ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

スパークリングワイン@ポルトガル&USA

2012-05-16 19:17:05 | ワイン&酒
先週より、友人のところで飲んだ白ワインを5回にわたって紹介してきましたが、今回でラストです。
紹介したギリシャ、ルーマニア、トルコ、イスラエル、インドの他、“グルジア”の白ワインがあったのですが、残念ながら画像を撮り忘れました。

そこで、白ワインではありませんが、スパークリングワインが2アイテム(色はどちらも白)ありましたので、紹介します。


Borlido Bruto NV Companhia das Quintas (ポルトガル、ブセラス)

ブセラスはポルトガルの首都リスボンの北に位置する産地です。
ボルリードはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵(瓶内熟成9カ月)によるポルトガルのEspumante(エスプマンテ、発泡ワイン)で、マルヴァージア・レイ34%、ラボ・デ・オヴェーリャ33%、セルシアル33%でつくられています。

ピュアできれいな果実味のスパークリングで、ブリュット(辛口)ですが、フルーティーで少々甘めに感じました。個性的な地ブドウを使っているのが面白いですし、エチケットもエキゾチックでステキです。(輸入元:モトックス)



Grove Street Private Cuvee Brut(米国、カリフォルニア、ソノマ・カウンティ)

フレンチ・コロンバール主体でつくられたスパークリングで、このキュヴェは日本向けの特別なものだとか?
果実味がデリケートで、やさしい口当たりです。クセがなく、スッキリ爽やかに楽しめます。アペリティフにはもちろん、軽くあれこれつまみながら飲むにもピッタリ。(輸入元:ワイン イン スタイル)



どちらも優秀なスパークリングでした。
Tさん、個性的で面白いワインをたくさん用意していただき、ありがとうございました。


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インド初のシュナン・ブラン@インドの白ワイン

2012-05-15 11:38:06 | ワイン&酒
友人のところで飲んだ白ワイン第5弾は、インド のシュナン・ブランです。


SULA VINEYARDS Chenin Blanc 2011 (インド、ナシク)

寒天を思わせるような風味のする、穏やかでやさしいタッチの、セミドライタイプワインです。アルコール度数は12.5%。この軽さ、デリケートさが好ましく思いました。 (輸入元:出水商事)

エチケットが印象的な スラ・ヴィンヤーズ は、最近すっかりお馴染みになったのでは?
とはいえ、知らない人には、これがまさかインドワインと思わないでしょうか?(笑)

ワイナリーの名前“SULA”(スラ、スーラ))は、創設者の母“Sulabha”(スラブハ)さんが由来です。また、サンスクリット語の“Surya”(スーリャ)(太陽、太陽神の意味)と音が似ていることから、太陽がロゴとなりました。



SULA VINEYARDS は、インドのムンバイ(ボンベイ)から180km北東に位置するNashik(ナシク)に1999年に設立されたワイナリーです。
ナシクは北緯20度にあります。北半球のブドウ栽培地域(約30-50度)にしてはかなり南にあり、気温も年間を通して高いのですが、標高が高く、涼しいところもあります。また、降雨は充分かつ水はけがよく、ブドウの生育に適している土地のようです。

創設者&オーナーは、ムンバイ出身のRajeev Samant(ラジーヴ・サマント)氏。
サマント氏はカリフォルニアのスタンフォード大学を卒業後、シリコンヴァレーのオラクル社の財務マネージャーとして働いていましたが、1993年にインドに戻りました。

ナシクにはサマント氏の家族がブドウ畑を所有していました。ナシクはインドで最もブドウ栽培が盛んな土地でしたが、インドではブドウはワインにするよりも生で食べることが多かった のです。

しかし、サマント氏はワイン醸造の可能性を調査し、ナシクでならうまくいく!と、カリフォルニアにワインメーカーを探しに戻り、ソノマの醸造家Kerry Damskey(ケリー・ダムスキー)氏と出会いました。

1997年、彼らはナシクの畑にソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブランを植え(インドで初めてソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブランが植えられたのがこの時)、1999年にナシク初となるワイナリーSULA VINEYARDSを立ち上げ、2000年に初リリースしました(5万本)。

シュナン・ブラン はフランスのロワール地方を母国とし、南アフリカ共和国や米国カリフォルニアでも広く栽培されています。
SULAが最初に植えるブドウのひとつにシュナン・ブランを選んだ理由は何だったのでしょうか?

