ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2012-08-10 |
評価 (3点/5点満点)
「経営者や上司が命令しているうちは、自分の頭で考え、行動する社員は育たない。そんな当たり前のことが、管理優先の風潮の中で見失われている気がしている。」
著者の山田明男さんが相談役(以前は社長)を務めている未来工業は、就業時間は7時間15分で、残業は原則禁止。また、職場の蛍光灯はすべて引きひもスイッチ式で、席を離れるときはそのスイッチで頭上の灯りを消すといった施策がTVでも紹介され、世間では「ドケチ」会社・社長とも呼ばれています。
しかし、1日7時間15分しか働かないから仕事、そして人生が面白くなり、蛍光灯の話もすべての社員がコスト意識を身につけるための目に見える仕掛けのひとつにすぎない(これで節約できる電気代などたかが知れている)と山田さんは言います。
本書のテーマは、いい仕事に結びつき、さらには楽しみの域にまで達するための、「常に考える」習慣です。
・「ここまで会社に大切にしてもらっているんだから、給料分ぐらいは仕事しないと悪いな」という義務感を社員に持たせる。
・ヒット製品でも毎年何らかの改善に取り組む。あまり売れず、結果として「改悪」だったこともあるが、その場合は元に戻す。そしてまた考える。
・上司にいちいち報告する時点で、部下たちの突拍子もないアイデアや発想は抑制されてしまうので、ホウレンソウはやらない。
自分に自信がない人間ほど、役職が上がれば偉そうにしたがり、部下を管理したがるものです。経営者や管理者ほど、常に考えることを徹底すべきです。そうすれば、自然と謙虚になり、前向きな発想・行動が取れると思います。
【my pick-up】
◎限られた時間で最大の効果を上げるコツ
時間がたくさんあると、人間はつい余計な仕事までしてしまう。7時間15分という限られた時間は、必要な仕事の取捨選択を極めるうえでも、大切な役割を果たしている。限られた時間で働くからこそ、より多くの能力が身につくというわけだ。
◎差別化は「人マネ+アルファ」で誰でもできる
差別化の基本は、「人マネ」に少しのプラスアルファを付け加えること。何かの長さを1センチ伸ばしたり、色を黒から赤に変えてみたり、それを使う人がちょっと使いやすくなる工夫をすること。要は、飽きることなく反復しているうちに、差別化の勘所が身についてくる。誰でも同じことをくり返しているうちに、そこそこうまくなるだけの話だ。
いちばん大切なのは、差別化を難しく考えすぎないこと。他人のモノマネ+アルファで、ちょっとしたアイデア出しを1年間も続けていれば、「常に考える」クセが身についてくる。