ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

バネ指の手術【経過3】

2014-12-06 22:31:37 | バネ指
右手親指のバネ指手術 のその後の経過です。

バネ指の手術【経過2】 から3カ月が過ぎ、手術から4カ月が過ぎました。

3カ月前には赤く盛り上がっていた手術痕も、外からはほとんどわからないくらいにキレイな状態になりました。
表面はすっかりキレイですが、触るとグリグリとしたしこりがあるのがわかります。

痛みは、だいぶ治まってきました。
ピーク時を100としたら、現在は30くらいでしょうか。

親指を内側に曲げた時に、関節にまだ軽い痛みが走ります。
術後1カ月の時は筆記具を持つのに苦労しましたが、今はずいぶん楽になりました。
とはいえ、長時間ペンを持っていると親指の第一関節が痛くなってきます。

洗濯バサミをつまむのにも苦労していましたが、今は以前の7割程度の力が出せるようになり、中程度の大きさのものなら、ちょっと違和感はありますが、普通につまむことができます。

ペットボトルの蓋、ジャムなどの瓶の蓋も、固すぎるものでなければ、ほぼ大丈夫。
ワインを開けるソムリエナイフは、引き上げる時に親指と人差し指の股に強い力がかかるため、まだそこそこの痛みを伴います。



術後4カ月も経過したのに、こんな状態ですが、術後1カ月の頃と比べると、日常生活をしている中で、普通にしていれば、ほとんど気にならなくなりました。
ということは、ゆっくりですが、順調に快復している、といえそうです。

あと1、2カ月もしたら、だいぶいい感じになってくれそうな予感がします。

それから、寒くなった今の季節に改めて思うのは、夏に手術をしてよかった、ということ。

術後はしばらく入浴ができません。
シャワーはOKでしたが、寒い時期はしっかりお風呂で温まりたいのに、それができないのはツライですからね。
以前にも書きましたが、手術を考えている方は、季節も考えた方がいいと思います。

では、また次回に…



新規カテゴリー「バネ指」を作成しました。
過去の記事をまとめてご覧になりたい方は、「バネ指」カテゴリーからどうぞ。

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※その後の【経過4】 → コチラ (2015.3.13追加)

コメント (6)
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白ワインでイクラのしょうゆ漬け ―実践編

2014-12-06 15:55:00 | おいしい食べもん
“フランス人お手製イクラしょうゆ漬け” に刺激され、私も イクラのしょうゆ漬け を作ってみました。

フランス人の彼は 白ワイン を使いましたので、私も白ワインを用意。
スペインのアイレン種の辛口タイプの白ワインです。

まずこのワインを夕食の“イカそうめん”と合わせてみたところ、むむ、生臭い…

これではイクラも生臭くなるのでは?と心配になったので、まずはしょうゆに塩をひとつまみと、控えめな量の日本酒 を加えて軽く漬け込みました。

一晩漬け込んだイクラをほんの少量(小さじ半分ほど)小皿にとり、白ワイン を振り掛けて味をみたところ、生臭さが感じなかったので、残りのイクラ全量に、前日加えた日本酒と同量の白ワインを加えました。



イクラのしょうゆ漬け 白ワイン&日本酒ブレンド がほぼ完成
生臭さはなく、おいしくいただけそうです

白ワインのタイプによっては生臭さを感じる可能性があるかもしれませんので、いきなりドボドボ注がずに少量で試す、日本酒とブレンドする、など、慎重に加えていくと失敗がないと思います。
なんたって、貴重なイクラですからね

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フランス人お手製イクラしょうゆ漬け

2014-12-05 11:45:00 | おいしい食べもん
先日、仲良しの先輩にお誘いいただき、先輩のお友達のお宅にお邪魔させていただきました。
お友達というのが、ご主人がフランス人、奥様がドイツ人という40代カップル
料理が趣味のご主人が腕を振るいたい、というのと、ご主人はワイン好きだけれど奥様があまり飲まれないため、ワインを語れる人と飲みたい!ということから、私に白羽の矢が立ったそうです。
そんなことであれば、喜んで(笑)




ウエルカムワインは、フランスはアルザスのDomaine Weinbachのゲヴュルツトラミネールで、しかも貴腐菌付きのセレクショングランノーブルの2005年!

