評価 (4点/5点満点)
本書は、サイバーエージェント代表取締役社長CEOの藤田晋さんが、『日経ビジネスアソシエ』に連載している「渋谷ではたらくキャリアアップ塾」から、成長するための仕事観や哲学のエッセンスを抽出したものです。
サイバーエージェントでの様々な取組みが紹介されていますが、読んでて感じたのは、うまくいかずに辞めたものが結構あること。とにかくやってみるというチャレンジ精神と、失敗から学び成功に繋げていく行動力をこの本から体感しましょう。
【my pick-up】
◎怒鳴られた時こそ前進しよう
怒られた時は、「これで、また一つタフになれる」といったように、前向きな方向にぜひ考えてほしいのです。怒られても動じないでいる。これは、仕事をするうえでの、一つの大切な能力です。
◎人手不足の職場は評価を高める好機
「人が足りない」と愚痴をこぼすよりも、「忙しくても人は増やせない」という前提で、前向きな気持ちを持ち、自分が今やれる改善策を模索した方が自身の成長につながります。
◎上司に期待しない方が成長できる
何より上司を頼るという感覚を意識的に持たないようにしていました。自立意識を持っていれば、上司に振り回されないからです。
ダメな上司の下ほど優秀なしっかりした部下が育ったりします。ダメな上司が逆にあなたを育てることもあるのですから、上司に期待をして思い煩うことはやめましょう。
◎不満はため込まずその都度ぶつけよう
たとえ上司であっても、文句を言うべき時は、臆することなく言った方がよいと思います。不平不満だけではない文句を言ってくる部下は、上司にとっては意欲的に映ります。
そもそも、自分の仕事をするうえで必要なスペックを持ち合わせていないと、文句すら言えないものです。上司に対する文句は、その人の自信の裏返しと言ってもいいでしょう。
◎ほどほどのモチベーションが継続のコツ
熱い気持ちだけでなく、淡々とした気持ちを持つことも覚えた方が、ビジネスパーソンとして賢いのではないでしょうか。実際、これができるとストレスもだいぶ減ってきます。
◎カリスマより普通の方がいい
重要なのは、今は社員一人ひとりの教育程度が上がり、仕事に対するプライドも高くなり、特定の人物に対して全人格的な信頼を寄せたりはしなくなったということです。
◎メールを書く能力は会話力と同じくらい重要
基本的に必要のないメールは、受信ボックスから全部削除するようにしています。受信ボックスをタスクリスト(ToDoリスト)として利用できます。
◎部下は上司の虚勢を見抜いている
今は上司や会社の嘘や見せかけがすぐにバレてしまいやすい時代です。
自分の将来を左右するかもしれない上司はどれほどの人物か。それを探るツールや判断するための情報がある分だけ、部下の上司を見る目も厳しくなっています。つまり、会社や上司のつく嘘に関して、鋭敏になっているのです。
今は、いくら上司として、虚勢を張って立派そうに見せたとしても、様々な情報により「立派ではないあなた」がすぐにバレてしまいます。見切られるのも早いのです。
◎ヒットのタネは日々の仕事の中にある
基本的に情報収集を怠らないこと。良い企画が思い浮かばないのは、往々にして情報が足りないからです。
人間の発想は基本的に記憶ベースだと言われています。新しいアイデアも記憶や経験を組み合わせてひねり出すしかないのです。無から有は生まれてこないのです。
持っている記憶=情報の少ない人が思いついた企画はどこか現実味に欠け、物足りなく見えます。
◎情報共有の仕組み作りができる人は真に優秀
情報共有では、情報発信側の努力と、情報を取りに行く受け手の自主性が必要です。単に「情報を発信しました」「全員が閲覧可能な場所に置きました」では、情報共有の目的は達成できません。
◎通勤時間や移動時間はビジネス書を読もう
移動時間は本を読むことを強くお勧めします。特に仕事に対して意欲の高い読者なら、積極的にビジネス書を読むべきです。
向上心や知識欲の高いビジネスパーソンは、ビジネス書の費用対効果の高さを理解していると思います。ビジネスの知識がつくだけでなく、仕事の引き出しも増えるでしょう。
◎ビジネスセンスを磨く
学生時代にはいらなかった相手を疑う姿勢がビジネスの場では必要です。
また、精神力は体力に影響される部分が大きい。皆さんにはまず体を鍛えることをお勧めします。