現在、SULAでは、ソーヴィニヨン、シュナンに加え、白はヴィオニエやリースリング、赤はシラーズ、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなど、ロゼワイン、スパークリングワイン、デザートワインなど幅広く生産し、世界各国に輸出しています。
SULAのワインは高品質であると、パリの三ツ星ワインにもオンリストされたり、非常に高い評価を得ています。しかもお値段は非常にお手頃なものだから、人気が出るのは当然。SULAはインドを代表するワイナリーになりました。



SULAの成功の秘訣は、サマント氏がカリフォルニアのスタイル(技術、経営など)を導入したことにあるでしょう。
ケリー氏の指揮の下、良いブドウが育てられ、高品質ワインがつくられるようになりました。

私の持っている13年前(1999年)のインドに関する資料を見ると、当事のインドワイン醸造業は非常に小規模であると記述され、まだSULAの名前は出てきていません。
しかし、現在はSULAに影響され、ナシクにはワイナリーが次々と誕生し、他の地にも広がり、インドのワイン生産量、ワイン消費量は、順調な伸びを見せています。
ワイン消費量については、2011年は78万ケースでした(アジア10位)。2015年には114万ケース(アジア9位)になると予測されています。

かつては、宗教的な理由から、インドでは飲酒に対しては消極的で、ワインは一部の富裕層のみが高級ホテルなどで飲むものでした。また、飲酒を禁止する州などもあり、法律的な点からも、一般消費者は今までほとんどワインを飲む機会がなかったわけです。

しかし、都市部の急速な発展に伴うライフスタイルの変化により、ここ2年ほどのうちに、インドでもワインを楽しむ文化が始まってきました。ワインを買える店(スーパーマーケットでもワイン販売)、飲める店が登場してきました。
例えば、ムンバイ初となる“ワインバー”は、実はSULAがこの2012年4月にオープンさせました。
(タパスを提供するスペイン風の店、VINOTECA)

今ちょうど、インドのワインマーケットが大きく変化している時期といえると思います。
人口一人当たりのワイン消費量はまだ少ないですが、インドは人口自体が多いですから、海外のワイン生産国にとってインドは非常に魅力的なマーケットであることは間違いありません。

私たち消費者にとっては、高品質でコスパにすぐれたSULAのようなワインを生産するインドは、今後のワイン選びの際に外せない国になってくるでしょう。


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ユーハイムのバウムクーヘン8種食べ比べ【後編】

2012-05-14 11:37:18 | 甘いもん
【前編】(A ケーニヒスバウムクーヘン、B カール・ユーハイム、C ユーハイムス・バウムクーヘン、D ユーハイム・ディー・マイスター)に引き続き、「ユーハイム」のバウムクーヘン を紹介します。



E 神戸元町バウムクーヘン KOBE MOTOMACHI BAUMKUCHEN

本店限定。しっとり素朴な味わい

玉子の風味がしっかり感じられ、しっとりとしたやわらかさがありました。
松本マイスターによると、C ユーハイムス・バウムクーヘンに近いしっとり感があるとのこと。職人が1本ずつ手焼きしています。
神戸本店には「神戸元町本店オリジナル マイスターの手焼きバウム」というバウムもあり、これなら以前食べたことがありますが(ネットでも購入可能)、原材料を見ると、それとはまた違うバウムかもしれません。


F ユーハイム  JUCHHEIM

最もオーソドックスな定番の味わい

ザ・バウム!という、なじみのある味わいで、ナチュラル感がありました。
1909年の創業当時からのレシピでつくられているベーシックなバウムです。
食べ比べをする際には、まずはこれを押さえておくことをオススメします。


G マイスター・ユーハイム  Meister JUCHHEIM

レモンピールとレモン果汁の爽やかな味わい

カットした状態は、B カール・ユーハイムとよく似ていて、弾力のある食感も似ています。
が、マイスターの方はレモンの風味が特徴的なので、食べるとすぐにわかります。レモン果皮とレモン果汁が入っているので、とても爽やか!松本マイスターは「夏にオススメ」と言っていました。


H マイスターバウム  Meisterbaum

完全無添加。ユーハイムで一番のやわらかさ

生地はしっとりホロリと崩れます。洋酒の風味、香ばしい甘さ、複雑味があります。
このバウムは外見から違います。他の7つのバウムはホワイトチョコでコーティングしていますが、このバウムだけはアラック酒を加えた砂糖のアイシングを表面にかけています
「チョコレートの味が加わらないので、バウム本来の味を楽しめます」と、松本マイスター。

また、他のバウムは卵白と卵黄を分けて泡立てますが、これは共立てなので、よりしっとりとした生地になるのだとか。添加物を含まない原材料にもこだわり、レシチンなども加えていません。



気になるバウムクーヘンはありましたか?