ねっとりなめらかで複雑味のある甘さと、繊細な酸、華やかすぎない上品な香りが、この後に待ち構えているであろうディナーへの期待感を高めてくれました。
その後もヴァインバックのMuscat d'Alsaceをいただきながら、料理の仕上がりを待ちます。
アルザスのワインは、彼のお父さんがこの生産者と親しいため、フランスから送ってもらっているそうです。



いよいよ席に着き、前菜で出されたこちらにビックリ!


イクラの醤油漬け&白ビート

見た目はまるで日本料理!カブにイクラが添えられているように見えます。
しかも、イクラは自分で下処理から行なったといいます。
味付けも絶妙で、塩加減がちょうどよく、色もキレイです。
私もこの秋にイクラの醤油漬けを2回ほど作りましたが、色はもっと醤油色が濃くなってしまいましたし、生臭さを消すのに苦労しました。
聞けば、彼は 白ワイン を使ったそうです。これはいいヒントをいただきました

合わせた白ビートがとても甘くて、これにも驚きでした。
赤ビート(ビーツ)はロシア料理のボルシチなどに入っているのをよく見ますね、
これは白バージョン。サッと塩茹でして冷やしただけということですが、さっぱりとした甘さがあり、感動のおいしさ!イクラともとてもよく合いました。

これなら日本のお正月料理にも使えます。それくらい外見は和の料理ですが、ワインに合う工夫が加えられているのが、さすがです。
彼は日本に来てまだ一年半ということですが、すでに日本の食材を使いこなしているのが素晴らしいと思いました。
しかも、料理人でもなく、会社員なのに


メイン アミガサ茸を添えた鳥

単なるチキンではないかもしれません。弾力のあるやわらかさの肉に、コクのあるソースがからみ、少しシャキシャキ感のあるアミガサ茸がアクセントを与えてくれていました。
手前はトウモロコシ粉を練り上げたポレンタ。これはイタリアが故郷。



写真を撮りはぐりましたが、ほかにも色々な料理をご用意いただきました。




Louro do Bolo Rafael Palacios S.L  (Spain, ガリシア地方 DO Valdeorras)

レルミタのアルバロの実弟ラファエロがつくるガリシアのコデーリョ種の白。
専門誌で非常に高い評価を受けているワインです。


Pielago 2011 Jiménez Landi (Spain, DO Méntrida)

スペインを推しているワイナリー和泉屋さんイチオシの生産者ヒメネス・ランディ!
ピエラゴはガルナッチャ100%の赤ワイン。この日のメイン料理にも合いました。


Volnay(左)は開けていただきましたが、Pixar(右)は見せていただいただけ(笑)

Pixar mencia 2003はスペインのBierzoのBodegas y Vinedos Paixarの赤ワイン。
ビエルソのメンシアは近年大注目です。

意外にもスペインワインが多い、と思ったら、彼ら夫婦はスペインで仕事をしている時に出会い、結婚されたとのこと。スペインにはたくさんの思い出があるのでしょう。


ざっくりした雰囲気なのにオシャレな チーズプラトー



小さなお子さんがいらっしゃるので、サンタクロースのかわいいアドベントカレンダーがありました。



アドベントカレンダーはドイツのクリスマスの伝統のひとつで、クリスマスまで毎日ひとつずつ窓をめくっていきます。めくった中には、チョコレートや小さなオモチャなどが入っています。



テーブルの上にも、アドベントの期間(11月30日以降の最初の日曜日から始まる4週間)が始まる第1日曜日から第4日曜日まで、日曜日ごとにロウソクを灯すアドベントリース(アドベントクランツ)がありました。奥様がドイツの方だけありますね。


