電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

1960年頃のベームのモーツァルト

2009年05月16日 13時02分28秒 | -オーケストラ
先日、行きつけのショップで、1960年頃のベームとベルリンフィルによるモーツァルトの交響曲の録音を見つけ、懐かしく購入して来ました。第39番の冒頭の和音が、なんともずっしりと、重量級の響きです。アーノンクールのような鋭い切り込み方ではなく、あくまでも重々しいアプローチ。
そういえば、昔はロココ的な軽やかなモーツァルトというイメージに対抗して、デモーニッシュな、劇的なモーツァルトを打ち出すのが一種の流行でした。ところが、今やテンポは速くリズムは鋭く、軽やかだがアグレッシヴなモーツァルト演奏が流行のように感じます。当方、ノン・ヴィヴラートの鋭角的なモーツァルトも好んで聴いておりますが、その一方で、こうした重厚なモーツァルトも悪くない。一種の懐かしさがあります。
グラモフォンのパノラマ・シリーズの「モーツァルト」。2枚組で、後期の交響曲3曲をCD一枚に収録できているのは、おそらく譜面上の繰り返しを省略しているためでしょう。もう1枚は、「レクイエム」です。当方は、1950年代の廉価盤LP(900円!)に収録された、モノラルですが劇的な緊張感に満ちたベームの演奏を好んで聴いておりました。壮年期のベームのモーツァルトは、いいですねぇ!一方、こちらはカラヤン指揮ベルリンフィル。かつての代表的な演奏、録音ですが、じっくり手元で聴くのは初めて。楽しみです。

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2 コメント

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ベームのモーツァルト (望 岳人)
2009-05-21 21:41:02
今晩は。久しぶりにコメントさせていただきます。

ピリオドアプローチのモーツァルトが当たり前になってしまい結構聴くことが多いですが、私はワルター、セル、ベーム、カラヤンなどのモダン楽器で比較的大きな編成のビブラートのかかった艶やかな弦合奏によるモーツァルトに魅かれることが多いです。ベームは今聴きなおしてみると、特にベルリンフィルとの録音にはは厳しささえ感じるほどですね。それゆえか、特にジュピターなどは神々しいほどです。1960年代のベルリンフィルとの第39番にはあまり縁がないのですが、一度聴いてみたいです。

カラヤンの「レクィエム」は1960年代のものですか。1970年代のも同じベルリン・フィルと録音したものをLPでよく聴きました。今思い返せば、美に徹したある意味で凄い演奏だと思います。60年代のカラヤンは昇り龍の勢いがあった頃で、充実した演奏も多いですね。
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望 岳人 さん、 (narkejp)
2009-05-21 22:18:53
コメント、トラックバックをありがとうございます。モーツァルトの交響曲第40番と第41番は、同じ録音だと思います。手元にあるベームの録音では、ハイドンの「四季」抜粋盤(LP)が良かったです。モーツァルトの「レクイエム」は、そうたびたび聴く音楽ではありませんが、劇的な演奏ですね。1960年頃、ベームもカラヤンも、年齢的にたいへん充実していたのでしょう。
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