ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

アメリカ国務長官「ベラルーシでアメリカ人が拘束されている。」

2020-09-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ポンペオ米国務長官はベラルーシ現大統領に対する抗議デモも支持していることを表明していますが、「ベラルーシ国民に対する暴力を今すぐ停止し、不当に拘束された全ての人の解放を求める。」と改めて強調しました。

 今後、EUと足並みをそろえてアメリカがベラルーシに制裁を加えることを検討中としました。さらにアメリカ国籍の男性が拘束されていることにも言及し、他の拘束者とともに早期解放を求めているそうです。

 アメリカがEUと足並みをそろえると言いだすと、日本もそうする可能性が出てきますね。日本政府もベラルーシ政府にアメリカと似たような制裁を発動するのでしょうか・・・。

  

 今日はベラルーシとロシアの外相がモスクワで会談しましたが、ロシアの外相は、

「ベラルーシの反政府活動の中に多くのウクライナ人がいて、扇動している。」と発言。ロシアの外相なので、何か証拠を握っているのかもしれません。

 ベラルーシの外相は「ベラルーシがウクライナ化することを抑えることができた。」と言及。

 ベラルーシとロシアはこれからも仲良くしますよ、というアピールをしました。この二人の言い方では、ウクライナはすっかり共通の敵のようです。

 そして2週間以内にベラルーシ大統領がモスクワへ行って、ロシア大統領と会談することが決定されたと発表しました。日時は今後調整されるそうです。

 

 明日はロシアの首相がミンスクへ来て、ベラルーシ大統領と会談する予定です。


9月2日、女性の行進。ミンスク言語大学でデモ集会

2020-09-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月2日、ミンスク英雄都市記念碑の前に女性が大勢集まり、人間の鎖を作りました。その後デモ行進となってミンスク言語大学のほうへ移動。

 ミンスク言語大学の前で人間の鎖を作っていた学生のうち、端にいた男子学生は治安部隊に拘束されました。

 周囲の学生が、「連れて行かないで!」「恥知らず!」などと叫び、通りかかった先生と思われる男性も治安部隊に「その学生を離してくれませんか。」と声をかけましたが、治安部隊はもちろん無視。

 大学内のロビーで大勢の学生が大学側と話し合っていますが、もちろんすんなりと進んでいません。

 もちろん授業など出席していません。

 そこへ治安部隊が大学構内に入ってきました。しかし学生は「帰れ! 帰れ!」とシュプレヒコールを上げて、追い返しました。

 

 そして女性の行進と大学生の行進が合流し、独立広場を目指します。勝利広場駅近くに来たときに護送車が何台も独立広場のほうへ向かうのを見て、「(治安部隊を)法廷へ!」と叫んでいました。

 そこにはあのニーナさんの姿も。

 

 他の大学でもデモ集会を行っています。今日はベラルーシ大学は物理学部の学生がデモを行っています。

 

 IT企業「パンダ・ドク(PandaDoc)」が捜査を受けた(トップ・マネージャーが朝、家にいたところ警察に拘束された)ことに抗議するIT企業従業員らが人間の鎖をベラルーシ・ハイテクパークのすぐそば、ミンスク環状線道路に沿って作りました。

 しばらくすると警察が近づいてきました。しばらく参加者と話をして警告の言葉を伝えていましたが、拘束はなかったようです。

 

 今日のデモ行進ではパンダの着ぐるみを着た人、(捜査を受けた企業の名前が「パンダ・ドク」だから)猫の着ぐるみを着た人(大統領がデモ参加者のことを「ネズミの群れ」と評したため。「私たちはネコ。ネズミじゃない」というプラカードを持っています。)が目立って多かったです。

 グロドノ食肉加工工場は従業員の署名を集めて、グロドノ市議会と州議会に、今回の大統領選挙の結果は無効であることを認めなければ、ストライキに入るとして提出しました。

 

