評価 
（3点/5点満点）
この本では、他人に振り回されるのではない、自分の軸を作るためのヒントを書いています。
本書のポイントは次の5つです。
１．自分の頭で考え、選択肢を知ることによって、自分は何もできない存在ではなく、自分のおかれた状況に対してコントロールできることを知ること。
２．未知や答えのない状況でも学びを得ていくための視点と姿勢の大切さ。
３．他人による評価の影響をキャンセルし、自己価値と自分を信じる力を取り戻すこと。
４．自分と他人のために役立ち、わかち合うことのできる自分に与えられた強み、ギフトを知ること。
５．自分のとっての優先順位や価値観に気づき、自分が望むことを明確にし生み出し創造すること。
著者の大仲千華さんは、約10年国連で働く中で、様々なポストについていますが、その都度希望のポストに応募し、その数は10回を超えるそうです。
そこでの学びは、「自分を進路を自分で決める自己決定が幸福感に大きく影響する」ことと「自己決定にあたってはその基準＝自分の軸を持つことが大切」とのこと。
指示待ち人間や自分で考えられない人が増えていると言われていますが、自分で決めることをしてこなかったことも関係しているのではないでしょうか。
他人や世間に流されないために、私個人の考えをもって決断し、人生の主導権を握ることは、答えのない今の時代に必要だと思います。
【my pick-up】
◎議論を建設的に進める質問
米航空会社ジェットブルー航空を立て直した功績で知られるジュエル・ピーターソンCEOは、相手の意見を聞く時に、必ず「その考えに行き着くまでに他にどんな選択肢を検討しましたか？」と聞くそうです。その質問によって、結論だけではなく、相手が課題そのものをどう見ているかという思い込みや思考プロセスを確認してからその意見を判断する、と言っています。
◎「自分の言葉」で伝える
人が話し手や講師、リーダーに求めているのは知識だけではなく、その人の体験やそこから生まれたその人自身の考え方なのです。人はクールで冷静なビジネスマン・ビジネスウーマンとしてのあなたではなく、人間としてのあなたを知りたいと思っています。あなたという人はどんなことを大切にしているのか自分の言葉で伝えてください。「完璧な人」ではなく「リアルな人間」としてあなたはどんな人なのか相手に見せてあげてください。
