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厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2022年15冊目『経営力を鍛える人事のデータ分析30』は、定量的に把握してこなかった人事管理の進化を目指す

2021-10-17 15:20:23 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

「あなたの会社の人件費は妥当でしょうか?」

 

この本では、人事に関わる30のデータを厳選して紹介します。

 

多くの企業では、社員の採用やモチベーションを特に重視しますが、他の人件費や人員数、人員構成など人事管理の上で重要な管理領域に対しては厳格な管理をしてきませんでした。

 

その意味で、人事管理は〝データ〟〝定量〟〝数字〟で管理する感覚がほとんどなく、結果的に進化する機会を失ってきたのではないでしょうか。

 

逆に言えば、本書を参考にして自社における重要ないくつかの〝データ〟〝数字〟を把握していれば、人事の状態や経営としての有効な〝打ち手〟が明確になると思います。

 

【my pick-up】

◎ルーチンワークなのに高等級社員ばかりーベテラン過多の弊害

人事異動が少ない職場では、見渡すと経験豊富な高等級社員ばかりでも、やっている仕事は彼らが新人だった20年前と同じ。習熟した社員ばかりの職場は実務レベルのパフォーマンスは高いかもしれませんが、経営の求める体制になっているとは言えません。

20年間同じ仕事をし続けていて付加価値も同じなのに、コスト(給料)だけは上がっていくのです。

◎実はローパフォーマー社員対策である役職定年制と再雇用社員の処遇

本来、役職者として高いパフォーマンスを発揮して企業業績に貢献している社員であるならば、一定の年齢で役職の任を外れる役職定年の仕組みは合理的な制度とは言えません。逆に言うと、ローパフォーマー社員の中高年社員が多く存在している企業が多いからこそ、役職定年制を導入する企業も多いとも言えます。役職定年は、60歳の定年と同じように、年齢という軸で一律に社員の処遇を下げることができるため、経営的には非常に都合が良く使い易い制度です。

再雇用制度も同様に、人件費の過払いを解消するために、60歳の定年後、一律に処遇を低くするような仕組みにしている企業がほとんどです。

◎いくら昇給させるかよりも何時間残業させるか

新しい人事制度で毎年の昇給額を5000円にするのか1万円にするのかを議論するよりも、社員全員が十分早く帰るためにはどうしたらいいかを議論するほうがよっぽど経営的なインパクトが大きいのです。

残業代は人件費における変動部分、経営としてのコントロールを効かせる部分であるにもかかわらず、そのコントロールを手放し、しようがないとあきらめてしまってはいないでしょうか。

◎評価レベルをいかに上げていくのか

評価レベルを上げていくための大前提は、絶対評価とすることです。相対評価や複数段階の評価は優秀な人材を一定比率しか認めない仕組みです。また、評価者がつけた評価結果と最終評価が異なることから、適切な評価結果のフィードバックができず、部下が今後成長していくための機会を最初から奪っているようなものです。

次に、評価結果を評価者間で公開するようにして、各評価者の評価結果が適正なのかを評価者間で検証することが可能なようにすることです。評価結果のインフレや評価基準がそろわないといった現象は、評価者が自分の部下以外の評価結果が公開されていないことが原因となっていることが大半です。

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2022年14冊目『チームがまとまる!成果が上がる!ファシリテーション・ノウハウ』は、社員が多様化する職場で更に重要性を増すスキル

2021-10-17 15:05:09 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

リアル、オンラインに関係なく押さえるべき「ファシリテーションの基本」をお伝えします。

 

ファシリテーションは、チームや組織の運営、また、より良好な人間関係を構築していくうえでも、非常に役立つスキルです。

また、ファシリテーションは、会社組織という「大きな集合体」だけでなく、会議や飲み会などの小さな「その場だけの集まり」でも機能します。

 

メンバーの力を引き出し、チームの力をまとめる。

 

様々な想いや考え方を持った多様なメンバーが集まる場では、発言しやすい場になればなるほど、意見の衝突や対立が生まれる可能性も高まります。

悩んだ際には、ぜひ本書から対応のヒントを見つけてください。

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2022年13冊目『「おかしな数字」をパッと見抜く会計術』は、数字の違和感に気づいて不正やミスを防ぐ実践的方法

2021-10-10 15:42:46 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

決算書や伝票、各部署からあがってくる証拠書類などから、「おかしな数字」を見抜くノウハウや考え方を紹介するものです。

 

数字を単に数字としてとらえるだけではなく、その数字を生み出した背景にある経済実態と数字を対比し、そこにかい離が生じていないかという視点が重要です。(P.13・経理担当者の資質)

 

たとえ会計基準が改正されたとしても、本書で取り上げた「おかしな数字」に対する基本姿勢を身につければ、「おかしな数字」を見抜く上での十分な効果が得られます。

 

経理部門や監査部門が、

・事業を数字の裏にある事業を想像し、

・目の前にある数字に違和感を感じ、

・不正やミスに素早く気づく

のに役立つと思います。

 

