電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「舞踏へのお誘い~オーケストラ名曲集」を聴く

2014年01月31日 06時03分36秒 | -オーケストラ
先の山響第234回定期(*)では、ニューイヤーコンサートとして、オペラの序曲や間奏曲を集めたプログラムでした。こうしたオーケストラ小品は、演奏に何十分もかかるような大曲とは異なり、短い時間で曲が完結するため、SP時代には主流だったようですが、近年はさほどでもなくなっています。これはやはり、SP→LP→CDという媒体の収録時間の増加が原因でしょう。

私自身の経験を振り返っても、若い頃には大曲志向が強く、オーケストラの小品集のレコードなどは後回しになってしまう傾向がありました。実際、積極的に自分で購入したものは、妻に贈った「パッヘルベルのカノン」他を集めたLPなど、ごくわずかです。むしろ、某中古書店で一時よく見かけた全集分売のCDなどに、こうした企画ものが多くあり、@250円とかいう単価にひかれて購入するケースが多かったように思います。例えばその一つが、東京都交響楽団が演奏したオーケストラ名曲集(DENON GES-9256)です。

1. ウェーバー(ベルリオーズ編) 「舞踏への招待」
2. ヴォルフ=フェラーリ 「マドンナの宝石」間奏曲
3. ワルトトイフェル ワルツ「スケートをする人々」
4. エルガー 「威風堂々」第1番
5. スッペ 「詩人と農夫」序曲
6. スッペ 「軽騎兵」序曲
7. オッフェンバック 「天国と地獄」序曲
8. ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」
9. シベリウス 交響詩「フィンランディア」

このうち、1.~4.が石丸寛指揮、5.~7.が小林研一郎指揮で、8と9がモーシェ・アツモン指揮の東京都交響楽団となっています。

この手の全集分売ものの常で、CDケースにはかわいい仔猫の写真が用いられていますが、録音データなどは一切記載がありません。オリジナル盤の発売時期から録音時期を推測すると、石丸寛指揮のものは1983年夏、小林研一郎指揮のものは1982年11月発売で1981年夏に収録されたもののようです。モーシェ・アツモンが都響の首席だった頃、今を時めくコバケンは正指揮者という肩書きで、たぶんこれがCDデビューの録音だったのではないかと思われます。ベテラン指揮者の若い頃を知るという点でも、貴重なものかも。

東京都交響楽団の演奏は、どちらかといえば真面目タイプでしょうか。録音も明瞭で聴きやすいです。「詩人と農夫」のチェロ独奏などはたいへん雰囲気があり、どなたが演奏しているのだろうと興味津々です。



そういえば、先の山響定期の録音がCDになって出たら、さっそく購入しなければ。演奏者の顔がわかるオーケストラの、実際に聴き入った演奏会での録音で、こうした親しみ深いオーケストラ小品を集めたら、きっと楽しいだろうな~と思います。

(*):山響第234回定期演奏会「ニューイヤーコンサート~珠玉のオペラ序曲・間奏曲集」を聴く~「電網郊外散歩道」2014年1月


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2 コメント

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東響と都響 (ジェイン)
2014-01-31 21:50:14
両方好きなオーケストラです。

昨年はサントリーホールで東響を池袋の芸劇で都響を聴きました。役者もいますよー、、東響オーボエ最上さんとか都響チェロ古川さんなどなど、どちらも日本を代表する素晴らしい楽団と承知しています。

本文中の 東京交響楽団→東京都交響楽団 ではないでしょうか?
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ジェイン さん、 (narkejp)
2014-02-01 06:26:53
コメントありがとうございます。
>本文中の 東京交響楽団→東京都交響楽団 ではないでしょうか?
おやおや、一ヶ所、「都」が抜けてますね。ご指摘ありがとうございます。さっそく直しておきました。
昨年はどちらもお聴きになったとのこと、いいですね~。このCDのように、以前は各レコード会社にも日本人指揮者で日本のオーケストラの録音があったと思いましたが、最近はまれなようです。その反面、山響のような自主レーベルが良い録音を発表しており、嬉しいですね~。もっともっと多くの人に聴いていただきたいものです(^o^)/
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