 最初のデモ参加者が死亡した現場近くのアスファルトに誰かが「決して忘れない」と書いていたのが、今日ペンキを塗られて消されました。

 

 地方都市で道路のアスファルトにチョークで白赤白の側の絵を描いていた若い女性二人が逮捕され、裁判になりました。

 判決によると、チョークで公道の路面に絵や文字を描くときは市役所の許可が必要・・・だそうです。

 子どもがチョークで絵を描くのもだめなようです。

 

 白赤白の旗をベランダにぶら下げていたら、クレーン車がやってきて取り外し、持って行ってしまいました。

 野党側から「それは窃盗に当たります。」と声明が出た途端、旗は持ち主に返されました。

 

 高層マンションが立ち並ぶ一角で、住民がマンションからマンションにロープを渡し、白赤白の旗をいくつも下げていたところ、登山家アレクセイを名乗る覆面の男性が現れ、ロープを切ってしまいました。

 実際にはレスキュー部隊員のイーゴリだそうです。仮名を使っていても、今の時代ネットの画像検索ですぐに正体がばれますね。

 

 ミンスク市内にあるポーランド大使館前で政府派のデモ集会がありました。

 ベラルーシ大統領が、ポーランド政府はグロドノ州を占拠し、領土に加えようとしている、と発言したのを受けてか、デモ参加者は「愛する母国を渡さない!」というシュプレヒコールを上げています。

 しかし参加者の人数はとても少ないです。100人もいないでしょう。

 

 今日は8月30日に逮捕されたジャーナリストの裁判の日です。取材をしているだけでなく反政府活動に参加していたから、規則違反であるというのが逮捕の理由です。

 8月30日にグロドノ市内で行われたデモ集会にルカシェンコ大統領のような格好をした男性(あまり似ていない・・・。)が「本物じゃない大統領」というプラカードを手にして参加した男性が、後で逮捕され、今日裁判がありました。判決は7日間の拘留だそうです。

  9月1日逮捕された学生の裁判も今日ありました。(早い・・・。)人によりますが、7日間から15日間にかけての拘留が多いようです。

 

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者72141人。死者数691人

2020-09-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月2日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は72141人になりました。1日の新規感染者数は179人です。再び増加傾向にあります。8月9日以降連日大勢が集まるデモ集会が行われていたので当然かもしれません。

 死者数は691人です。

 70900人が回復しました。

 154万件を超える検査数となりました。

 


反政府デモに参加した学生は退学処分を受けないですみそうです

2020-09-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ベラルーシ教育省は、9月1日の学生デモに参加した学生を割り出して、退学処分にする・・・といったことはしません、と発表しました。

 よかったです。そんなことしたら、ベラルーシの大学が空っぽになってしまいます。

 ただ教育省は、学生は勉強すべき、教員は教鞭を取るべき、と釘もさしました。

 

 ベラルーシのスポーツ選手350人が反政府派を支持する表明を出しました。

 来年の東京五輪のベラルーシ代表には選ばれなくてもいい、という考えの上でしょう。

 デモ集会に参加している人はただうるさいだけなのではなく、自分のステータスが奪われてしまうのを覚悟の上で参加していることを批判する人は知っておいてほしいです。


前ヤンカ・クパーラ劇場長、大使とともにポーランドへ出国

2020-09-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 前ヤンカ・クパーラ劇場長で元文化相だったパーベル・ラトゥシコがポーランドへ出国しました。

 野党調整評議会の主要メンバーの一人になっていましたが、前日、大統領が名指しで「超えてはならない一線を超えた。」と批判したため、おそらく命の危険を感じて、ベラルーシから出国することに決めたようです。

 出国したとき、ポーランド大使が同行しました。(このポーランド大使も、この後ベラルーシに戻ってこられるかどうか。)

 ポーランド大使の車のトランクに隠れて国境を超えたという噂がネット上で飛びましたが、もちろん嘘です。

 

