電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳』第10巻「幽霊屋敷の女」を読む

2010年09月26日 06時04分13秒 | -平岩弓技
講談社文庫で、平岩弓枝著『はやぶさ新八御用帳』シリーズ第10巻「幽霊屋敷の女」を読みました。これで、「御用帳」シリーズ既刊の文庫は全部読み終えたことになるのでしょうか。著者の持ち味である安定感、言い換えるとマンネリズムを感じさせない手腕が、いかにも老練です。

第1話:「江戸の盆踊り」。当方の若い頃、故郷に帰って盆踊りに参加すると、なぜか切ない気分になったりしたものでした。南町奉行・根岸肥前守も、きっと佐渡奉行時代の、昔を思い出したかったのでしょう。
第2話:「郁江の危機」。危ういところでした。郁江さんがそんな気分になったのは、新八氏にも責任があるのでは。隙間風とはそういうことではないのかい。でも、小さな仏像が夫婦の隙間をうめてくれたようで、なによりでした。
第3話:「大口屋の三姉妹」。うーん、呆れ果てたる三姉妹。この姉妹と比べたら、うちの娘たちのほうがはるかに真っ当、健康的です(^o^)/ ・・・って、比べるもんじゃないけれど(^o^;)>poripori
第4話:表題作「幽霊屋敷の女」。幽霊など出ようもない屋敷に幽霊話が出たのですから、きっと裏には何かある、というお鯉さんの推理が当たっていましたね。
第5話:「江戸の狼」。狼と犬の混血種で、頭がよく勇敢とくれば、なにやら「白い牙」を思い出しますが、こちらは江戸の物語です。
第6話:「小町踊り」。お鯉さんがいないと、お奉行様もご機嫌うるわしくないようです。根岸肥前守が愛されているのは、お鯉さんの容姿容貌ではなさそうで、何事にもそつがない家政の才と、控えめながらきらりと光る聡明さなのかな、と思います。

幽霊と言えば、小学生の頃、幽霊が怖かった時期がありました。田舎の農家で、昔は便所が外にありましたので、夜は実に怖かったものです。で、真剣に考えました。幽霊が直接に手を下して人を死なせた例はないようだ。たいていは、恐怖のあまり「自滅」している。すると、幽霊の本当の怖さは、自分の恐怖心の中にあるのではないか。そう自分に言い聞かせて用を足しました。毎日のことですから、そのうち慣れっこになり、以後、幽霊が怖いとは思わなくなってしまいました。良かったのか悪かったのか(^o^)/

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