最後はフルーツで

フランス人のご主人は料理とは関係ない会社員なのに、料理好きということもあって、素晴らしい料理を作っていただき感謝です。しかも、厳選ワインまでご用意いただき、大感謝!
ごちそうさまでした
お誘いくださった先輩にも感謝です。

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「会津みしらず柿」が福島から届きました

2014-12-04 18:31:45 | おいしい食べもん
先月末に福島の叔母から、この季節恒例の が到着


会津みしらず柿

渋柿を焼酎処理して渋抜きをしますので、到着してもスグには食べられません。
そのため、開けていい日付が箱に記載されています。



待望の開封日が来ても、まだ渋がある時は天日に当てる必要がありますが、今回は大丈夫でした。

お隣におすそ分けしたけれど、まだまだどっさり!

年内いっぱいくらいは柔らかくなりすぎない状態で食べられそうなのですが、できれば、お目にかかれそうな方におすそ分けしたいです


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第48回ル・テタンジェ国際料理賞コンクール世界大会結果

2014-12-03 15:30:00 | レストラン&店
第48回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール インターナショナル(パリ)の結果報告リリースが届きました。

このコンクールは、世界で活躍するグラン・シェフへの登竜門となる、料理人にとっては非常に重要なコンクールです。
世界大会では各国の大会で優勝したシェフにより、世界NO.1の座が競われます。

日本の選考会「第48回ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン2014」は、2014年9月2日に最終選考会が行われ、その結果、川本善広さん(ホテルグランヴィア大阪)が優勝し、世界大会への切符を手にしました。

※「第48回ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン2014」結果 →コチラ



世界大会「第48回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・インターナショナル」 は2014年11月25日に、フランスのパリ商工会議所フェランディ校で行われ、同日夜に、ホテルジョルジュ・サンク(パリ)で結果発表式が行われました。

ファイナリストは6名で、フランス2名、日本、スイス、ベルギー、オランダが各1名。
フランス代表のひとりは高柳好孝氏(ホテルムーリス、パリ)でしたので、第48回の世界大会は日本人は2名となりました。
国際ファイナルで日本人が2名参加するのは、第46回でもありました。



優勝ジョナサン・ザンドベルゲン(Jonathan Zandbergen)
   (オランダ、アルメレ レストラン・ヘット・ヴェルヴュィ)
2位: ニコラス・ヘンシンガー(Nicolas Hensinger)
   (スイス、クリシエ ホテル・ド・ヴィル)
3位:川本善広(Yoshihiro Kawamoto)
   (日本、大阪 ホテルグランヴィア大阪)


左端が高柳氏、右端が川本氏、カップを手にしている男性がジョナサン・ザンドベルゲン氏



第48 回コンクール・インターナショナルテーマ
 -1人5時間でテーマ料理と課題ルセットを制作

2 ラーブル・ド・リエブル- 8人分
1種類の課題ガルニチュール:シャテーニュをベースにしたもの1種とポティロンをベースにしたもの1種
1種類の自由ガルニチュール、ソースまたは、ジュを添える

審査委員長による課題ルセット
パン・ペルデュ・オ・ポム・レーネット・エ・クレーム・アングレーズ- 8 人分
皿盛り、ソーシエールに入れ添える
ブリオッシュ・ナンテーズ800g(長方形)は用意済



優勝した ジョナサン・ザンドベルゲン 氏(Jonathan Zandbergen)

見た通りのワイルド系イケメンシェフなので、今後は日本でも人気が出そう?
ぜひ名前を憶えておいてください。

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第2回ドイツパンでワインが飲みたい【補足編】

2014-12-03 10:00:05 | レストラン&店
「第2回ドイツパンでワインが飲みたい」 のリポートを【前編】【後編】の2回連続でアップしてきましたが、書ききれなかったことがありますので、【補足編】としてアップします。

