厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2012年126冊目『仕事は〝6勝4敗〟でいい』

2012-09-06 22:39:49 | おすすめビジネス書

評価  (4点/5点満点)

社長だからといって、「10戦10勝(10勝0敗)」はあり得ない。大切なのは、負けを受け止めて、成長のための刺激にすることです。

本書は、ライフネット生命社長の出口治明さんが、会社の方針(社会に対して何を提供しようとしているのか)に照らし合わせて、きちんと言うべきことは言える「最強の会社員」になるために、①仕事を楽しめる、②上司とうまく付き合える、③くよくよしない、④時間に追われない、⑤説得がうまい、⑥部下の力を引き出せる、⑦変化に対応できる、という7つの特徴から、具体的な行動原則を紹介します。

全体を読んだ感想は、どの世代・業種・職種の人が読んでも通用する普遍的な原則ばかりだと思いました。

ちなみに本書は、ユニクロ柳井さんの「一勝九敗」(新潮社)を意識して作られたのでしょうかね?

【my pick-up】

◎仕事を測る〝ものさし〟を長くする

どれだけ残業をしたとしても人生において仕事に携わる時間は2、3割。人生に起きるドラマの大半は、仕事から離れたところにあるのです。極論すれば、仕事は人生の2、3割。どうでもいいことのひとつなのです。

このものさしは、悩んだ時に一休みする休憩所のようなものです。2、3割のどうでもいいことにクヨクヨすることも、おもしろくないと腹を立てることも、上司の顔色をうかがうことも、時間のムダだと思えるはずです。

◎失敗はすぐに謝り、原因を分析する

思い通りの結果が出なかった場合の原因は、ほとんどが準備の詰めの甘さにあります。99%の失敗は考えが足りなかったことに起因します。

自分で原因を掘り下げることをせず、謝っただけで終わらせてしまうと、また同じ失敗をしてしまう可能性が高まります。それを避けるためにも、失敗の印象が強く残っているうちに、数字、ファクト、ロジックで十分に考え、失敗の研究をすること。原因がはっきりすれば、自信は失われません。

◎苦手を克服しようとしない

何もわかっていない経営者や上司は「誰にでも苦手なものはある。しかし、がんばれば克服できるものだ」「相性の悪い人とでもじっくりと付き合えば、打ち解けることができるものだ」と言います。

しかし、こういった考え方はまったく間違っていると思います。会社には何十人、何百人もの人がいるわけですから、人は得意なものを伸ばすべきです。そして、みんなが一番得意なことに取り組み、チームを作るのが最も合理的な仕事の進め方です。

苦手なことを無理矢理やらせるのは、精神訓練のようなもので、一種のいじめと言ってもいいでしょう。まったく馬鹿げたことであり、誰かが苦手なことは得意な誰かにやってもらえばいい。そのための組織であり、チームです。

◎考え抜いた後の「直感」を信じる

決断に際して、私が決めているルールはふたつです。まず、期日を決め、数字、ファクト、ロジックで考え抜くこと。そして、それでも答えが出なかったら、直感で決めてしまうこと。直感というのは「何も考えずに決める」ことではありません。脳が最速で必要な情報処理を行った結果が「直感」なのです。

直感の精度はその人の過去のインプットの集積で決まります。だからこそ、日頃から読書をし、旅をし、さまざまなジャンルの人に会い、経験の幅を広げ、インプットの量を増やしておくことが大切なのです。

◎中間管理職の役割を勘違いしない

たとえば、上が無茶なことを言った時には、「はいはい」とニコニコ笑って聞きながら、下には伝えない。これも中間管理職の能力です。上の言ったことをふるいにかけ、うまく優先順位をつけて、取捨選択し、仕事を振ること。そこに中間管理職の存在意義があるのであって、上から言われたことをそのまま伝えるだけの人は、単なる給料泥棒です。

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