先日入手したアシュケナージ(Pf)とプレヴィン指揮ロンドン響によるプロコフィエフのピアノ協奏曲全集、まずは管弦楽の響きがたいそう充実した第1番を聞きました。今まで聞きなれているゲーリー・グラフマン(Pf)とセル指揮クリーヴランド管弦楽団による演奏とあわせて、どんな特徴があるのか、興味深いものがあります。
この曲は、プロコフィエフが20歳の時の作品ですから、まだペテルブルグ音楽院に在学中の頃、1911年から12年にかけて作曲されたもののようです。音楽院を卒業するときには、バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と古典協奏曲を1曲ピアノで演奏するという試験があったそうですが、プロコフィエフは「フーガの技法」と自作のこの第1番の協奏曲を演奏し第1位を得たのだそうな。なんて生意気な、でもなんて立派な音楽学生なのでしょう。
全曲は通して演奏されますが、急-緩-急の三つの部分に分けられ、それぞれ次のように指定されています。
第1部 アレグロ・ブリオーソ、どこかエキゾティックな序奏主題に続き、ピアノの名技が展開されます。
第2部 アンダンテ・アッサイ、プロコフィエフの緩徐楽章に特有の、陰影豊かな幻想に満ちた叙情的な音楽です。
第3部 アレグロ・スケルツァンド、第1部の第1主題と第2主題が再現され、技巧的な独奏ピアノが華麗に展開されます。
アシュケナージ盤は、1974年1月~1975年4月にかけて、ロンドンでデッカにより録音されたものです。録音もアナログ録音全盛時代のもので、アシュケナージのピアノの音の美しさと、あまり乱暴にリズムを強調しないプレヴィンの品のよさがあり、20世紀初頭の生意気な若きプロコフィエフというよりも、ずっと成熟した音楽に聞こえます。
これに対し1966年にクリーヴランドのセヴェランス・ホールにて録音されたグラフマン盤は、セルの作り出す音楽がいかにも剛毅で、プロコフィエフのもつ叙情的な側面よりも、はじけるようなリズムとシャープな現代性を特徴とするもの。感傷性を突き抜けた一種の爽快感があります。夢見るようなロマンティックな音楽からはだいぶ離れた価値観に基づく音楽のように感じます。
■アシュケナージ(Pf)プレヴィン/ロンドン響 (ユニバーサル、UUCD-3234/5)
I=6'50" II=4'34" III=4'08" total=15'32"
■ゲーリー・グラフマン(Pf) セル/クリーヴランド管 (CBS MYK-37806)
I=6'44" II=3'45" III=4'41" total=15'10"
この曲は、プロコフィエフが20歳の時の作品ですから、まだペテルブルグ音楽院に在学中の頃、1911年から12年にかけて作曲されたもののようです。音楽院を卒業するときには、バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と古典協奏曲を1曲ピアノで演奏するという試験があったそうですが、プロコフィエフは「フーガの技法」と自作のこの第1番の協奏曲を演奏し第1位を得たのだそうな。なんて生意気な、でもなんて立派な音楽学生なのでしょう。
全曲は通して演奏されますが、急-緩-急の三つの部分に分けられ、それぞれ次のように指定されています。
第1部 アレグロ・ブリオーソ、どこかエキゾティックな序奏主題に続き、ピアノの名技が展開されます。
第2部 アンダンテ・アッサイ、プロコフィエフの緩徐楽章に特有の、陰影豊かな幻想に満ちた叙情的な音楽です。
第3部 アレグロ・スケルツァンド、第1部の第1主題と第2主題が再現され、技巧的な独奏ピアノが華麗に展開されます。
アシュケナージ盤は、1974年1月~1975年4月にかけて、ロンドンでデッカにより録音されたものです。録音もアナログ録音全盛時代のもので、アシュケナージのピアノの音の美しさと、あまり乱暴にリズムを強調しないプレヴィンの品のよさがあり、20世紀初頭の生意気な若きプロコフィエフというよりも、ずっと成熟した音楽に聞こえます。
これに対し1966年にクリーヴランドのセヴェランス・ホールにて録音されたグラフマン盤は、セルの作り出す音楽がいかにも剛毅で、プロコフィエフのもつ叙情的な側面よりも、はじけるようなリズムとシャープな現代性を特徴とするもの。感傷性を突き抜けた一種の爽快感があります。夢見るようなロマンティックな音楽からはだいぶ離れた価値観に基づく音楽のように感じます。
■アシュケナージ(Pf)プレヴィン/ロンドン響 (ユニバーサル、UUCD-3234/5)
I=6'50" II=4'34" III=4'08" total=15'32"
■ゲーリー・グラフマン(Pf) セル/クリーヴランド管 (CBS MYK-37806)
I=6'44" II=3'45" III=4'41" total=15'10"