まず、思いもかけず、出していただいたデザートチョコレート系でした。


左)ガトーショコラ  右)ショコラムース(丸い透明瓶に入ったもの)
※どちらかをチョイス

チョコレートなら、今回のドイツの赤ワインに合いそう!
ということで、マッチングをためしてみました。



濃さがあり、しっとりふっくらとしたドルンフェルダー(左)はどちらも合います。
濃密でビロードのようなテクスチュアのレンベルガー(右)はガトーショコラの方がより合い、
繊細なシュペートブルグンダー(中)にはチョコレートの味は強すぎて、むしろ、ガトーショコラにかかっている甘酸っぱいベリーソースがピタリと合いました。

チョコレート系のデザートには、濃さと力強さがあり、しかもなめらかな赤ワイン が合いますね



さて、今回の会場となったお店 「メッツゲライ・ササキ」 さんについて。
“メッツゲライ” とは、ドイツ語で“豚肉加工品店”のことで、フランス語では“シャリュキュトリ”と呼ばれます。

田園調布の駅前に店を構えるメッツゲライ・ササキで提供されるハム、ソーセージ、ベーコン類は、ドイツで修行して資格(“ゲセレ”といいます)を持つ職人が作っており(ササキを運営する親会社の職人)、店のシェフが店内でパテ、リエット、テリーヌなどを作っています。

ササキのシェフは、フランスで5年半修行し、“シャルキュトリエ”という資格を持つ職人で、しかも、若く小柄な女性シェフなのですから、驚きです!

本場仕込みのシャルキュトリを手軽にいただくなら、ランチタイムがオススメ。


二人で行けばシェアできます


寒い日には煮込み系のあたたかい料理が嬉しい

もちろん、ディナータイムにも、シャルキュトリ、ハム、ソーセージ類をはじめ、さまざまな料理が楽しめます。
ワイン もグラス1杯から注文できます(ランチタイムでも飲めます



その他のデリも充実 し、ショーケースにあるものはすべてテイクアウト できますから、家でゆっくりと楽しむのもいいですね。


メッツゲライ・ササキさんの入り口に野菜の直売コーナー発見!



メッツゲライ・ササキさんでは、クリスマス用のテイクアウトメニュー の販売も行ないます。オードブル盛り合わせ、アルザスの特別な器で焼き上げるパテ・ド・カンパーニュなど、さまざまなメニューが用意されています。
同店のFacebookのタイムラインにメニュー表がアップされていますので、興味のある方はチェックしてみてください。

クリスマステイクアウトメニューの申込締め切りは12月14日(日)、
お受け取り期間は12月19日(金)~25日(木)13:00~20:00 ですので、ご注意を!

メッツゲライ・ササキ Facebook
https://www.facebook.com/MetzgereiSasaki



今回のパンをご用意くださった 「ベッカライ シュタインメッツ」 さんは、ササキさんのお隣のパン屋 さんで、店内が1枚のドアでつながっています。

シュタインメッツの店長兼ベーカーはドイツでベーカー修行を積んだ方で、こちらも若く小柄な女性。


この細腕で、1日中パン生地を捏ねているとはスゴイ!

上の料理の写真に添えられているのは、すべてシュタインメッツさんのパンです。
ランチタイムだけでなく、もちろんディナータイムにもシュタインメッツのパンが登場します。

ササキさんで食べ、デリをテイクアウトしたら、シュタインメッツさんのパンもやはり買いたくなります。



クリスマスの時期限定の “シュタインメッツ シュトレン”(1728円)もオススメです。
クリスマスパーティーが盛り上がること間違いなし



隣り合うこの2店は、ワイン好き、美味しいもの好きには最強ですね




Metzgerei SASAKI (メッツゲライ・ササキ)
東京都大田区田園調布3-1-3
Tel.03-5755-5971

ベッカライシュタインメッツ 田園調布
大田区田園調布3-1-3
Tel.03-3722-5566

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第2回ドイツパンでワインが飲みたい【後編】

2014-12-02 11:20:18 | ワイン&酒
11月30日に開催した 第2回 「深まる秋にメッツゲライのデリと楽しむドイツパン&ドイツの赤ワイン」のリポート後編では、ワインを紹介します。

