ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

EUが制裁へ?

2020-09-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月21日、チハノフスカヤ氏が、EUに招かれ、ルカシェンコ政権への制裁実施とベラルーシ国民への自演を英語で呼びかけました。

 ベラルーシで現在続いているのは、反ロシアでも反ヨーロッパでもなく、ベラルーシ国内での民主主義革命であると主張し、現大統領が野党や国民と全く対話しようとしていないことを訴えました。

 多くの無実の人々が獄中におり、不当な身柄拘束が連日続いているため、EUからの制裁を訴えました。

 

 ベラルーシへのEUの制裁は加盟国のうちキプロスが条件を出していて、足並みが揃っていなかったのです。

 東地中海での天然ガス開発をめぐり、対立を深めるトルコに対しても同様の制裁を科すべきだと主張。対トルコ制裁をEUで合意しない限り、ベラルーシ制裁についてはキプロスは同意しないとでも妥協しないと言及していました。

 しかし、今日キプロスも同意しました。今後数十人のベラルーシ高官へのEUからの制裁が始まります。

 

 30人のヨーロッパ諸国やアラブ首長国連邦などのベラルーシ大使がもうすぐ解任されると、ポーランドで野党活動をしている前ヤンカ・クパーラ劇場長がインタビューで答えました。元フランスでベラルーシ大使をしていたので、確かな情報を持っているようです。

 

 今日、ベラルーシ医大、ゴメリ医大、グロドノ医大の学長が3人とも解任され、新しい学長が大統領により任命されました。

 他にも省庁のナンバー2に当たる役職が解任、他の人が任命されています。

 ベルアズ・ホールディングスの代表取締役社長も解職されて、新しい社長が大統領により任命されました。

 ベラルーシ大学の教員が次々退職しているようです。

 

 ベラルーシ・カリの従業員がストライキをしていたのですが、身柄拘束された後、警察ではなく精神病院に入院させられました。

 

・・・

 

 9月21日の追記です。

 やっぱりキプロスが反対しているので、全会一致が原則の欧州議会では、つっこんだベラルーシ政府への制裁は今はできないようです。

 多数決で決めるのではないのでしょうがないですね。

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者数75898人。死者数785人

2020-09-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月21日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は75898人となりました。1日の新規感染者数は224人です。

 死者数は785人です。

 73301人が回復しました。

 173万件を超える検査数となりました。 

 

 


さらに1000人の治安部隊員の個人情報流出

2020-09-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月21日、さらに1000人分の治安部隊員の個人情報がネット上に流出、拡散が続いています。

 二日間で合計2028人の個人情報が閲覧できるようになっています。

 今日はミンスク以外の地方都市の治安部隊員(警察官)の情報が多いようです。

 このうちすでに200人以上から、「嫌がらせを受けた」(いたずら電話や暴言吐かれるとかでしょうか・・・)「脅迫を受けた」(身柄拘束や拷問やめろ!と言われているのでしょうか・・・)という陳情が内務省に寄せられているそうです。

 内務省は、このような嫌がらせや脅迫は犯罪に当たり、厳しく捜査して、立件、処罰する方向に進んでいると発表しました。

 

 ちなみにベラルーシ政府は、ネットで得られる情報はフェイクですよ、と国民に毎日言っていますが、少なくとも200人の個人情報はフェイクではないということですね。


反政府デモ、弾圧で参加者減か?

2020-09-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 月曜日になると日曜日のミンスクでのデモ集会のことが日本でもニュースになります。

 今日それを見ると、「反政府デモ、弾圧で参加者減か」などと書かれています。日本語の記事ですがでどころはロシアの報道です。

 あくまでも私からの意見です。

 一ヶ月半前のミンスクのデモ、20万人集まっていた。(ベラルーシ政府の発表では10万人も集まっていない。)今日のミンスクのデモは5−10万人程度。参加者が減っている。政府の弾圧が効いているんだね・・・暗にベラルーシ政府批判。

 という日本のマスコミが日本人に与える印象を鵜呑みにしないほうがいいです。

 弾圧の影響でデモ集会参加者が減ったというのは、日本人に「直接的な影響」なんだなと思わせますが、「間接的な影響」も多いのですよ。

 

 私の考えでは、デモ行進が分断されて、ミンスク中心部のデモ「行進」の数は減っているように見えても、ちぎれた行進がミンスク市内にあちこち散らばっていて、全体で何人参加したのか計算しづらくなっています。

 政府の弾圧の影響で、「ミンスク中心部のとある1箇所に集まった行進している人の数は以前と比べて減った」ということです。

 

 デモ参加者の数は、計算するのも難しく、前々から情報源によって数はバラバラです。

 ベラルーシの国営系のマスコミやロシアのマスコミは少なめに報道する傾向があるし、(9月20日はミンスクで5万人参加だそうです。)反政府系のネットニュースでは多めに報道する傾向があります。(9月20日はミンスクで15万人だそうです。)3倍も開きがあります。

 

 そして、今は休日は団地ごとに集まって、平和的なデモをするのが急増しています。この人たちの数を全て集計するのは至難の技です。

 

 次にデモ参加者が減ったとされる理由の一つはコロナウイルスです。

 再びベラルーシで感染者が増えてきました。感染が分かると、その人の家族や職場の同僚なども、自己隔離されるのですから、外出自体ができません。

 

 次にロシアのマスコミの分析では、「ベラルーシ人の国外脱出が増えているからデモ参加者が減っている。」です。弾圧の影響は間接的で、経済的、思想的に亡命、出稼ぎが増えているからということです。

 

 ピンスク市民の(おそらく若い世代の)10パーセントがもうすでに外国へ出国しました。

 12パーセントはもうすぐ出て行く予定で、トランクに荷物を詰めたり、パスポートやビザの手続きに奔走しているのです。こんな考えの人たちが、この国がよくなりますようにと願いながらデモ行進に参加しますか?

 すでに近い将来の国の状況の改善を諦めてしまった人たちです。合計22パーセント、5人に一人ですよ。

 さらに25パーセントが状況によっては国外へ出る予定なのです。そして選挙後、一か月半が過ぎても、弾圧が続いています。

 合計47パーセントの人が国を出て行く状況を日本に当てはめて想像してみてください。

 

 次に私の予想ですが、昨日のデモ行進参加者が減ったのは、この週末、ベラルーシ人の多くがきのこを広いに郊外の森へ行った影響もあったからです。また今はじゃがいもの収穫時期です。

 金曜日まで雨が数日降り続きそして土日はとても天気が良く、森の中できのこを拾うベラルーシ人が大勢いました。

 このベラルーシ国内の混乱、経済状況が悪化する可能性が高いことから、今冬ごもり前の保存食の準備に焦っているベラルーシ人もたくさんいるのです。

 キノコを干したり、酢漬けにしたり、果物のジャムや野菜のピクルスを作ったりしています。ジャガイモは主食だから土中の保存庫へ。家族総出で食料の調達に必死です。

 ベラルーシを出て行かず、国内に残る予定の人は、とにかくこの冬、食糧危機が起きたときのことを考えて、今食料があるうちに保存食を大量に準備しようとしています。

 デモ集会へ行く時間が秋の収穫期にはないのですよ。今しかできないことを優先するのは当然です。今そのような心理状態の人が大勢います。

 そんなことするのは田舎に住んでいる人だけでしょ?と思う日本人も多いかもしれませんが、首都のミンスクに住んでいる人の多くはセカンドハウスで家庭菜園をしている人も大勢いるし、またミンスク郊外へ車で20分ほど行けば、キノコが生えている森があちこちにあります。

 

 このように、さまざな要因が重なっていると考えてください。