットを遮断しない限り、無限に閲覧できます。それに個人のPCに保存されて、しばらくしてからまたネット上に出てくるでしょう。もう止められません。

 

 サイバーパルチザンは「治安部隊のみなさん! これだけではなく、あなたの電話番号も把握しています。(身柄拘束を続けるなら、それも公開しますよ。)それと、一部の人については愛人との会話なども記録を収集しています。(奥さんにばれてしまいますよ。)」と表明しています。

 さらにサイバーパルチザンは

「前もって警告しますよ。目出し帽の下に素顔を隠し続けることはできないことを。ベラルーシ大統領、内務大臣、大統領事務局長、血に飢えた将軍たち(軍人たち)は法的だった治安部隊を法外な悪党集団に変えました。そして法外な行動(拷問)をしてもよいという命令を出しました。これは平和なベラルーシ一般人に対する宣戦布告ですよ。」

というメッセージも添えました。

 この1000人のうち、サイバーパルチザンが特に「ベラルーシ人の血に魅入られた12人」については、乗っている個人使用の乗用車の車種やナンバー、マンションの部屋番号はありませんが、自宅住所などがおおよそ流出しました。

 また7人については携帯の電話番号も流出しました。

 

 この個人情報流出により、(よくないことではありますが)特定の個人に対する個人的な攻撃や私刑もこれから起きるかもしれません。

 その家族は、特に子どもは学校でいじめにあったりするかもしれません。

 想像してみてください。同じクラスに、親が反政府デモ参加者を警棒で叩いているという子どもと、親がデモ集会に参加していた、あるいは近くを歩いていただけで、殴られ、留置所で拷問を受けたという子どもがいっしょに勉強している光景を・・・。

 

 この1000人の個人情報を流出された治安部隊員からは悲鳴が上がりました。

 自分の名前をこのリストから消去するよう1日でこのうちの200人から要請が出ました。要請先は自分たちの勤務先、内務省です。

 サイバーパルチザンは当たり前ですが匿名のハッカー集団なので、消去してくださいと頼みたくてもどう頼んだらいいのか分かりません。

 それで内務省に要請したのですが、内務省のトップも、サイバーパルチザンにどうやって頼めばいいのでしょう? 命令などできませんし、できたとしても、サイバーパルチザンの要求は「これ以上、反政府派デモ参加者を身柄拘束するな。」です。

 「今日また身柄拘束を一人でもしたら、個人情報を流出させますよ。」と一週間前に予告していたのです。しかし、連日身柄拘束が行われ、とうとう今日、サイバーパルチザンが予告通りに1000人分の個人情報を流したのです。

 今頃、内務省が「個人流出をやめてください。」と頼んでみて、サイバーパルチザンが何と答えるでしょう?

「だったらこれ以上身柄拘束や逮捕はやめろ。」・・・でしょうか?

 それとも内務省も頭脳を使って、ハッカー集団の居所を突き止めて逮捕するのでしょうか?

 このサイバーパルチザンを名乗るハッカー集団は、いかにもベラルーシ国内にいるベラルーシ人のような印象ですが、実際にはアメリカに住むベラルーシ人集団らしいという未確認情報が流れています。

 それが本当だとしたらベラルーシ内務省は、サイバーパルチザンを逮捕することは難しいでしょう。

 一応内務省は、サイバーパルチザンの正体を突き止め、厳しく罰すると言っていますが、国外にいるハッカー集団をどうすることもできないらしいというのは、とっくに知られています。

 8月9日から3日間、ベラルーシ国内でインターネットが遮断されたのは、外国からのサイバー攻撃であり、ベラルーシ政府が止めたのではない、とにかく外国人が悪いと表明し、その正体を突き止めたこともなく、いまだに不明のままだからです。3日の間、自分たちは外国からのハッカー攻撃を回避、ネット環境改善をすることもできませんでした。

 ちなみにベラルーシ内務省の公式サイトはハッカー攻撃を受けてからいまだに閲覧できない状態です。もう何日放置されたままなのでしょう。全く復旧されていません。

 

 上記の200人の個人情報をばらされ、なおかつそれを何とか消去してほしいと内務省に訴えている200人の治安部隊員ですが、消去ができず個人情報が垂れ流し状態のままになるのなら、もう退職すると言っているのです。

 こうして治安部隊をやめる人がどんどん出てきたら、身柄拘束も思うようにできなくなります。

 

 最近治安部隊の人数が多すぎてこれはおかしいので、ロシアから助っ人がベラルーシへ来ているという情報もあります。

 この人たちに給料を払っているのはベラルーシです。そしてそれはロシアから借りた借金が充てられます。こうしてロシアのお金がロシアへ戻ってゆき、ベラルーシ人は国の借金を返すためにこれから重税が課せられる可能性があります。

 それがいやだというベラルーシ人は次々と国外へ出て行くでしょう。

 

 ちなみに治安部隊員だった人が、「もういやだ、個人情報もれまくってるし。仕事やめる!」とやめたところで、どこで再就職できるのでしょう?

 他のベラルーシ人は、リトアニアやウクライナ、ポーランドで人道的援助が受けられ、就職できます。

 しかし元治安部隊員はこれらの外国での再就職は不可能、それ以前に出国もできないでしょう。

 ロシアへ出稼ぎに行くのでしょうか? ロシアの警察なら喜んで再就職を受け入れてくれるでしょう。

 こうして、ベラルーシではロシア人がベラルーシ人を取り締まるようになり、ベラルーシ人の元治安部隊はロシアで警察の手伝いをするようになるでしょう。ねじれた社会構造です。

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者75674人。死者数780人

2020-09-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月20日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は75674人になりました。1日の新規感染者数は213人です。

 死者数は780人です。 

 73265人が回復しました。

 173万件を超える検査数となりました。