※パン&料理は 【前編】

さて、主役のもうひとつが ドイツワインです。
冬に向かっていく季節を考え、ドイツの赤ワイン をテーマとすることにしました。


今回の主役は ドイツの赤ワイン 3アイテム

ドイツは白ワインのイメージが強いですが、赤ワインもつくられています。

栽培面積では、白ブドウ:黒ブドウ=64.2%:35.8%(German Wine Instituteの統計より 2012年実績、以下同様)です。
ワインの色別で見ると、白:赤:ロゼ=59.5%:30.8%:9.7% となり、ロゼが入ってきます。

やはり白が優勢ですが、ドイツ市場でのワイン消費量で見ると、勢力が変化します。
[自国ワイン消費量] ロゼ:赤:白=11%:37%:52%
[輸入ワイン消費量] ロゼ:赤:白=10%:60%:30%

輸入ワインは赤ワインが好まれているようです。

ドイツでは、1980年代くらいにフランスやイタリアにインスパイアされ、フランス料理、イタリア料理への関心が高まるとともに、料理と一緒に楽しむ辛口のワインを、レストランだけでなく家庭でも飲むようになってきました。
その中で、料理に合う辛口の赤ワインの需要が伸びてくるのも自然の流れといえるでしょう。



まず、ドイツで栽培されている黒ブドウ品種を見てみましょう。

【ドイツの黒ブドウ品種 栽培面積】 2012年
1位 シュペートブルグンダー (=ピノ・ノワール)
2位 ドルンフェルダー
3位 ポルトギーザー
4位 トロリンガー
5位 シュヴァルツリースリング (=ピノ・ムニエ)
6位 レゲント
7位 レンベルガー (=ブラウフレンキッシュ)
8位 ザンクト=ラウレント
9位 メルロ
10位アコロン

※今回は シュペートブルグンダー、ドルンフェルダー、レンベルガー をピックアップ。


赤ワインの生産量/比率が高い生産地を見てみると…

【ドイツ13生産地域別 赤ワイン生産量/比率】2012年
1位 ヴュルテンベルク(621,000hl  66.9% -2位)
2位 ファルツ(577,000hl  33.7%-3位)
3位 ラインヘッセン(559,000hl  27.0%-5位)
4位 バーデン(358,000hl  31.8%-4位)
8位 アール(28,000hl  71.8%-1位)

生産量1位かつ比率2位の ヴュルテンベルク、シュペートブルグンダーの生産量がダントツの バーデン、生産量と比率がいずれも高い ファルツ からチョイスしました。

提供した順番に紹介していきます。


Herxheimer Himmelreich DORNFELDER 2011 Weingut Petri
ヘルクスハイマー・ヒンメルライヒ ドルンフェルダー 2011 ペトリ醸造所 (Pfalz) 

ドルンフェルダー は1950年代に開発された交配品種で、品種登録は1981年。
栽培もしやすく、色が濃くて他の品種とのブレンドにも使いやすいことから、栽培面積をどんどん増やしています。
また、色は濃いけれど、タンニンがやさしく、チェリーやレッドカラントなどの赤系フルーツのアロマがフルーティーで魅力的なことから、今、ドイツで最も愛されている赤ワイン品種のひとつです。
フルーティーなアロマを生かしたやさしいスタイルから、バリック樽で熟成させ、タンニンがしっかりとし、味わいが濃厚で深みのあるフルボディタイプまであります。

ペトリ醸造所のドルンフェルダー は、果実味がふっくら丸く、弾力がありました。
タンニンも丸く、よく溶け込んでいます。色はかなり濃いですが、飲むとやわらかで、酸もまだフレッシュさを保っています。アロマは品種由来のフルーティな甘さがあります。ふっくらしているのに、するする自然に入ってくるワインです。

1665年より続くペトリ醸造所の現当主は13代目。以前は樽でワインを収めていましたが、ガイゼンハイム大学でワイン学を修了した13代目のゲルト・ペトリ氏が醸造所を引き継いだ1977年以降は、自社ブランドのワインを瓶詰めしています。
栽培では、害虫駆除剤や除草剤を一切使用していません。収穫量を抑え、収穫は手摘み。ブドウはていねいな選果を経て仕込まれます。
専門誌での評価も得ている生産者です。