私のバウムの好みは、生地がみっちり詰まったタイプですが、今回の食べ比べでは、A ケーニヒスバウムクーヘン、E 神戸元町バウムクーヘン、H マイスターバウムがイイナと思いました。
また、これからの季節はレモン風味の G マイスター・ユーハイムを冷蔵庫でキュッと冷やすのもいいですね!

兎にも角にも、バウム好きには贅沢で嬉しい食べ比べでした


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ユーハイムのバウムクーヘン8種食べ比べ【中編】

2012-05-13 12:19:16 | 甘いもん
さて、【前編】のバウムクーヘン当ての答え、わかりましたか?


ユーハイムの8種類のバウムクーヘン -見た目でわかるものもありますが・・・



上段(左から):ABC、中段:DE、下段:FGH とすると、下記のようになっていました

A ケーニヒスバウムクーヘン、B カール・ユーハイム、C ユーハイムス・バウムクーヘン
D ユーハイム・ディー・マイスター、E 神戸元町本店限定バウム
F ユーハイム、G マイスター・ユーハイム、H マイスターバウム

答え合わせは、ユーハイムの松本徹マイスターがマンツーマンで解説してくれました
(8種ありますので2回に分けて紹介します)



A ケーニヒスバウムクーヘン KONIGS BAUMKUCHEN

発酵バター、メープルシュガーのコクと風味。アラック酒の香り

このバウムは外見が特徴的なので、カットした状態のものを見るとすぐわかります。
メープルシュガーの風味が香ばしくていいですね。
「受注生産で手焼きで作ります。満足感があると思います」と松本マイスター。

※ケーニヒスバウムは以前 丸ごといただきました(笑) → コチラ

B カール・ユーハイム KARL JUCHHEIM

発酵バターのコク。ビート糖と岩塩を使用

しっとりとしてやさしい味わいでした。やわらかな弾力があります。
発酵バターの香りとコク、岩塩の風味を生かしているとのこと。
カール・ユーハイムはバウムクーヘンに特化したブランドで、クリスマスやバレンタインの際などにはいつもそのシーズンならではのバウムリンデ(スクエア型バウム)などを発表しています。

※ブランド名は ユーハイムの創始者“カール・ユーハイム” に由来 → コチラ

C ユーハイムス・バウムクーヘン Juchheim's Baum Kuchen

やさしい弾力

このブランドは初体験。オーソドックスで、バウムらしいバウムだと感じました。
「これに使う小麦粉は特別なものを選んでいるので、スポンジのようにしっとり、ふんわりした口当たりになる」と、松本マイスター。


D ユーハイム・ディー・マイスター JUCHHEIM DIE MEISTETR

アーモンドをふんだんに使用

このバウムもバウムらしいオーソドックスさを感じました。
マジパンだけでなくアーモンドパウダーも使用し、よりドイツに近い風味に仕上げています。
ユーハイム・ディー・マイスターは、ドイツのデザイナー集団とコラボしたケーキを季節ごとに発表しています。

※5月下旬までのコラボケーキは "白バラ姫と紅バラ姫” 



E 神戸元町本店限定バウム、F ユーハイム、G マイスター・ユーハイム、H マイスターバウムは
【後編】

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ユーハイムのバウムクーヘン8種食べ比べ【前編】

2012-05-12 16:22:49 | 甘いもん
今週もなにかと忙しく、今朝は疲労感たっぷりの重たいカラダをなんとか起こしました(笑)
そんなわけで、この週末は パワー充電できるスウィーツ を紹介したいと思います



ドイツ菓子「ユーハイム」のバウムクーヘンの食べ比べ をする機会がありました。
ユーハイムにはいくつもブランドがあり、それぞれがバウムクーヘンを作っていますが、
実は ブランドごとに生地が異なります


8種類を食べ比べました

ユーハイム、カール・ユーハイム、ユーハイム・ディー・マイスター、マイスターバウム、ケーニヒスバウムクーヘン、ユーハイムス・バウムクーヘン、マイスター・ユーハイム、神戸元町本店限定バウム (順不同)

