ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

里山の死

2017年11月12日 18時20分08秒 | 田舎暮らし
昨日たまたま高速道路沿いの道を通った。
あちこちの工事現場にあちこち飯場ができていた。
今までのちんたら工事(?)と違ってかなり気合が入っているようだ。
もう今では亀も工事のスピードには追い付かないだろう。

たまたま行った集落はいかにも里山風な静かな所だった。
けど、道路が出きたらうるさくなるだろう。
ざっと見た感じでは立ち退きしないといけない家はなさそうだけど、たいていの家は田畑が工事で切り取られるだろう。
そして家の近くをあるいは上を高速が通る。
今までの里山の環境が一変する。

でも田畑の売却費だけでなく集落にも多額の金が入るだろう。
以前も近くにできたテクノポリス(科学技術公園都市)で潤ったと聞いている。
一方今住んでいるこの集落では工事にかすりもしなかった。
それで今後ますます、人が減り、おまけに高齢化し、自治会費や溝掃除の負担が増えていく。

もちろん工事で潤った集落も人は減る。
でも溝掃除なども金があったらシルバーさんなどを雇ってしてもらうことができる。
金がなかったら自分たちでやるほかない。
そう、人は減りおまけに高齢化して掃除などに出てこれる人は年々少なくなる。
人を雇うとさらに多く負担しないといけない。
こうして集落間の格差が広がる。
貧しい集落は負担が増す。

実はこの集落に引っ越してきたときびっくりしたことがある。
それは入村料みたいな物がいること。
それも半端な額じゃない。
何十万も払った。
想定してなかった金だった。
だって都会だったら引っ越したからといって入町料なんて請求されることはなかった。

それで入村料のこと・・・話を聞いたらわからないでもない。
公民館とか共有地とか共同の通帳の預金残高とか集落にも財産がある。
集落の人がみんなで払ってきた財産、利用してきた財産。
それを新しく入ってきた人がタダで使うとやっぱりそれは不公平。
そういうわけである程度納得はできるのだけどそんなことすると、
これからこの集落に入ってきたい人を締め出すことになるのでは?
そしてますます集落の衰退を早めるだけなのではないか?
そういうわけで半分納得半分不満。
そこには現状維持しか、集落を発展させるためにはどうしたらいいかという視点が欠けている。
なんて思いつつも半分納得半分不満ながら払ったのだった。

ところが昨日行った集落は多分入村料みたいなものもない、多分自治会費もないだろう。
(間違ってたら、ごめんなさい!)
そこはひっそりとした集落だけど豊かな集落。
でもそこでも人が減っていくのは同じ。
こうして(金があったら)人を頼るようになる。

自助・共助・公助が暮らしの基本。
自分の身は自分で守る。
家族の身は家族で守る。
集落のことは集落で守る。
それでも守れないことは公に頼る。
それが暮らしの基本ではないか?

あの静かな里山が、ここよりももっともっと魅力的な里山が、
これからは高速道路の騒音に悩まされないといけない。
たとえ財政的には豊かになっても、そこで暮らす意味があるのだろうか?
自助の気持ちをなくしたとき・・・

このわびしいわびしい集落に暮らして、今はここでよかったと思う。
このまま何もしないといずれはこの集落も死ぬだろう。
そしてそれまで生きていれば・・・この集落の死を見届けたいと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紅葉 | トップ | ススキ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

田舎暮らし」カテゴリの最新記事