電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳』(第6巻)「春月の雛」を読む

2006年08月05日 11時08分40秒 | -平岩弓技
平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用帳』シリーズ、第6巻と第10巻を見つけ、まずは6巻を読みました。郊外型書店ではこの手の文庫の回転が早いようで、シリーズがそろっていることが少ないように思います。

第1話「江ノ島弁財天まいり」、湯島界隈の弁天講で江ノ島に出かけた小かんの一行の一人およしが殺されます。水戸家の奥奉公の宮城野というお女中が目撃します。宮城野さん、後日また登場するキャラクタのような気がしますね。
第2話「狐火」、麹町の旗本浅尾家の邸内で狐火が燃えるという噂に、大久保源太と新八郎が動き出します。どうやら大勢の人に見てもらいたいらしい。狐つき騒動の筋書きは、奥方の知恵だったようです。
第3話「冬の蛙」、旗本森山家の未亡人の毒殺騒ぎは、例によって男子相続にまつわるごたごたです。これはもう最初の予想どおりでした。
第4話「鶏声ヶ窪の仇討」、八丁堀で不明死体が発見され、もらい下げていった者は土井家の名を詐称したという。素人の夫の仇討ちを果たした女盗賊はプロですね。この人も、たぶん後日また登場するのではないかな。
第5話、表題作「春月の雛」。人形に魅入られるというと、美しい怪奇話を想像しますが、ちょっと興ざめな結末。なんでこれが表題作?と解せません。
第6話「淀橋の水車」、根暗の万太郎、いけすかない万次郎、どちらもお鯉さんのご縁としてはよろしくない。では新八郎なら良いのかといえば・・・作者の困った設定ですね。
第7話「中川舟番所」。いや、これはヒットです。三千石の若様・落合清四郎が水が怖くてご奉公がかなわぬと悲観するのもユーモラスだが、水の恐怖を除こうと手に血マメをこしらえる新八郎も良い性格です。どうやら火事が取り持つご縁になりそうな。
第8話「落合清四郎の縁談」。案の定、火事が取り持つご縁でした。奥方のほうが背が高いケースはよくある話なのですが、平岩弓枝さんはずいぶんつりあいにこだわるようですね。当方の知る限りでも、女子バレーボールをやってた某○○さんとか、女子バスケットボールの控え選手だった某○○さんとか、etc, etc。要は性格、相性ですよ。

写真は、江戸の風物だとよろしいのでしょうが、出羽国西村山郡河北町の八幡神社の鐘楼(?)です。ちょっと江戸情緒ふうかも(^_^;)/
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