見ただけでブランドがわかる人がいたら素晴らしいですが、いかがですか?
私もユーハイムのバウムは色々食べてきましたが、これはなかなか難しかったです。

答えは 明日


お皿を右に約90度回転させた状態 -上の写真の左上のものが右上に来ています

バウムクーヘンの基本

☆ 小麦粉:バター:砂糖:卵=1:1:1:2であること

☆ バター以外の油脂を使用しないこと

☆ ベーキングパウダー(膨張剤)は使用しないこと

☆ アーモンド(または他のナッツ類)が生地に含まれること


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オーガニックシャドルネ@イスラエルの白ワイン

2012-05-11 12:17:42 | ワイン&酒
友人のところで飲んだ白ワイン第4弾は、ワイン愛好家ならよくご存知、
イスラエル “YARDEN”(ヤルデン) のシャルドネです。


YARDEN Chardonnay Organic Odem Vineyard 2010 
Golan Heights Winery (イスラエル、ゴラン高原)

シャルドネだけなら珍しくありませんが、このワインはオーガニック栽培のオデム・ヴィンヤードのブドウを使っています。

オデム・ヴィンヤードは標高1200m、この地域で最も標高の高い冷涼な場所に位置しています。土壌は非常に水はけのよい火山性、年間降雨量は1000mm(仏ボルドーは850mm前後)。

シャルドネは1989年に最初に植えられ、オーガニックに転換したのは1998年でした。
オーガニックシャルドネは、フレンチオークの樽で発酵、熟成されます(7ヶ月前後)。
(通常のシャルドネはフレンチオークの新樽を50%使用、約5カ月熟成)

ほどよいふくよかさがあり、少々樽の風味はありますが、果実味がとてもクリーンで、ピュアな飲み心地でした。まだ若々しさがあり、ストレートな印象を受けましたので、もう少し寝かせると本領発揮してくれるのではないでしょうか。 (輸入元:ミレジム)



イスラエルの伝統ワイン生産地域は地中海沿岸部でしたが、1983年近代的ワイナリー
「ゴラン高原醸造所」 (Golan Heights Winery)が、シリア国境のゴラン高原に設立されました。標高1200mのゴラン高原はイスラエルで最も冷涼な地域で、冬には雪が降ります!

冷涼なゴラン高原は、ブドウ栽培に最適でした。
今回紹介したオデム・ヴィンヤードでは、シャルドネの他、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ、ピノ・ノワール、ガメイ・ノワール、メルロなどが栽培されていますが、800mの別の畑ではソーヴィニヨン・ブラン、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなどが、畑の標高や土壌によってさまざまな品種が栽培されています。

YARDEN は、このワイナリーのフラグシップ銘柄で、選び抜かれた最上級のブドウを使用してつくられています。ラインナップを見てみると、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、マスカット、ヴィオニエ、ゲヴュルツ、セミヨン(甘口)、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール、シラー等々、また、シャルドネのスパークリングワイン(Blanc de Blancs)もあり、その幅広さに驚きます。

冷涼な高地の畑近代的設備に加え、カリフォルニアからワインメーカーを招くなどで高品質ワインを生み出しているゴラン高原醸造所のワインは、米国、欧州、アフリカ、豪州、極東(日本など)各地に輸出され、高い評価を得ています。

YARDENのシャルドネに関しては、日本でも前世紀末のワインブームの頃には出回っていました。
その頃は、珍しいイスラエル産のワインということで、ワイン会などで産地当てのブラインドによく登場したものですが、あれから十余年が経った現在は、すっかりお馴染みになったでしょうか。

ちなみに、“YARDEN” はヘブライ語で “ヨルダン川” の意味。
ヨルダン川はゴラン高原を横切るように流れています。
エチケットに描かれたモザイクタイルで装飾されたランプは、古代イスラエルを象徴するものとして使用されています。エキゾチックで素敵ですよね。


表のエチケットもバックラベルもヘブライ語表記 (まったく読めません)(笑)

ゴラン高原は、前述したように、シリア国境に位置しています。
5月10日にシリアの首都ダマスカス南部で大規模な爆弾テロがあり、多数の死傷者が出ていますが、ゴラン高原はダマスカスから南西に100kmと離れていない場所にあります。この周辺は紛争や緊張が続いていますが、ワインづくりに影響が及ばないことを願っています。


