評価 (3点/5点満点)
アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして準備を行い、以来2016年2月まで約15年間アマゾンに在籍していた著者が、アマゾンの基本ルールを、内側で体験した出来事とともにお伝えします。
アマゾンの考え方は、実にシンプルだと言います。「Customers Rule!」(お客様が決めるんだ!)という大原則に基づいて、お客様のために何ができるか?を考え事業を推進しているだけですが、やはり時間軸、スピード感、スケール感は他社よりも遠く、速く、広いと思います。
また、アマゾンの文化を語るうえで決して外すことができないものに、「Our Leadership Principles(OLP)」(リーダーシップ理念)があります。その14か条は、本書の108ページをご覧ください。
本当の意味での顧客満足度の向上を実践するために、アマゾンは最高の教科書となるでしょう。
巷にあふれるアマゾンを賢く使う方法といった類のノウハウ本ではなく、アマゾンの考え方を理解して、多くの個人や組織が避けて通れない「アマゾンと共生」するための必要な知識を身につける本と言えるでしょう。
【my pick-up】
◎「自分の力で何とかしろ」は禁句
救われたのはSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント)が「なぜできないんだ?」とは決して言わず、「どうしたら助けられる?」と聞いてくれたことです。「何が分からないか教えてくれ」。このようなSVPの考え方、声のかけ方は、その後部下とのコミュニケーションを取る上で大きな参考になりました。