※参考価格2,500円(税抜) (輸入元:株式会社シュピーレン・ヴォルケ)
http://item.rakuten.co.jp/yu-un/sw-p22/



Durbacher Schlossberg Spätburgunder Trocken Erste Lage 2012
Weingut Markgraf von Baden
(Baden)

ドゥルバッハー・シュロスベルク シュペートブルグンダー エアステ・ラーゲ 2012
マルクグラフ・フォン・バーデン醸造所

シュペートブルグンダー(=ピノ・ノワール)は、ドイツNo.1の生産量を誇る黒ブドウ品種です。
ピノ・ノワールの生産量では、ドイツは、フランス、アメリカに次いで3位!
しかも、豪州+ニュージーランド+オーストリアの3か国を合わせた生産量に匹敵するとは、意外や意外!ドイツのシュペートブルグンダーって、実はスゴかったんですね。

シュペートブルグンダーは、884年、カロリング家のカール3世がブルゴーニュ地方からボーデン湖畔地方にもたらし、だんだんと北に栽培地を広げていきました。ボーデン湖畔地方は現在のバーデン地方になります。北の産地であるドイツでは植物の生育期間が長く、他の産地にはない独特の風味を持つワインになります。
イチゴ、サクランボ、キイチゴ、カシスなどの赤い果実の芳香が豊かで、味わい豊かなシュペートブルグンダーは、完熟ブドウの果実味を生かした、繊細でまろやかな、タンニンがやわらかいタイプから、モダンなスタイルで、濃いルビー色で、酸がやわらかく、タンニンが強調されたフルボディタイプまで、多彩なワインがつくられています。

マルクグラフ・フォン・バーデン醸造所のシュペートブルグンダーは、1本目のドルンフェルダーと比べると色調が薄く、透明感があります。また、ピノ・ノワールらしいかぐわしい芳香に目が細まりました。
かわいらしい果実味がじんわりと染み込み、まろやかで滋味。繊細なふっくら感、うま味があり、余韻まで長く続きます。

ここは、20世紀初頭まで約900年間バーデンを統治してきたバーデン大公国の君主が所有していた醸造所。現在は大公国の末裔ベルナール殿下が当主となり、早い段階でのグリーンハーベストなど、徹底した品質管理をはじめ、さまざまな改革を行なっています。
認証は取得していませんが、ビオロジックです。
エアステス・ラーゲは1級畑。樹齢平均26年のシュペートブルグンダー(平均収量:35hl/ha)をオーク樽(フレンチオーク225L、3000L、新樽20%)で熟成。
ドゥルバッハーは村の名前で、そのテロワールの素晴らしさから“黄金の村”と呼ばれてきた土地だそうです。畑の土壌は花崗岩。

※参考価格3,100円(税抜)  (輸入元:株式会社モトックス)
http://www.mottox.co.jp/search/detail.php?id=646697



Stettener Lemberger Untere Bunte Mergel 2012 Weingut Beurer (Württemberg)
ステットナー レンベルガー ウンテレ・ブンテ・メルゲル 2012ボイラー醸造所

レンベルガーは19世紀にオーストリアからドイツにもたらされた黒ブドウ品種で、オーストリアでの呼び名はブラウフレンキッシュ。オーストリアに地理的に近いヴュルテンベルクでの栽培が多い品種です。
アロマはブラックベリー、プラム、チェリーを連想させ、まろやかで、果実の風味にあふれた味わいを特徴としています。
気軽に味わえる、比較的ライトで、フルーティーな味わいのデイリータイプのワインから、エキス分とタンニンが豊富で、コクと厚みのあるワイン、タンニンを強調したワイン、特別な日のための格調高いバリック仕立てのワインまであり、色々なシーンで楽しめます。

