ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

Bollinger R.D. 1990

2012-05-03 17:01:31 | ワイン&酒
贅沢ワイン第5弾は、シャンパーニュの ボランジェ
映画『007』で、ジェームス・ボンドが愛するシャンパンとして知られています。

そのボランジェの中で、最も長く熟成させるキュヴェ“R.D.” (エルディー)です。


Champagne Bollinger R.D. 1990 (仏、シャンパーニュ)

濃いめの琥珀色ですが、透明感もあります。バター、カスタード、ノワゼットを思わせる素晴らしいアロマが匂い立ちます。
泡はキメ細かく繊細で、スーッと上品に広がります。酸はしっかり残り、輪郭はぼやけていません。それでいて、ふっくら感もあります。ドサージュは最小限のExtra Brut(極辛口)ですが、やわらかな甘みを感じます。これは、長い熟成期間のおかげでしょう。


バックラベルにはRDのカルテが書かれています

ピノ・ノワール69%、シャルドネ31%、畑はグラン・クリュが67%、プルミエ・クリュが33%。
小樽で発酵させ(一次発酵)、ボトルに詰めシュル・リー状態で寝かせます(二次発酵)。
1990年のデゴルジュマン(オリ抜き)は “2002年3月5日”
RDは8年以上寝かせます が、これは11年。以前ボランジェを訪問した際に聞いた話では、長いもので20年になることもあるとか。


今回飲んだ1990年はデゴルジュマン(2002年3月5日)から丸10年

一般に、シャンパーニュはデゴルジュマンをしてから長く置かずに飲む方がいい、と言われますが、それはシャンパーニュの性質によるでしょう。
ノンヴィンテージの普及品であれば、デゴルジュからすぐに飲む方がフレッシュでイキイキとした味わいが楽しめると思いますが、RDのように長い熟成期間を過ごしてきた特別なシャンパーニュは、デゴルジュマンからまた新たな変化の一歩を踏み出すように思います。

ちなみに、RDとは、“Recemment Degorge”(レサマン・デゴルジュ、最近デゴルジュした)の頭文字。今回のRD1990は、全然最近じゃないですね(笑)
※RD(エルディー)は英語読みでは“アールディー”でOK



※ボランジェを訪問した際のリポートは → コチラ




コメント (2)
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