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エミルとナリンジェ@トルコの白ワイン

2012-05-10 10:49:27 | ワイン&酒
友人のところで飲んだ白ワイン第3弾は、ギリシャの東に位置し、ルーマニアと同様、黒海に面した
トルコ のワインです。


ANTIK 2007 Beyaz Sek Sarap  DOLUCA (トルコ)

トルコのイスタンブールに本拠地を置く大手ワイナリー “DOLUCA” (ドルジャ)が、ローカル品種の Emir (エミル) と Narince (ナリンジェ)、ボルドーの白ワインに使われる セミヨン をブレンドしてつくる白ワインで、225リットルのフレンチオーク樽で8カ月熟成させています。

樽熟成させているためボディにほどよい厚みがあり、瓶詰めしてすぐというよりは、ある程度(3-4年ほど)熟成後に飲むのが良さそうです。合わせる料理は、グリルした白身の肉、魚介のフライ、野菜料理、チーズなどがオススメ。 (輸入元:トゥーバトレーディング)

エミル は世界遺産にも指定されてるカッパドキアのローカル品種。標高が高く冬の寒さも厳しいカッパドキアの気候に耐え、力強くイキイキとした白ワインをつくるほか、スパークリングワインにも使われます。

ナリンジェ中央アナトリアのトカト周辺の乾燥した砂地土壌で栽培されているローカル品種です。エミルやセミヨンなどとブレンドされることが多く、また、樽でいい熟成をするため、ほどよいボディで香りも魅力的なワインになります。

※Beyaz は白、Sek は辛口、Sarap はワイン、なので、Beyaz Sek Sarap は 辛口白ワイン



ワインの神ディオニソス(バッカス)が誕生したのはルーマニアだった、という伝説を紹介しましたが、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、ディオニソスは西トルコのエーゲ海沿岸地方で誕生した、と記述しています。
ディオニソス誕生の地については諸説あるようですが、要は黒海からバルカン半島周辺のどこかになり、これはワインづくり発祥の地域(オリエント)と重なります。当然といえば当然でしょうか。

ということで、トルコ非常に古いワインづくりの歴史を持つ国です。

トルコのブドウ&ワイン産業の数字を見ると、ブドウは同国のフルーツ生産量の31%を占めますが、ブドウ生産量のわずか2、3%しかワインをつくっていない、ということに驚きました。
40%が生食、35%が干しブドウ、23%がジャムやペーストなどの加工品になります。
干しブドウに関してはトルコは世界有数の生産国で、たしかにトルコ産は日本でもよく見ます。
(干しブドウにすることが多いため、トルコは“種なしブドウ”の生産が世界1位になっています)



さて、20世紀前半に創立したワイナリー「ドルジャ」は現在3世代目になります。創業者はドイツのガイゼンハイム大学を、2代目は米カリフォルニアのUCデイビス校を修了しました。そうしたこともあり、ドルジャでは世界のさまざまな品種の栽培を手がけてきました。

今では他のワイナリーも多彩な国際品種のワインを生産していますが、トルコではエミルやナリンジェのような土着品種のブドウが多く存在します。トルコで栽培されているブドウ品種は1100種に及び、うち34種がワイン用に使われ、うち 22種が土着品種 とか。
例えば、白ブドウだけでも、Cavus、Parmak Uzumu、Ketengomlek、Morhevenk、Beyazhevenk,、Razaki などがあります。いったいどんなブドウ?と、非常に好奇心を掻き立てられませんか?

国際基準のカベルネやシャルドネもいいですが、その土地ならではのローカル品種からつくられたワインこそ、その地の歴史や文化を表現するものだと思います。
いい出会いがあれば、積極的に飲んでみたいですね。

前述した世界遺産のカッパドキアには現地ワイナリーを巡るツアーなどもあるようですから、観光旅行などでトルコに行く機会があれば、参加してみるのも面白いと思います。
カッパドキアでは家族経営の小規模ワイナリーが多いので、ひっそりつくられ、外に出ていないような幻のワインに出会えるかもしれません。


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フェテアスカ・レガラ@ルーマニアの白ワイン

2012-05-09 10:05:21 | ワイン&酒
友人のところで飲んだワイン第二弾は、ルーマニアの白ワインです。


Feteasca Regala Special Reserve 2010 Cramele Halewood (ルーマニア)

フェテアスカ・レガラ は、Grasa(グラサ)とFeteasca Alba(フェテアスカ・アルバ)を交配させた、ルーマニア独自の白品種。
1930年代に誕生した新しい品種ですが、現在ではルーマニアで最も多く栽培されています。

