電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

大瀧実花ピアノリサイタル

2006年10月31日 20時04分19秒 | -独奏曲
この日曜日、文翔館議場ホールで、大瀧実花ピアノリサイタルを聞きました。大瀧実花さんは、藤沢周平と同じ鶴岡市の出身だそうで、武蔵野高校、武蔵野音大ピアノ科を卒業して渡仏し、J.M.ダレ、P.サンカン、D.メルレ、ジャック・ルヴィエ各氏の下で学び、フランス音楽を得意とし、プーランク(*)のCDを出されているようです。
当日は、わずかに緑がかったすてきな青いドレスで、次の曲目を演奏しました。

(1) J.S.バッハ イタリア協奏曲 BWV971
(2) ドビュッシー ベルガマスク組曲
(3) プーランク 組曲「ナポリ」より、「イタリア奇想曲」
~休憩~
(4) ショパン 「12のエチュード」作品10、第1番~第12番

観客はどちらかといえば年配の方が多かったように思います。定員が百人程度の小さなホールですので、ピアノの音がすみずみまで響きます。バッハのイタリア協奏曲における強弱の対比や、ドビュッシーの音色もニュアンスもよくわかります。
プーランクの「イタリア奇想曲」は、初めて聞く曲です。とても面白かった。解説によれば、これは1925年に作曲された作品で、作曲家プーランクは「人生を愛し」「茶目っ気があり」「お坊ちゃま育ち」で「人当たりが良くてしかもぶっきらぼう」で、「憂鬱質で穏やかな信仰の持ち主」しかも「僧侶を思わせるところもあれば不良っぽいところもある」人だったといいます。実際の曲の印象も、なんだか育ちのいい上機嫌な青年が威勢良く演奏しているピアノ曲を思わせます。
後半の前奏曲は、ショパンの激しさも充分に表現した演奏で、各曲の性格が描き分けられ、堪能しました。

この日の最大の収穫は、プーランクの曲を初めてナマで聴けた、ということでしょうか。幸せな、いい演奏会でした。帰りにケーキ屋さんに寄り、久々に家内とケーキを食べました。

(*):フランシス・プーランク~Wikipediaより
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