藤巻流 実践・巻き込み術 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2009-04-21 |
評価 (4点/5点満点)
著者は、伊勢丹のカリスマバイヤーとして知られ、独立後は民事再生法適用となった福助の社長として再建に取り組んだ藤巻幸夫さん。現在は、兄で投資コンサルタントの藤巻健史さんとともに㈱フジマキ・ジャパンを設立するなど活躍中です。
この本では、以前から経営者や管理者、チームリーダーに不可欠とされていながら、詳細に語られることのなかった「巻き込み術」に焦点を当てています。
藤巻さんの人柄にも触れながら、周りを巻き込むためには敢えて意図的に行動を起こす必要があることを、様々な場面から学ぶことができ、すぐにでも実践できるものもあって、参考になる1冊です。
【my pick-up】
◎「cc」は極力使わない
メールというのは、本来はコミュニケーションをはかる手段。そしてコミュニケーションは双方向性であるべきです。ところが送りっぱなし、一方通行のメールが少なくないわけで、「cc」などというのは、その代表格でしょう。
「cc」というのは、手抜きが相手にダイレクトに伝わってしまうわけで、場合によっては、「あなたは、その他大勢の一人です」とメッセージを送っているようなもの。「巻き込み指数」はゼロ以下のはずです。
◎あえて扱いにくい人物を巻き込むことも必要
想像を超える成果。そのキッカケが、扱いにくいと思っていた人物の一言だったりするのです。
◎上役を巻き込むには「熱気」「熱情」が必要
なにしろ経験も知識も自分より上の人間を相手にするわけですからね、「熱気」「熱情」で勝負するしかない。経験と知識には、生半可な知識より熱情で対抗した方が得策だということ。
◎五分と五分の関係をつくる
自分の立場が上だと思ったなら、自分から出向くのがホスピタリティ。そして「巻き込み術」の基本です。
◎自分なりの決め言葉を磨く
自分なりの得意な「決め言葉」を磨いておくというのも、巻き込みに役立つ会話術の一つでしょう。ちなみに著者は、「ペテン師のフジマキ!」。
◎きれいな言葉を本の中から拾い集める
枕元に本を積み上げていて、寝る前の1時間は本を読むのが習慣になっている。
通読、乱読が多いのですが、気になる言葉に出会うと、眠い目をこすりながらメモを取っているのです。
◎叱ってほめて、感情の両極をゆさぶる
叱るときには思い切り叱る。しかし、悪かったと思うなら、素直に謝る。それも24時間以内に謝る。そして、ほめる。「叱る→謝る、ほめる」という、感情の両極をゆさぶる言葉を投げかけるというのは、言葉自体にテコの原理が働き、効果をもたらす。
◎「最近の若い者は」はタブー
「最近の若いものは冷めている」と言いたいのだとしたら、それは熱くなれない社会にした大人たちのせい。結局は自分に返ってくる言葉だと思う。
◎会社の看板ではなく、個人の顔で勝負する
大切にしているのが、「オレが責任とるから」という決め台詞。この一言は感動の一撃となって、つき刺さってくるのです。