このワインは花のエチケットがかわいらしいですが、味わいもこの花のイメージ通り。果実味がピュアで、しっかりとした酸味が加わり、イキイキとした味わいが心地よい白ワインでした。
フェテアスカ・レガラはマスカットや桃のような芳香が特徴といわれていますが、これはアロマに関しては比較的控えめに感じました。そのおかげで、シーフードをはじめ、日本の食卓によく合うように思います。アルコール度数は12.5%。(輸入元:ユーロアジア交易株式会社)



ワインの神ディオニソスは現在のルーマニアのドブロジェア地方(黒海沿岸地域)で生まれた という伝説があります。
ディオニソスはギリシャのクレタ島に行く途中で、今までに見たことがないほど美しくてか弱い植物(ブドウの木のこと)を見つけ、それを鳥の骨やライオンの骨、ロバの頭蓋骨に隠しながら大事に携え、クレタ島のNaxosの地に植えて育て、人々にワインづくりを教えた、といわれています。

ルーマニア は、2000年もの古い歴史のあるワインづくりが行なわれてきた国です。
紀元前1世紀にローマ帝国の侵攻を受けてブドウ栽培が禁止されたりしたこともありましたが、ルーマニア内の各地域で連綿とワインづくりが行なわれてきました。
中世の時代に人気のあったのはコトナリ地域(ルーマニア北東部)でつくられる白ワインで、ヨーロッパ諸国の国王や皇帝たちが好んで飲んだようです(コトナリの白ワインは現在も有名です)。

しかし、第二次大戦後に社会主義国家となったことで、ルーマニアワインは国際市場から姿を消します。
1989年の社会主義崩壊でようやく、ルーマニアワインは再び国際市場に登場してきますが、他の欧州諸国に認知度の点で大きく遅れを取りました。

しかし、現在ルーマニアは、東欧では最もワイン生産量が多い国となっているらしく、ワイン消費量においても世界トップ10の10位 にランクインしています(2011年度)

とはいえ、今回のフェテアスカ・レガラをはじめ、フェテアスカ・ネアグラ、バベアスカ・ネアグラ、ブルグンド・マレ(赤ワイン品種)など、耳慣れない品種があり、産地の情報なども非常に少ないことから、日本におけるルーマニアワインの認知度はまだまだ低い状況です。


Vinexpo Hong Kong 2010 でのルーマニアブース

白ではシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、赤ではピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなどの国際品種のワインも多くつくられており、その品質も非常に高いのですが、消費者がルーマニアワインに求めるニーズとどう合致させていくかがポイントのように思います。
(私見では、独自品種が面白くてよいと思いますが)


ローカル品種から国際品種まで多彩(Vinexpo Hong Kong 2010)

ちなみに、「フェアテスカ・レガラ」は「少女のブドウ」、「フェアテスカ・アルバ」は「祖母のブドウ」という意味だとか。レガラの方が多く生産されている理由はネーミングにもある?(笑)


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サヴァティアノ@ギリシャの白ワイン

2012-05-08 15:33:38 | ワイン&酒
先日、友人宅で集まった際に、ギリシャの古代品種“サヴァティアノ”の白ワインを飲みました。


Savatiano  Domaine Papagianakos (ギリシャ、アッティカ)

エチケットを見て、フランス?イタリア?かと思ったのですが、意外にもギリシャ。
首都アテネ北部のアッティカにあるドメーヌ・パパヤナコスのシングルエステートワインで、ヴィンテージ表記はありません。

アッティカ中央ギリシャに位置するワイン産地です。
中央ギリシャ地方はワイン生産量ではギリシャのトップで、およそ1/3を占めています。また、この地域はワインづくりの伝統が非常に古くからあります(神話での記述、古代遺跡の発見など)

サヴァティアノアッティカで最も古いブドウ品種のひとつ で、ギリシャ神話によると、ワイン神のディオニソスがアテネ市民にブドウ栽培を教えたのが、このサヴァティアノ種ではないか、といわれています。
また、サヴァティアノは中央ギリシャで最も多く栽培されている品種で、松脂を加えた独特の風味のワイン “レッツィーナ” もサヴァティアノ種からつくられています。