 他の野党調整評議会のメンバーも新しく身柄拘束されたりしています。

 そんな中での新党「共に」設立(を目指す)動きが出てきたのは、野党が仲間割れを起こしているから、と揶揄する向きもあるのですが、私の予想では野党調整評議会がうまく行かなくなっても、今度は新党「共に」がその代わりができるようにするための布石だと思います。

 

 事実上の国外追放扱いを受けたカトリックのコンドゥルセヴィチ大司教ですが、ベラルーシ政府側は「ロシアとの二重国籍なので、ロシアと話し合ってください。」と言い出しました。

 しかしコンドゥルセヴィチ大司教はロシアとベラルーシの二重国籍(ベラルーシの国籍法では認められる。ちなみにベラルーシと日本の二重国籍は認められない)を持っていた時期もあるのですが、ロシア国籍を放棄して、今はベラルーシ国籍しか持っていない、と弁護士は説明しています。

 それなのにロシアとの二重国籍だからベラルーシに入国できるかどうかロシアにきいて、というのはおかしいです。

 そもそもロシア国籍を持っている人はベラルーシにビザなしで入国できます。

 ロシアも、このカトリック大司教の件について、いきなり話を振られても・・・と戸惑っているでしょうね。

 


またストライキなど発生。住宅価格急落

2020-09-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

今週前半からストライキを始める工場が出てきました。

 ベルアズの従業員は出勤していない(全員ではないらしいです。)、他の工場も従業員が来ないので一部操業停止状態。

 ベラルーシ国鉄の従業員1150人が、大統領の辞任と大統領選のやり直しを求める署名を提出しました。

 ストライキはしておらず、鉄道の運行は通常通りです。

 

 バルト三国はベラルーシ原発稼働開始後はベラルーシから一切エネルギー資源を輸入することを停止すると発表しました。

 また輸出することによって得られていたはずの外貨が減ってしまいます。

 

 ベラルーシのIT企業の一つが今日、警察の捜査を受けました。

 IT企業のベラルーシ撤退・移転が続いています。大統領は、

「IT企業にとって何が不足しているのか、あるなら言ってほしい。政府はIT企業のために天国のような環境を用意してきたのに。」

と発言しました。 

 (大統領選挙後3日間インターネットが遮断されていたこと、その後もネット環境が不安定、さらにベラルーシ経済の行方が混沌としているからが撤退の理由だと思うのですが。)

 すでにベラルーシでは住宅価格が下落しています。

 今月末には2分の1になる、という予測もあります。企業が従業員を家族ごとベラルーシ国外に移しているのですから、空き家が増えるでしょう。

 特に首都ミンスクで需要があると考えて、建設だったマンションは完成させてももう売れない可能性が大きいです。

 またベラルーシ国外へ引っ越すので、ミンスクのマンション売ります、という人が激増するのでマンションの価格が値崩れを起こしそうです。

 ミンスクは今の時期、下宿先を探している地方出身の学生もたくさんいますが、デモ集会に参加していたことで、退学処分になる学生や、自らやめてポーランドやリトワニアの(反政府派ベラルーシ人は学費無料の)大学に入学してしまうので、下宿先の需要も減りますね。

 下宿代は安くなっていいかも学生にとってはいいかもしれません。しかしそうすると家主からすれば収入源になり、結局国の税収も減ってしまいます。

 

 すでにベラルーシの複数の銀行が住宅ローンを組むことができないと決定しています。

 

 ベラルーシとロシア(モスクワ)では平均収入に大きな開きがあるので、お金持ちのロシア人がベラルーシで(この人たちからすると安い)安いマンションを買って、あとで高く売ったり、人に貸して儲けようとするビジネスが流行っていました。そのためベラルーシがマンションを建設しても持ち主はロシア人ばかり、ということもあったのです。

 しかし、これからはどうなるでしょうか。