評価 (3点/5点満点)
電通で「労働環境改革本部」の室長を務めた著者が、時短の単なるノウハウではなく、ノウハウを活かすために必要な経営者の覚悟についてお伝えします。
鉄則1 社長は「私欲」を訴えなければ伝わらない
鉄則2 現場が抵抗する「本当の理由」を理解しよう
鉄則3 「現場の主」は社長が自分で口説かなくてはいけない
鉄則4 現場の「すべて」を肯定しよう
鉄則5 トラブル処理は「すべて」「自分で」引き受ける覚悟をもつ
鉄則6 改革の「本質的価値」を語ってはいけない
鉄則7 「結果」で納得を得るしかない
鉄則8 「内部統制」という言い訳を封じよう
これまでのような「時短しろ」「おまえらのムダをリストアップしろ」と現場に丸投げする経営は、今やそれだけでブラックです。
時短は現場の社員の知恵に甘えて実現するものではありません。
経営者が社員に対する「義務」もしくは「待遇」として、時短の仕組みを準備して提供すべきだと言います。
【my pick-up】
◎「内部統制の演技」で増大したブルシット・ジョブ
本来は、日常業務が効果的かつ効率的に回るようにすることも内部統制の目的の1つだったはずです。しかし、この「効果的かつ効率的」というところがすっぽりと抜けてしまい、ルールにのっとるという形式だけが残ったのです。その実態に現場の多くが気づいたときには、時すでに遅し。ガバナンスとコンプライアンスを盾にとられて、批判することができなくなっていました。たとえ現場が経営に「これでは、オーバーコンプライアンスです!」と助けを求めても、経営は手出しできないのです。
◎「重要性」という概念が重要
ちゃんとしたプロに相談せずに社内のアマチュアだけで議論していると、「手を抜いていいこと」の判断はつけられません。そうなると「念のため」これもやっておいたほうがいい、「いちおう」この書類も作っておこう、となっていくわけです。外部のプロに「手を抜いてよいこと」を教えてもらう、ということに手を抜き、なんでも内部メンバーの自前ですまそうとする。だから「正しい手抜き」ができない。
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