ボイラー醸造所のレンベルガーは、樽で熟成させたフルボディタイプ。樽といっても古樽なので、樽のニュアンスはほとんどなく、やわらかみと複雑味を与えてくれています。凝縮感があり、タンニンのキメがみっちり詰まり、非常にしなやかなボディで、ビロードのような舌触りです。なめらかな果実味とあいまって、すーっと入り、じわ~んと広がります。酸の存在もしっかりあり、食欲を湧き立たせます。レンベルガーでここまでのレベルの高いワインは、なかなか出合えないかもしれません。

ボイラーも、ファルツのペトリ同様、以前はブドウを農協などに売る栽培農家でした。1997年に現当主が修行から戻り、オーガニック栽培を始め、2007年からはビオディナミも始めました。2010年にはECOVINの認証を取得、2012年2月からはDemeterのメンバーとなっています。

ヴュルテンベルクは、ドイツの13のワイン産地の中で他の2倍近くのワインを飲む土地柄で、ワインは地元で消費されてしまうことがほとんどだからです。メルセデスやアウディ、ポルシェといった自動車メーカーの本拠地である州都シュトゥットガルトは文化レベルが高く、食への関心も旺盛。おいしい食事をいただくと、たっぷりのワインがほしくなりますからね(笑)
地元で多く消費されているのは、軽いタイプのトロリンガー種の赤ワインで、ワイン居酒屋などで、この地方独特の取っ手のついたグラスでゴクゴクと飲まれています。これはぜひ地元で体験してみたいですね。

※参考価格3,580円(税抜) (輸入元:ワインキュレーション株式会社(京橋ワイン))
http://item.rakuten.co.jp/kbwine/eva1211/#eva1211



合わせたパンはこちらの3種


手前)ベルリーナラントブロート  左)キャロッテンブロート  右)ロージネンブロート
(ベッカライ シュタインメッツ)


料理は シャルキュトリの盛り合わせ (メッツゲライ・ササキ)

※パンと料理の詳細は 【前編】をご覧ください

ペトリのドルンフェルダーは厚みがありながら、ジューシーでまろやかなので、パン単独ではふっくらとして甘さのあるロージネンブロートがよく合いました。キャロッテンのニンジンの甘みもよく、鶏とジロール茸のテリーヌと合わせて。

マルクグラフ・フォン・バーデンのシュペートブルグンダーには、キャロッテンブロート、ロージネンブロートがよく合いました。
ベルリーナラントブロートにしっとりとした鴨のリエットを載せると、シュペートブルグンダーとの相性がよくなりました。リエットのしっとり感が、デリケートな味わいのシュペートブルグンダーに良かったようです。香ばしくスモーキーな田園ベーコンをベルリナーブロートで挟むのもいいですね。ハム類との相性もいいです。

ボイラーのレンベルガーは、ワインとしての完成度が高く、これだけでもいただけますが、パンを合わせるなら、ロージネンブロートに塩気のあるものを添えると、よりマッチします。ウオッシュチーズなども良さそうです。
一般的に、フルーティーなレンベルガーには、ハムやチーズ(軽いタイプ)をよく合わせるようで、また、BBQのお供にもピッタリだとか。ボイラーのこのワインのようにコクのあるタイプは、パテ、鶏肉や仔羊のグリル、熟成チーズが合うようです。
フルボディなのに、ワインに尖った所がありませんので、脂気のあるパテ・ド・カンパーニュをシンプルなベルリナーブロートに添えて、というのも良く、これもかなりワインが進みます(笑)




今回の赤ワインは、ドイツを代表する品種、産地からチョイスしました。
どれもレベルが高いワインなので、今までのドイツの赤ワインのイメージが大きく変わった参加者の方も多かったようです。
アンケートを見ると、好みのワインはそれぞれ分かれ、また、単独で飲む場合に一番好きなワインと、パンやシャルキュトリと合わせた時の好みのワインが異なっていたりと、なかなか興味深いコメントが寄せられました。
ということは、フードのありなし、合わせるフードによって、ワインのさまざまな顔を楽しめる、ということですね。



今回の3アイテムは、お安くはないですが、品質から考えるとむしろお買い得なワインです。
2500~3000円台というのはライバルが多い価格帯ですが、だからこそ、ここぞという時に、こういうドイツの赤ワインを用意すると、皆に驚かれ、喜ばれるように思います。
ドイツの赤ワインへの興味が湧いてきた方は、この機会にぜひチャレンジしてみてはいかが?