なお、アッティカでは、サヴァティアノの他、Malagousia(マルグシア)、Rhoditis(ロディティス)などの白ブドウが栽培されており、白の比率は80%になります。
赤ワイン用のブドウは、古代からの品種のAgiorgitiko(アギオルギティコ)や、国際品種のメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどが栽培されています。

サヴァティアノは 酸とアルコールのバランスの取れた上級辛口ワイン になりますが、ロディティスとブレンドした上質ワインも生産されています。



さて、このワインを飲んでみると、酸がしっかりしており、ボディは軽めでスッキリ。アルコール度数も12%とライト。
白身の刺身や寿司、シーフード料理によく合うと思います。レモンを絞って食べるような料理にも、このワインがレモン代わりになってオススメです。
サービス温度は12℃が適温ということですが、これからの気温の高い季節には、キリリと冷やすとより爽やかに飲めますね。

紀元前2000年頃からという、古いワインづくりの歴史のあるギリシャでは、独特のブドウ品種のワインが他にもありますので、気になるものに出合ったら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか


(輸入元:有限会社ノスティミア)


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かしわ餅 3個め

2012-05-07 18:39:44 | 甘いもん
今日のランチデザートは かしわ餅


かしわ餅  粒あん 
 
皮のむっちり具合はいまひとつでしたが、粒あんは食べ応えがありますね。
が、「前回のよもぎ皮 の方がおいしい」と母。
私も“よもぎ”に1票

これで今年のかしわ餅は食べ収めになりそうです(笑)


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ワイン愛好家・消費者向けオーストラリアワイン試飲会

2012-05-07 11:45:28 | ワイン&酒
一般消費者が参加できるワイン試飲会情報が届きましたので、お知らせします。

 

ワインオーストラリア日本事務所では、ワイン愛好家ならびに一般消費者向け
オーストラリアワインの試飲会 「A+ Australian Wine Taste Discovery 2012」 を東京で開催します。

この試飲会では、オーストラリアワインとビュッフェスタイルの料理が楽しめます。

また、東日本大震災の被災者支援のため、昨年5月に実施したチャリティ ワイン イベントの意志を継続してサイレント・ オークション*が実施されます。
この売上全額は、豪日交流基金(AJF)を通じて、被災地へ寄付される予定です。

*サイレント・オークションとは、入札形式のみのオークションです。
競りは行なわず、入札された方の中で、最高額をつけた方が落札者となります。

オーストラリアワインと料理が楽しめ、しかもチャリティにもつながるイベントです。
ぜひ奮ってご参加ください。
※ワインの試飲がありますので、参加は20歳以上の方に限ります。



A+ Australian Wine Taste Discovery 2012
~ ワイン愛好家・消費者向けオーストラリアワインの試飲会 ~

日時:2012年6月18日(月) 19:00~21:30 (18:00受付開始、18:45入場開始)

会場:ウェスティンホテル東京 B2F「ギャラクシールーム A」
    東京都目黒区三田1-4-1

定員:230名(定員に達し次第、締切)

参加費:5,500円(要事前振込)

参加申し込み及び締切:イベント専用サイトより申し込み  6月8日(金)まで

申し込みページURL:http://tinyurl.com/tastediscovery2012

※この試飲会は、『地域性を反映したオーストラリアワインの奥深さ』、『明確なフィロソフィーを持ってワイン生産に臨んでいる造り手たち』、『彼らの持つユニークなパーソナリティ』など、オーストラリアワインの産地特性や生産者の個性、ストーリーを持つワインカテゴリー「A+ Australian Wine」を消費者に知っていただき、オーストラリアワインの魅力を発見してもらうのを目的としています。

問い合わせ:ワインオーストラリア日本事務所
        TEL 03-5545-9905    Email:japan@wineaustralia.com

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GWも過ぎ・・・

2012-05-07 11:15:22 | 雑記
今年は天候が安定せず、地域によっては竜巻や大雨などの被害が出たところもあり、穏やかでないGWを過ごされた方もいらっしゃるかと思います。
高速道路での事故、山での遭難など、災難に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

私はGW後半は体調を崩し、しばらく休肝日が続いていましたが、今日からまた再始動します。



本日はこの後、一般消費者が参加できるワイン試飲会情報のお知らせをアップをします。
どうぞお楽しみに


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手作り絶品カレー!

