日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「ひな祭り」。

2016-07-06 14:35:28 | 日本語学校
曇り。

昨日は涼しかったのですが、今日は一転、暑くなるとのこと。また体調を崩す人が出てくるかもしれません。

さて、学校です。

昨日は、みんなで「七夕」祭りをいたしました。午前、午後と二つのグループに分かれ、「七夕」の説明、歌の紹介の後、「願い事」を短冊に書き、それから、好きな色の色紙を選び、いろいろな飾りを折っていきました。

午前の学生達はほとんどが二年生ですし、「七夕」の飾り作りも飾り付けも、また願い事を書くのも二度目です(4月生と7月生は)から、スムーズに流れていったのもわかるのですが、午後の学生達もそれなりに、できたような気がします。

そうは言いましても、説明の時にも皆が色紙を折っている時にも、ずっと携帯を見ていた学生もいました。注意すればその都度やめるのですが、こういうお祭り行事の時には、何となく厳しい言葉を発するのも、「取り上げる」のも、憚られるような気がします(もちろん、言わざるを得ないときもあるのですが)。

最後に、さすがに取り上げようと思って注意したのですが、このときには画面に向かって「手を振って切ったので」もう言うのをやめました。こういう習慣は変えられないと見えます。授業中もきっとそうなのでしょう。本人にやる気がなければ、いくら言っても同じことです。また、中には、なかなか色紙に手が伸ばせないという学生もいました。

どの期においても、初めての作業の時には、こういう学生が出てくるものです。ただ、教師が心しておくべきは、誰がそれをしているか、そうなってしまうかを知っておくこと。そのためにも、特に自分のクラスの学生達からは目を離さないようにしておきます。

私たちが提供する「祭り」の作業を、そのままやってみようとする学生は、まず、安心なのですが、喰わず嫌いであったり、これは女子供の遊びだと見下してやらなかったりしている場合は、少し注意して見たほうがいいのです。もちろん、携帯でずっと遊んでいるような学生は論外ですが。

最初は、手を出せずに、ただ皆の作業を見ているだけであった学生も、最後にはそれなりのものを作り上げたようでした(飾り付けの時に、いくつか手に提げていました)。それから、飾り付けの時に「願い事」の短冊一枚しか手にしていなかった学生がいたのですが、そばにいた教員に聞いてみると、「2、3作ってはいたけれども、『きれいじゃないから嫌だ』と糸をつけなかった」とのこと。それは、まあ、ありでしょう。

私は足が痛くなったので、階段のところにいて皆の様子を見ていたのですが、ドアのところにいた二年生がいろいろと話しかけてきました。彼は二年生ですが、午後のクラスにいます。毎日きちんと学校に来はするものの、来ても眠ってしまう。注意しても、多分、日本に来るために背負わされたものが少なくないのでしょう、本人の自由にはならないようです。

見ると「大学に入りたい」と短冊に書いてあります。彼はこのクラスに来たときから、一番、入りやすそうな専門学校の名をあげ、そこに行くと明言していました。それで、聞くと「大学に入りたいよぉ」。それから「専門学校に入って、二年したら、国に帰る。お金があるよ」とか、「日本語が上手だったら、お金持ちだよ」とか言います。

そして、「ベトナム人はみんなそう」と付け加えます。以前はそういう学生が確かに多かったと思います。が、最近は、ある程度ベトナムで勉強してきている学生も少なくないのです。つまり、国できちんと勉強してから来ている学生のうち、はじめっから、金を稼ぐ目的である人はそれほど多くはないのです。

一歩譲って、来日前はそうであっても、来日後、外の学生が大学に行くと頑張っていると、自分も…というような気になったりする。ここに以前と今とでは大きな違いがあると思うのです。以前はそう思うようになっても、それが許される環境になかった人がいたのです。来日のために借金をしていると、それを返すのは当然彼の役になる。来日も彼というよりも一族の期待を背負ってしている場合も多かったことでしょう。

そう思うと、アルバイトに精を出していても、どこか余裕があるような気がします、今年のベトナムの学生達には。今は、勉強が大変だから、ここを卒業したら専門学校へ行くと言っている学生の中から、頑張って勉強して大学に入って、それから日本の会社に入りたいという学生が増えてくるかもしれません。

日々是好日

コメント
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