電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

フォルクレ「クラヴサン組曲第1番」を聴く

2008年08月26日 06時08分09秒 | -独奏曲
まだ8月なのに、雨降りでやけに肌寒い日曜日、フォルクレのハープシコード組曲を聴きました。さらにアパートで単身生活の月曜夜も、クラヴサン(ハープシコード)組曲に耳を傾けてすごしました。演奏は、リュック・ボーゼジュール。NAXOS の 8.553407 というCDで、1994年にカナダのケベックにある聖Alphonse-de-Rodriguez(アルフォンス・ド・ロドリゲス?)教会でのデジタル録音です。

収録されているのは、組曲第1番、第3番と第5番の3曲。フォルクレという作曲家については、残念ながらほとんど知識がありませんが、ルイ14世の宮廷ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であった父アントワーヌ・フォルクレのヴィオール曲集を、息子フォルクレがハープシコード用に編成したものだそうです。フォルクレ父子の名は、先ごろ読んだ磯山雅著『バロック音楽~豊かなる生のドラマ』の人名索引にも見当たらず。添付のリーフレットによれば、アントワーヌ・フォルクレ(1671~1745)は、J.S.バッハよりも14歳年長ですが、ほぼ同時代の人のようです。

■組曲第1番
(1)フォルクレ (4'02)
(2)コタン (2'50")
(3)ベルモント人 (4'10")
(4)ポルトガル人 (3'46")
(5)クープラン (3'27")
※(total=18'15")

いかにも典雅なフランス・バロック音楽ですが、けっこう活気があり、自宅のステレオ装置で聴くときには、豊かな低音が意外なほどの迫力を示します。演奏しているリュック・ボーゼジュールという人についても、ほとんど知識をもちませんが、音楽の美質を充分に伝える、立派な演奏だと思います。

写真は、ペンタスという花だそうです。

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4 コメント

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ルイ14世時代の音楽家 (望 岳人)
2008-08-26 19:52:03
今晩は。

私もちょうど昨晩ルイ14世の楽長として有名なリュリの作品を聴いたところでした。

フォルクレですが、私もまさに昨晩までは知らない名前だったのですが、リュリの作品が含まれているドイツ・ハルモニア・ムンディのCD集の中にもそのフォルクレ父子の作品が入っており、昨夜リュリの解説を読んでいるときに、たまたま目に留まり今度聴いてみようかと矢先で、今朝こちらのblog記事を拝見して「あれ、どこかで見た名前だ。父と子とあるから、もしかしたら」と思い、確認したらドンピシャリでした。

Disc19に「アントニ・フォルクレ: ヴィオール小品集とクラヴサン小品集」とあり、その解説に「ヴェルサイユ宮で活躍したヴィオラ・ダ・ガンバの名手。 A・フォルクレは、早くからルイ14世に才能を認められ、17歳でヴェルサイユの宮廷音楽家となる。イタリア流のヴァイオリン技法をヴィオラ・ダ・ガンバに取り入れたといわれますが、作品はほとんど残っておらず、その真価は、子フォルクレの編曲を通してうかがい知ることしかできません。」とありました。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2700394
いずれ感想をアップしてみたいと思います。
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望 岳人 さん、 (narukejp)
2008-08-27 07:26:25
コメントありがとうございます。フォルクレという人は、イタリア派だったのですね。磯山雅さんの『バロック音楽』によれば、ルイ14世の時代の、イタリア音楽とフランス音楽の優劣論争は、相当に激しかったようです。今の派閥抗争みたいなもので、トップの好みが決定的なのでしょうから、フランス絶対のルイ14世に仕えたイタリア音楽親和派は、冷飯組だったのかな、と思います。でも、子フォルクレ編曲の父作品集、なかなか素敵です。こういう珍しい作品を聴けるのは、NAXOS盤のありがたいところですね。
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フォルクレ (さんたろう)
2008-08-30 13:08:43
ちょうどフォルクレの「ヴィオールのための作品全集」を入手したところです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2503616
まだ未聴ですが、そのうち拙サイトで紹介しようかと思っております。

フォルクレといえば、1737年にテレマンがパリへ招かれた際、彼のパリ四重奏曲を演奏したのが、ブラヴェ、ギニョン、フォルクレ(息子の方)などだったという、テレマンの記述が残っているそうです。
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さんたろう さん、 (narkejp)
2008-08-30 17:16:36
コメントありがとうございます。大バッハの時代にフォルクレという音楽家がいたことや、息子の編曲から父フォルクレの音楽がしのばれることなど、興味深い録音でした。こういうのは、廉価CDの楽しみですね。テレマンのパリ四重奏曲は、わりに好んで聴いております。そんな記述が残っているのですか。情報ありがとうございます。
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