評価 (3点/5点満点)
山本五十六連合艦隊司令長官が座右の銘としてきた言葉「常在戦場」。いつも戦場にいることを忘れず、いつでも戦えるように備えよという意味。
信越化学工業会長の金川千尋さんも、まさにこの精神で経営に当たってきたそうです。
まずは、目の前の課題を重視すべきということだ。夢は大きく持つべきだが、だからといって、目の前の仕事を疎かにするようなことがあってはならない。今やっている仕事でより良い結果を出そうと考えることから始めてほしい。そのためには、それまでとは違った観点や発想からその仕事を見て、効率性をいかに上げていくかを考える必要がある。そうやって目の前の課題を解決していくことを積み重ねれば、かなりの実力がついていくはずだ。次に、常に新しい仕事に挑戦してほしい。1つの仕事がきちんとできるようになったら、そこに安住することなく、新しい仕事に挑んでいく。発想力やひらめきを鍛えた人ならば、必ず成功すると思う。最後に、仕事は楽しくなければいけないということだ。楽しく仕事をできていない人は、自分本来の力を発揮できない。(P.262)
常に「会社に貢献するためには何ができるか」「会社を継続的に成長させるにはどうすればよいか」という点に集中してきた金川さんの、すべて実際の経験から体得した真率な思いを、本書の言葉から感じとりましょう。
【my pick-up】
◎健康管理も経営者にとっては重要な仕事だ
夜の会合などに出席すると、どうしても疲れてしまう。疲労を抱えることで、経営者として重要な仕事に集中することができなくなる。そういった理由もあり、本業に関係がある人脈を築くためなら労を惜しまないが、私は夜の会合には、原則として出席しないようにしている。早く帰宅することができれば、午後10時頃には寝ることができる。良い睡眠を取れれば頭はスッキリし、良いアイデアが浮かびやすくなり、体調も崩しにくくなる。健康管理も経営者にとっては重要な仕事だ。多忙な経営者には、病気になっているヒマもないのである。
◎やり甲斐のある仕事を任せ、人が意気に感じるようにするのが、経営者の役割だ
実績主義と終身雇用は矛盾しない。採用した側、すなわち経営がしっかりしていれば、実績主義を徹底したからと言って、脱落する社員が続出するようなことにはならない。ある仕事では成果を上げられなかった社員も、別の仕事では活躍できる。そうしたチャンスを与えていくために、経営者は存在している。
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