ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

山羊サミット(2)

2008年10月08日 11時32分00秒 | 山羊の話

さて会場に着き、受付にいく。
ここが最後の難所。
ちゃんと名簿に名前が載っているだろうか?
それが不思議とのっていた。
実行委員長のKさんを甘く見てはいけない。

まだ開始まで大分時間があるので、もって行っていたおにぎりを食べたり、ネットだけで知っている人たちと始めてあったり、1階で販売していた山羊関連のグッズなどを見るだけで過ごした。
大会は1時から。100人以上の人たちが来ていた。
参加者は有機農業研究会と比べると大学関係者が多そうだった。
有機農業研究会では一般の有機農家の人と有機農業志願の若い人が圧倒的に多いのだけど、そこが山羊が日本ではまだ家畜となっていないという微妙な立場をあらわしているのかもしれない。
大会はまず琉球大の新城さんから沖縄の山羊の実態などの話しがあり、ついうつらうつら聞いた後。事例報告(5名)、体験発表(2名)がありいずれも珍しく居眠りしないで面白く聞いた。
興味を持った話をいくつかあげる。

まず最初の長野牧場の藤田さんの話:
・山羊に偏った統計:(1)山羊はアジアとアフリカをあわせたら(!)家畜では山羊が一番多い (2)世界の家畜の増加数は山羊が一番多い
 ~このようにいいとこ取りの統計は聞いてて楽しい。統計はかくありたいものだ。
・山羊の優れているところ:
 (1)食べものが人と競合しない~こんなことを聞くとつい畑の野菜を山羊によく食べられたことを思い出した。
 (2)小さいので安心~獰猛で頭突きが強烈だった我が家の雄山羊シロのことを、頭突きが得意で我が家の客がことごとく被害にあっている雌山羊ユキのことがつい頭に浮かんだ。
 (3)早熟で子沢山~去年は何度も遠くまで種付けに行ったのにとうとう1匹も生まれなかったなぁ・・・。
・山羊乳の普及はペット用の評価の確立が近道かもしれない~山羊乳は臭いというイメージからなかなか人に普及しない。それでこういう話になったのだろう。
 でもはたしてそうだろうか?ペット用というイメージがつくとますます人には普及しなくなるのではないかという気がする。
 我が家では客によく飲んでもらうのだけど、臭くない、美味しいという評価がほとんどだ。山羊農家を増やして多くの人に山羊ミルクを飲んでもらうことがやっぱり早道ではないのだろうか?

次にCAEについての動物衛生研究所の小西さんの話。
・ウィルスにかかった山羊の清浄化・・・つまるところ堵殺ということと検査の必要性。
 よそから子山羊をもらってくる、あるいはよそに子山羊をやる・・・そこから感染が広がっていく。その危険性はわかる。わかるけど厳しいね。
 それよりもワクチンを作る。あるいは免疫のある山羊を育てる。という方向に持っていってほしいと思う。
 鶏インフルエンザで大量の鶏が処分された。あれと同じように山羊が大量に殺戮される光景が頭にうかぶ。
 ウィルスに汚染された動物を処分するだけではいつまで経ってもウィルスには勝てない。
 ウィルスに抵抗力のある山羊を育ててほしいと思う。
 ところで山羊から人間、あるいは他の動物への感染の可能性については羊には感染するけどそれ以外は今のところないらしい。
 というのも今鶏と一緒に飼っているから鳥インフルエンザが山羊に感染すると困るからとても気になっていたのだ。

滋賀県農業技術振興センターの山中さんの獣害対策についての山羊の活用の話。
・猿の害には山羊が一番効果がある~山羊は好奇心が強いので猿が来るとすぐに近寄ってくるので猿はそれを嫌がって逃げていくらしい。
 いかにも山羊らしい話。これを聞いて番山羊として使えないかとかって考えたことを思い出した。泥棒だって山羊が近づいてきたら嫌がって逃げていくのではないかと。
 *番山羊については以前HPに書いたので参考にしてください。
http://www2.odn.ne.jp/migita/yagi/yagi.htm
~ところでここでは猿害よりも鹿害のほうが問題なのだけど、残念ながら鹿害を防ぐデータはないらしい。ただ草を食べるので周りが見晴らしが良くなり鹿は警戒して近寄ってこなくなるのではないかという話だった。
でもそれはありえない。鹿はここでは道路でもどこでも出没する。それよりも鹿と山羊はどちらが強いのかということが気になった。山羊のほうが強かったら鹿は逃げていくだろう。我が家の山羊は鹿よりも絶対強い。
というわけで、我が家の山羊ユキのように性格の悪い山羊を鹿避け対策に使ったらどうだろう?
ただ困ったことに夜になると山羊は怖がって外にはでない。一方鹿はたいてい夜に活動する。それで山羊はやっぱり鹿害を防ぐことはできないだろう。

それから碇高原牧場の荒田さんのレンタル山羊とレンタル牛の話。
~最近自治体を中心にレンタル山羊やレンタル牛がはやっているらしいけど、借りる側の設備、雨対策やロープなど、あるいは事故の対応、山羊が頭突きをして子供に怪我をさせたり、逆に借りた山羊が野犬に襲われたりロープに絡まって死んだりしたらどうするのだろう、ということが気になって質問しようと思ったけどチャンスがなく質問しないで終わった。
 
それから国際山羊会議に出席した京都大学の塚原さんの話。
国際的にも4年に一度、山羊サミットのようなものが行われているらしい。
メキシコで行われた会議の話を聞いた。その話の間に配られた山羊ミルクキャラメルとこの後、懇親会で呑んだテキーラが印象的だった。

次に体験発表として「山羊のたまご?」と「るり渓やぎ農園を立ち上げて」という話。

「山羊のたまご?」はやぎの店の高橋さんの話。
山羊のたまごという言葉を思いつき、その後でお菓子を開発して販売するまでの苦労話など面白く、つい調子に乗せられて(?)休憩時間に「山羊のたまご?」を買ってしまった。

「るり渓やぎ農園を立ち上げて」は次の日の見学にいくるり渓やぎ農園の片岡さんの苦労話。
黒字になったのは一ヶ月だけであとはみな赤字。副業で何とか続けているという正直な話に、う~んと考えさせられた。
家畜としてだけではなく以下にそれに付加価値をつけるかが・・・難しいけど必要なのだろうな。

こうして講演会は終わり総合討論ということになったのだけど時間が少なく、色々質問したかったのだけど、質問しないで終わった。
こうして全体を通して考えるとそれぞれの話は面白かったけどそんなに盛り上がっていたとはいえない。
質問も紙に書いてもらってそれを読み上げるという形式で行われたので、話すだけ、聞くだけで終わった。
もちろん100人以上もいたら自己紹介する時間はないだろうけど、それぞれの発表者を座長とする分科会に別れたら自己紹介や意見発表などできたのではないだろうか。

こうして講演会は終わり、一同は今回のメーン(?)懇親会のある湯の花温泉に向かった。
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