ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

オーガニックシャドルネ@イスラエルの白ワイン

2012-05-11 12:17:42 | ワイン&酒
友人のところで飲んだ白ワイン第4弾は、ワイン愛好家ならよくご存知、
イスラエル “YARDEN”(ヤルデン) のシャルドネです。


YARDEN Chardonnay Organic Odem Vineyard 2010 
Golan Heights Winery (イスラエル、ゴラン高原)

シャルドネだけなら珍しくありませんが、このワインはオーガニック栽培のオデム・ヴィンヤードのブドウを使っています。

オデム・ヴィンヤードは標高1200m、この地域で最も標高の高い冷涼な場所に位置しています。土壌は非常に水はけのよい火山性、年間降雨量は1000mm(仏ボルドーは850mm前後)。

シャルドネは1989年に最初に植えられ、オーガニックに転換したのは1998年でした。
オーガニックシャルドネは、フレンチオークの樽で発酵、熟成されます(7ヶ月前後)。
(通常のシャルドネはフレンチオークの新樽を50%使用、約5カ月熟成)

ほどよいふくよかさがあり、少々樽の風味はありますが、果実味がとてもクリーンで、ピュアな飲み心地でした。まだ若々しさがあり、ストレートな印象を受けましたので、もう少し寝かせると本領発揮してくれるのではないでしょうか。 (輸入元:ミレジム)



イスラエルの伝統ワイン生産地域は地中海沿岸部でしたが、1983年近代的ワイナリー
「ゴラン高原醸造所」 (Golan Heights Winery)が、シリア国境のゴラン高原に設立されました。標高1200mのゴラン高原はイスラエルで最も冷涼な地域で、冬には雪が降ります!

冷涼なゴラン高原は、ブドウ栽培に最適でした。
今回紹介したオデム・ヴィンヤードでは、シャルドネの他、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ、ピノ・ノワール、ガメイ・ノワール、メルロなどが栽培されていますが、800mの別の畑ではソーヴィニヨン・ブラン、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなどが、畑の標高や土壌によってさまざまな品種が栽培されています。

YARDEN は、このワイナリーのフラグシップ銘柄で、選び抜かれた最上級のブドウを使用してつくられています。ラインナップを見てみると、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、マスカット、ヴィオニエ、ゲヴュルツ、セミヨン(甘口)、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール、シラー等々、また、シャルドネのスパークリングワイン(Blanc de Blancs)もあり、その幅広さに驚きます。

冷涼な高地の畑近代的設備に加え、カリフォルニアからワインメーカーを招くなどで高品質ワインを生み出しているゴラン高原醸造所のワインは、米国、欧州、アフリカ、豪州、極東(日本など)各地に輸出され、高い評価を得ています。

YARDENのシャルドネに関しては、日本でも前世紀末のワインブームの頃には出回っていました。
その頃は、珍しいイスラエル産のワインということで、ワイン会などで産地当てのブラインドによく登場したものですが、あれから十余年が経った現在は、すっかりお馴染みになったでしょうか。

ちなみに、“YARDEN” はヘブライ語で “ヨルダン川” の意味。
ヨルダン川はゴラン高原を横切るように流れています。
エチケットに描かれたモザイクタイルで装飾されたランプは、古代イスラエルを象徴するものとして使用されています。エキゾチックで素敵ですよね。


表のエチケットもバックラベルもヘブライ語表記 (まったく読めません)(笑)

ゴラン高原は、前述したように、シリア国境に位置しています。
5月10日にシリアの首都ダマスカス南部で大規模な爆弾テロがあり、多数の死傷者が出ていますが、ゴラン高原はダマスカスから南西に100kmと離れていない場所にあります。この周辺は紛争や緊張が続いていますが、ワインづくりに影響が及ばないことを願っています。


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