電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

福田進一「19世紀ギター・デビュー!」を聞く

2006年10月22日 07時10分32秒 | -独奏曲
夏場にラジカセで目覚し音楽として使っていたCDです。はじめは、普通の現代ギターを使って19世紀のギター名曲集を演奏したものかな、と思っていましたが、部屋に持ってきてステレオで聞くと、ちょっと響きが違う。実は現代ギター以前に用いられていた、やや小ぶりのギターである「19世紀ギター」の魅力をたっぷりと味わえる曲集であり、録音でした。
「ラコート」という1840年頃の19世紀ギターを演奏しているのは、福田進一さん。1840年と言うと、R.シューマンがクララ・ヴィークと結婚し、交響曲第一番を作曲し、数々の歌曲を生み出していた頃。いわば、当時の古楽器を用いた演奏です。

(1)ナポレオン・コスト、「夢」Op.53の1
(2)~(5)フェルナンド・ソル、「エチュード」Op.6-12, Op.29-17,Op.35-22, Op.31-23
(6)同、モーツァルト「魔笛」の主題による変奏曲 Op.9
(7)同、「ワルツ」Op.32-2
(8)ディオニシオ・アグアド、「華麗なロンド」Op.2-2
(9)ナポレオン・コスト、「交響的幻想曲」~アンダンテ Op.38-14
(10)同、スペインの歌「カチューシャ」によるカプリス Op.13
(11)ヨハン・カスパル・メルツ、「ハンガリー風幻想曲」Op.65-1
(12)同、夕べの歌「吟遊詩人の調べ」 Op.13 より

聞きなれたソルのロ短調のエチュードOp.35-22や、「魔笛」の主題による変奏曲などが、爪を伸ばしてはじくのでなく、指頭を使って、共鳴をやや抑えぎみに響く音色で演奏されると、これはまた、なんともチャーミングです。

1994年11月、埼玉県の秩父ミューズパーク音楽堂にてデジタル録音された、DENON COCO-70452 という型番。クレスト1000シリーズの価値ある1枚です。
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