2012-05-06 12:59:00 | おいしい食べもん
先日集まった友人宅で、シメに出してくれたカレーが絶品で感動モノ でした


友人Tさんの手作り絶品カレー

前日から仕込んだという手間のかかったカレーです。
一晩置いたカレーは味が落ち着いてよりおいしくなる、というのは知られていますが、これは本当においしかった!すでに色々食べて満腹だったのに、まるで別腹のデザートのようでした

その他にもおいしい料理がありましたので紹介します


水餃子

これもTさん手作り。まるでかしわ餅のようにドーンと大きく、皮はもっちもち~
醤油とラー油をかけて、つるんといただきました。


ホワイトアスパラ  (福島県会津産)

この季節ならではのホワイトアスパラ。皮をむき、茹でてマヨネーズをかけて。
ドイツでは、しっかりめに茹でるのが定番です。


ローストビーフ

こちらもTさん手作り。フライパンで見事に作ってくれました。


青海苔のゼッポリ               シーフードのアヒージョ

ゼッポリはイタリアのピッツゼリアなどでおつまみとして出てきますが、家でも作れるとは驚き!オリーブオイル煮のアヒージョも本格的で、ここはどこぞのレストラン?(笑)これもTさんお手製。


ビーフン                     クルミと小魚の飴がけ

この2皿はTさんのお母様の差し入れ。ビーフンの味付けがとてもよく、家で作るときの参考にしたいと思いました。Tさんのお母様、ありがとうございました。


北海道限定サッポロクラシック   


豚の軟骨のスモーク              ピッツア

軟骨はSさんの差し入れ。軟骨といえど硬い!でもおいしい!(笑)



Tさん、たくさんごちそうを作っていただき、ありがとうございました。
どれもおいしく、大満足でした。


「喜界島」 黒糖焼酎

ドリンクは他にも色々・・・


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超稀少!日本蜜蜂の「瀬戸の花はちみつ」

2012-05-05 16:07:10 | おいしい食べもん
先日、友人宅で開かれた集まりで、稀少な 日本蜜蜂のはちみつ をいただきました


瀬戸の花はちみつ   曽根花卉 (香川県三豊市仁尾町)
左)西洋蜜蜂のはちみつ  右)日本蜜蜂のはちみつ

瀬戸の野に咲く草花や、みかんなどの花木から得た蜜でつくられた、非加熱、無添加のはちみつ です。

西洋蜜蜂は年に数回、蜜が採取できますが、日本蜜蜂は年に1回しか採取できないとか。
よって、一般に流通しているはちみつのほとんどは西洋蜜蜂のものです。

日本蜜蜂は野生の蜜蜂のため、非常に養蜂が難しく、しかも蜜は年1回しか採取できないということですから、日本蜜蜂のはちみつが大変貴重だということがわかりますね。

日本蜜蜂のはちみつ は甘さに雑味がなく、ピュアでデリケート。口に含むと、すーっときれいに広がり、湧き水のような透明感を感じます。

西洋蜜蜂のはちみつ は風味がとても華やかでアロマティック。口の中でボリューム感のある甘さが広がります。

今回は、曽根さん実家(曽根花卉)の 「瀬戸の花はちみつ」 を持ってきてくれました
どちらも市販のものよりサラリとしています。バケットに塗っていただきましたが、おいしすぎて止まりません(笑)大変贅沢な食べ比べでした。曽根さん、ありがとうございました



混じりけのないピュアな 「瀬戸の花はちみつ」 は通販で購入できます

 曽根花卉 (そねかき)  http://www.sonekaki.com/?tid=5&mode=f4


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ハーゲンダッツ クレープグラッセ「ティラミス」

2012-05-05 14:33:40 | 甘いもん
ハーゲンダッツ クレープグラッセ の新フレーバーとして、4月23日に発売された
ティラミス をいただきました


ハーゲンダッツ クレープグラッセ  ティラミス

北海道産のマスカルポーネチーズを使用したアイスクリームの中に、ほろ苦いコーヒーソースココアの風味のスポンジが混ぜ込まれ、やわらかなクレープで包み込まれています。

コーヒーソースがいいアクセントになり、ティラミスらしさを出しています。
チーズ風味のアイスクリームは意外とサッパリ。
ティラミス好きには嬉しいアイスデザートです

特に気に入ったのは、もっちりとしたクレープ生地
全体をソフトに包み込み、アイスとの相性抜群です。 

スティックタイプなので、ハーゲンダッツが片手で食べられます。
意外にボリュームがあり、1つ食べると身も心も満足です(笑)

他のフレーバーとして、ストロベリーチーズケーキキャラメル&クッキークランチ があります。



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