シュタインメッツの佐々木店長より「シュトレン」を特別に差し入れいただきました!


これは嬉しいサプライズ! 早速、私はこの後に訪問するお宅への手土産にしました

最後に、ご協力いただきました輸入元各社様、会場のメッツゲライ・ササキ様、パンを焼いてくださったシュタインメッツの佐々木店長様に、心よりお礼申し上げます。


※書き切れなかったことは【補足編】


【参考】
第1回ドイツパンでワインが飲みたい → リポート

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第2回ドイツパンでワインが飲みたい【前編】

2014-12-01 12:21:32 | パン
ドイツ食品普及協会の代表の森本智子さんと一緒に ドイツパンでワインが飲みたい というセミナーを不定期に開催しています。

その第2回 「深まる秋にメッツゲライのデリと楽しむドイツパン&ドイツの赤ワイン」を、11月30日に、田園調布のメッツゲライ・ササキさんにて行いました。
※セミナーの告知記事は コチラ

このセミナーの主役は、もちろんまずはドイツパン
もうひとつはドイツワイン です。
盛りだくさんになりますので、前編ではパンを、後編ではワインを紹介します。


今回のドイツパンは、メッツゲライ・ササキさんのお隣の ベッカライ シュタインメッツさんにお願いしました。
中には、この会のために焼いてくださったものもあります。


手前)ロージネンブロート(レンガタイプ)

ロージネンはレーズンの意味です。
ライ麦比率が80%で、レーズン、ヒマワリの種が混ぜ込まれています。

ライ麦比率が高いですが、レーズンが甘いのと、思ったよりもソフトな食感ということもあり、非常に食べやすかったです。


左)ベルリーナラントブロート  右)キャロッテンブロート

ベルリーナラントブロート は、ベルリンの田舎パン、という意味。
ライ麦比率70%の、シンプルな食事パンです。
これはそのまま食べるよりも、何かを塗る、乗せる、という食べ方が良さそうです。
基本はバターですが、今回はメッツゲライの料理を合わせます。

キャロッテンブロート は、ニンジン(キャロット)入りのパンで、カボチャの種、ヒマワリの種、キャラウェイシードが混ぜ込まれています。
ライ麦比率は70%。ニンジンの甘みがやさしく、食感もソフトで、シード類が混ぜ込まれているので、香ばしさもありました。


手前がキャロッテン、その後ろがベルリーナ、奥の黒っぽいのがロージネン



さて、これらのパンのお供は、メッツゲライ・ササキ さんのデリです。


この日は、スープ、サラダ、メイン、デザートを用意していただきました。


メインは シャルキュトリ類(肉の加工品)の盛り合わせ

(時計の12時のところから時計回りに)
田園ベーコン (アマニ豚を低温加熱して加工したベーコン)
鴨のリエット
鶏とジロール茸のテリーヌ ピスタチオ入り
パテ・ド・カンパーニュ
ボンレスハム
バイエルンケーゼ (レバーケーゼ)

かなりボリュームのあるお皿ですが、これをそれぞれのパンとマッチングしていただきました。

ベルリーナラントブロート+しっとりとした鴨のリエットが、私のもっともお気に入りの組み合わせでした。
甘さのあるロージネンブロートには、塩気のやや強いものが合いますし、そのままたべても美味しいキャロッテンブロートには、スモークが香ばしい田園ベーコンのマッチングが新鮮でした。



ここにドイツの赤ワイン が加わるわけですが、それは 【後編】


メッツゲライ・ササキさんの看板

Metzgerei SASAKI (メッツゲライ・ササキ)
   東京都大田区田園調布3-1-3 Tel.03-5755-5971

ベッカライシュタインメッツ 田園調布
   東京都大田区田園調布3-1-3 Tel.03-3722-5566

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