電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

Weblogサービスの現状に思う

2005年07月08日 19時31分59秒 | コンピュータ
7月5日以降、Weblogを中断していた。その理由は、5日の夜に「モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を聞く」を投稿したが、見事に消えてしまい、しばらく書く気力が起きなかったためである。内容は、スターン(Vn)セル/クリーヴランド管と、ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)レオポルド・ハーガー指揮オランダ室内管を取り上げたものだった。結構な分量だっただけに、かなり気落ちしてしまったというわけだ。
しかし、ここ数日出張が続き、アクセスすることもできなかったので、冷静にWeblogサービスの現状について考えることができた。

かつて、大型コンピュータの時代には、利用者は順番を待って使わなければならなかった。私の学生時代は、端末の前に座ることができたのはごく限られた人数だけで、しかも一人15分に限られていた。これでは、Fortran文法を学習途中の人は、エラーを訂正するにも次回を待たなければならない。パーソナル・コンピュータが登場したとき、誰に遠慮することもなく、コンピュータを好きなだけ占有して使える贅沢さを感じたものだ。集中から分散へ、という流れである。

しかし、パーソナル・コンピュータの進歩に伴い、単体で使うだけでなく、ネットワークで使いたいと言う要求が登場し、パソコン通信やインターネットに接続することで、それまでの科学技術計算や事務処理等の用途以外の、コミュニケーションする楽しみのための利用が増大してきた。パソコン通信の電子会議室はレベルの高い集中型のサービスだったが、自分でテーマを決めて会議室を主催することはできない。そこで、インターネットでメーリングリストやメールマガジンといったサービスに移行した。これも、集中から分散への流れである。

一方、テキストだけのメーリングリストやメールマガジンに比べて、ウェブは画像をふんだんに利用でき、訴求力が高い。そこで、当初の学術的な利用から商業利用が拡大したが、やがて大学や企業などの大組織以外にも、パーソナルにウェブを持ちたいという要求がうまれ、有料無料を問わずウェブを開設するサービスが普及した。ただし、ウェブは作成する上で一定の知識を必要とするし、サイト管理もファイル名や相対パスやパーミッションの概念など一定の専門的な知識を求められる。その意味で、通常のウェブ作成ツールを使用する限り(*)、まだまだ敷居が高いのかもしれない。
(*):PushCornなどのツールを使えば、相当に簡便になる。

この点で、Weblogは画像を扱いながら比較的容易に自分の文章を掲載でき、しかもトラックバックやコメントというコミュニケーション機能を持ち、爆発的に増加する要素を持っていたと言える。事実、有料・無料を問わず、Weblogサイトの増加のペースは驚異的で、午後十時頃の状況は一時のテレホーダイ状況に近い。その負荷に耐えるために、しばしばサーバの増強が行われ、システムのメインテナンスが行われる。その間、Weblogの利用者は「まだかな~」と待たなければならない。これは、かつてしばしば見た光景だ。いわば、集中型サービスの欠点を露呈しているものと言えるのではないか。

では、Weblogでも集中から分散への移行はおこるのか。私はいずれおこると思う。ただ、ウェブサイトでもそうだが、分散サーバ環境が普及するにはいますこし時間がかかりそうだ。その頃、今のような熱気が持続しているかどうかは疑問だが。
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4 コメント

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ウェブログについて (林 侘助。)
2005-07-11 08:11:16
優雅な休日ですね。うらやましい。



ワタシは、情報発信の敷居を低くしたという意味で「ブログ」は有用だと思います。但し、デザインの制限はともかく、重いとか、頻繁に落ちるとかいうのはいかがなものでしょう。



それにそもそもそのブログが営業を止めてしまったら、原稿が消えてしまいます。(投稿でせっかく書いた原稿が消える事象はあちこちで起こっておりますね)



やはり自分のところに原稿を置いてサイト更新・・・という方向でワタシは中心にやっていこうと考えております。いずれ「コンテンツ」命ですけどね。
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BLOGの負荷 (望 岳人)
2005-07-11 11:11:57
初めまして。



貴BLOGを時々読ませていただいております。



最近多くのプロバイダーのBLOGが重いとの記事を読み、以前にアップした記事からのトラックバックを送らせていただきました。



これからどうなるか、少々心配しております。
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従量制の課金の時代は (narkejp)
2005-07-11 20:33:45
林 さん、たしかに従量制の課金の時代は、あらかじめ comp-001.txt などのように原稿のテキストファイルを作成しておき、通信するときはできるだけ接続時間を短縮することを心がけていたものでした。常時接続の時代になって、こういう習慣が崩れ、手元に原稿テキストファイルがのこらないスタイルになってしまっていたようです。

自衛の手段は、テキストエディタで原稿を書いておき、それを投稿する、というスタイルがいいのかもしれません。

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ブログの将来は (narkejp)
2005-07-11 20:40:14
望 岳人 さん、はじめまして。ブログの将来はどうなるのかわかりませんが、少なくとも何らかの形でデータの標準化が行われ、基本的な部分はデータの引越しができることが望ましいですね。

HTML の中から必要なデータの部分だけを抽出するフィルタが登場し、A ブログから B ブログへ引越しが可能になる、なんていうことも可能になるかもしれません。

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