勘定科目別に「おかしな数字」を探し出すケーススタディも用意されています。

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2022年12冊目『[決定版]あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール』は、2005年刊行の旧版から10のルールが追加

2021-10-10 15:34:52 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本で紹介されているルールは、著者の40年以上の国内外での経験をもとに、国際的スタンダードとしてどこでも通用するであろうルールであり、常識と言えます。

逆に、これらのルールが守られていない場合、職場で問題児になっているかもしれません。

 

やる気・素直さ・体力・愚直さ・融通性・謙虚さなど

実は仕事で評価されるためには、これらがあれば十分だと読んで理解しました。

 

本書は2005年に刊行されたものですが、ルール101から110が追加されたようです。

 

【my pick-up】

◎まず整理整頓から

周りを見回してみて下さい。スマートに仕事をこなし成果を上げている人、即ち仕事のできる人は、デスク周りが整理整頓されていませんか。会社から退社する時、デスクの上がきれいな人に仕事のできる人が多いのではないでしょうか。当社でも整理整頓できている人ほど仕事が速く正確です。

整理整頓することによって、仕事の流れを再確認することにもなります。

会社から退社する際には、デスクの上をきれいに整頓すること、

◎好きな本を読みまくろう

本、つまり文章は読めば読むほど書く能力も上がります。また文章を読む力、即ち読解力が高まると物事を頭の中で整理する能力も高まります。物事が整理されれば、何かを相手に伝える時に、きちんと整理して話すことができるようになり、文章も同じように整理して書けるようになるのです。

今では年間300冊は読んでいます。好きな本だけ読んでいますが、思考能力や表現能力が高まってきているようで、仕事におおいに役立っています。

出版されている「本」というものは、不明瞭な・わかりにくい表現等があれば、加筆されたり、修正されたりしてきています。

そのように練られた文章を、ジャンルを問わずどんどん読むべきです。

◎ITリテラシーを高めなければ生き残れない

ITリテラシーが低いと次のような5つの問題が生じ、会社では生き残れなくなります。

【生産性低下】手作業での長時間労働による生産性の低さから、会社にとってお荷物社員となる

【コミュニケーションロス】ITツールによるコミュニケーションでロスが生じ、社内の連携がスムーズにいかなくなる

【働き方改革推進の邪魔】テレワークに必要なITツールや仕組みを活用できず、組織から落ちこぼれる

【セキュリティインシデントの発生】情報の重要性の認識と慎重な取り扱いに対応できない

【情報漏洩の発生】USBメモリー等の記憶媒体の紛失やメールの誤送信による情報漏洩や、フィッシング等によるネットワークセキュリティの隙を突かれた企業ネットワークへの侵入による情報詐取、改ざんもリテラシーの低さが招く害

◎5分刻みで仕事する習慣を

凡人は「忙しい、忙しい」と言ってついつい5分という時間を無駄にします。私の場合、1日で使える5分は、少なくとも10数回以上、即ち1時間以上はあります。

1日の中の何度か取れる5分間を使えば、このように1冊の本も一定期間で完成させられます。

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2022年11冊目『盾と矛』は、最も弱いスキルを鍛えるための「学び直し」の新たな提案

2021-10-10 15:15:33 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

マッキンゼーは、2030年までに日本だけでも1600万人が職を失う一方、技術進歩など環境の変化に対応できる1000万~1100万人は新しく生まれる職に就くニーズがあると予測しています。

 

これまで頭を使うとされてきた業務でも、繰り返し的な性格の強い業務(税理士など)は消え去る側に分類されます。変化に対応するには、必要な知識やスキルのアップデート=学び直しが必要です。

 

この本は、すべてのビジネスパーソンに気軽に読んでいただきたい、「学び直し」の新常識についての提案となっています。

 

「盾」は、守りに不可欠な知識・スキル。

「矛」は、勝ち残りに必要な知識・スキル。

 

技術革新は自分のビジネスを守る盾であり、競争相手の市場シェアを奪う矛にもなります。進歩した技術をうまく活用するための社員の訓練、「学び直し」が重要な経営課題なのです。

 

独学、通信教育、国内MBA、海外留学・・・

「学び直し」の選択肢は多様で、それぞれ特徴がありますので、メリット・デメリットを踏まえた検討が必要です。どの選択肢を取るにせよ、共通することは、自分の意思で、自分のお金と自分の時間を、自分自身に投資するということです。

 

著者の二人は東京理科大学のMOT(技術経営)教授ですので、技術経営に内容が偏っていますが、社会人大学院全般に言えることは、会社というしがらみから解放され、全く異なる環境で実務を経験してきた人々から知識・実践力を吸収できる大きなメリットがあります。

 

職階別研修といった社内研修は、ライバルも同じカリキュラムを公平に受講するので、差がつかないと思います。

 

【my pick-up】

◎最も弱いスキルを鍛えない限り、成長はない

「分析力、人間力、プレゼン力、数字力、熱意、言語力、商売力、結合力」

この「8つの道具」は掛け算の関係である以上、不都合なことがあります。すなわち、自分の最も弱いスキルを磨かないと総合力が上がらない、ということです。

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