ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

平塚 らいてう

2016年08月14日 02時59分28秒 | テレビの中から
あいかわらずNHKの朝ドラを見ている。
今度の暮らしの手帳の社長をモデルにした「とと姉ちゃん」も面白い。
実際のモデルがいるか、架空の人物かによってドラマのリアリティーがまったく違ってくる。

(本当は作家たるもの嘘をつくのが商売。架空の人間を実在の人間と思わせる。そこに作家の力量があるのだけどね)

ところで前回の「あさが来た」にも今度のドラマにも「平塚 らいてう」が出てくる。
それで「平塚 らいてう評論集」を読んだ。
そして有名な『元始、女性は太陽であった』にはがっかりさせられた。
どうして太陽だったといえるのか?
そこを知りたかったけど、何も書かれていなかった。
ただ思い込み、思い入れだけの気負いすぎの文章。
25歳の時にただ筆の勢いだけで書いた文章。
論理的でないのだ。
悪文だ。

(もっとも評論の中身について書いているのではない。
もっと書きようがあったはずだということを言っている。
ただあの筆の勢いがセンセーショナルに報道されて
当時の社会を揺り動かしたことは評価しないわけには行かない)

この評論だけを読むと平塚 らいてうはすぐに人にレッテルを張りそのレッテルでしか人を見ようとしない福島瑞穂型の人間だと思ってしまう。
でもその後の評論を読むとそうではないことがわかる。
文章もとても素直でわかりやすい。
平塚 らいてう自身も『元始、女性は太陽であった』の文章をその後反省している。

その後平塚 らいてうは女性解放運動だけでなく、反戦・平和運動に参加した。
元祖田舎暮らし派であり、食の問題研究家でもある。
そして第一線で活動するのでなく、ちょっと引いた立場で見つめている。
でも『元始、女性は太陽であった』以来その立場はぶれていない。
平塚 らいてうは革命家ではなく政治家でもなく、根っからの評論家なのだ。

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