電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊』上巻を読んでいます

2010年05月11日 06時18分45秒 | -ノンフィクション
ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄』は、たいへん興味深く読みました。今回の『文明崩壊』(上下巻、草思社)も、だいぶ前に入手してからずっと積ん読していたものです。
「歴史から消滅した社会がたどった道には、恐るべき法則がひそんでいた」とする帯のコピーにいささかおそれをなして、書棚に並べてはいたものの、「読もう!」と決心する気力が湧かなかったのは、暗く後ろ向きで破滅的なテーマのせいか。でも、潮は満ちました。いざ、漕ぎ出でな!

プロローグと第一部「現代のモンタナ」は、著者の観察と考察の立脚点・姿勢を表すものでしょう。そうして第二部「過去の社会」の「イースターに黄昏が訪れるとき」の物語はすさまじい。巨大な石像がなぜ建てられ、またなぜ打ち倒されたのか、放射性同位体による年代決定や花粉分析等の結果から、森林の消滅と社会の破滅が進んでいくありさまが描かれ、近来にないインパクトです。読んでいるときは思わず引き込まれてしまうのですが、いったん中断し、また読み進めるために手に取る際には、いささか苦しさを覚える内容です。ただし、初めて知る内容は年来の疑問に答えてくれるものでもあり、少々時間がかかっても、なんとか読了したい本ではあります。
コメント (2)