とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

ビブリア古書堂の事件手帖3  ~栞子さんと消えない絆~

2013-02-06 23:08:27 | 読書
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
三上 延
アスキー・メディアワークス


昨年の8月末に図書館で予約をしていた本だが、5か月待たされて借りることができた。
最近は、テレビドラマ化もされ有名になったシリーズものであるが、
ドラマと原作では、主人公やその他の登場人物のイメージが全然違うようで、原作から入った者としては、ドラマ版は興味ない。
図書館から連絡が入るといそいそと借りてきて、あっという間に読み終わった。

第3巻では、こんな古書が紹介されている。
・『王様のみみはロバのみみ』(ポプラ社)
・ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)
・エドゥアルド・ニコラエヴィチ・ウスペンスキー 『チェブラーシュカとなかまたち』(新読者社)
・宮沢賢治『春と修羅』(關根書店)

このシリーズの魅力は、古書にまつわる薀蓄が、ちょっとしたミステリーに絡んで解き明かされる点にある。
ミステリーといっても、殺人事件が絡んでくるようなことはなく、その本の所有者や周囲の人間のトラブルを紐解くことがメインの展開である。
この巻では、古書の流通ルートや古書組合についての薀蓄や宮沢賢治の作品が高額で取引されているといった事が興味を引いた。

ストーリーとしては、1巻、2巻ではわずかしか触れられていなかった栞子の母親の事が、かなり触れられてきたのが目新しい。
ただ、今回も行方不明の母親がどんな人で、何故夫と子供を捨てて出て行ってしまったのかという謎は解き明かされていない。
結局栞子と母親との関係がどうだったのか、そして、これからどうなっていくかという点に興味が移ってきた。
また、栞子と五浦との仲は深まるかと思いきや一向に深まらず、そちらも気になるところだ。

今月末には、第4巻が刊行されるらしく、栞子の母親も登場するらしい。
今後は、「古書の話」で引っ張るのではなく、登場人物の人間関係を重視した内容になっていくのだろう。
ここまで来たら、母親の謎が解き明かされるまで読み続けるしかない。
それはそれで楽しいので、次巻も期待して待つことにしよう。

紹介された古書の中では、ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』の内容に興味をひかれた。
タイムトラベルのSF物らしいが、現在は絶版で入手不可能な作品だという。
だいたいの内容は本巻に書かれていたが、最後の結末がよく判らない。
図書館の蔵書の中にないか、探してみようかな。