電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

和田哲哉『文房具を楽しく使う~ノート・手帳編~』を読む

2010年05月21日 06時04分44秒 | -ノンフィクション
ハヤカワ・ノンフィクション文庫で、和田哲哉著『文房具を楽しく使う~ノート・手帳編~』を読みました。文房具好きにはたいへん楽しい文庫本です。構成はこんなふうです。

プロローグ 「文房具はやっぱり楽しい」
第1部 ノート篇
-第1章 ノートと生活の深いかかわり
-第2章 「ロディア」からはじめよう
-第3章 ノートには「つながり」が大切
-第4章 ノートにはこんなに種類がある
-第5章 「多ノート派」という選択
第2部 手帳篇
-第6章 手帳と気軽につきあう
-第7章 まだまだ人気、バインダー手帳
-第8章 心をつかむダイアリー「クオ・ヴァディス」
-第9章 温故知新の手帳「モールスキン」
-第10章 皆さんの「手帳&ノート構成」は?
第3部 応用篇
-第11章 気持ちの良いA4サイズを取り入れる
-第12章 電子ツールとの華麗な連携プレー

帯のコピーが「情報を一冊のノートにまとめきれないあなたに」とありますが、これは『情報は一冊のノートにまとめなさい』という書名を意識したものでしょう。

けっこうな田舎にある当地では、本書に登場するロディアやモールスキン、クレールフォンテーヌなどの製品は、種類も数量も安定供給に難があり、結局はコクヨのキャンパスノート、マルマンのルーズリーフ、日本能率協会のシステム手帳やリフィルといったところが定番になってしまいます。さすがに都会で働く自由業の方々のように、情報を一冊のノートにまとめて持ち歩いていたら、情報管理上レッドカードが出るのは目に見えています。その意味で、仕事のノートとプライベートなノートは、はっきりと分ける必要がある。であれば、多くの人々はおのずと多ノート派になってしまうでしょう。

パソコンや携帯電話(スマートフォン)等も含めて、ノートという範疇に入れてとらえ、多ノートの構成と使い分けを工夫するという考え方は、「すべてのデバイスはファイルである」とするコンピュータの考え方に通じ、本質的には賛成。だけど現実には、ずいぶん差があるんだよなぁ。紙のノートの記入の手軽さ、自由さは、電子メディアにはない。いっぽう、電子メディアのような検索や編集、コピーの自由さは、紙のノートにはない。

当方、今のように、バインダー手帳でスケジュールを把握・管理するとともにカード類や切手・現金(お札)、筆記具を携帯し、小型の備忘録ノートにアイデアや備忘録を手書きで記入し、自宅に戻ってパソコンに整理するやり方が、一番しっくりするようです。
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