とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2011編笠山・権現岳登山 1日目

2011-09-11 22:15:40 | 山登り
今週末の登山は、南アルプスの光岳を予定していたが、土砂崩れのため通行止めの情報が入り急遽行先変更をした。何処にするかいろいろ考えて、仙丈ケ岳か八ヶ岳方面のどちらかにしようか迷ったが、同行者のかっちゃんのリクエストで八ヶ岳の編笠山・権現岳に決めた。7~8年前に登っているコースだが、今回参加のよっぴーさんやうっちゃんも初めてのはずなので、違うメンバーで季節が違うのもいいかなと思い、編笠山・権現岳に行くことにした。

編笠山・権現岳は数ある八ヶ岳連峰の中でも、最南端にある山である。幾つかのコースがあるが、車で行くので、登山口に戻ることの出来る観音平からのコースで行くことにした。金曜日の夜出発して、小淵沢の道の駅に仮眠する。道の駅から観音平駐車場までは10数キロである。観音平駐車場のトイレが撤去されているという情報があったので、トイレの心配のない手前の道の駅にしたのであった。6時頃、道の駅を出発して観音平に向かった。朝早いというのに、進行方向前方に数台の車が走っていた。意外と車が多いのかなと思っていたが、駐車場に着くと多いどころではなく既に満車状態だった。50台ほどは停まれる程の駐車場に空きスペースはなかった。


やむなく戻り、道路の路肩に車を停める。あぶれた車はみんな路肩駐車だった。幸い駐車場からはそれほど遠くはないので不便は感じなかった。駐車場を見まわすと、簡易トイレが2台設置されておりトイレの心配をすることはなかったが、きれいなトイレがある道の駅で仮眠したことも悪くなかった。

6:30くらいに駐車場を出発する。これから登山の開始だ。しばらくは、緩やかなハイキングコースで明るい樹林帯の中を進む。朝の空気は爽やかで、歩きやすく気持ちいい道である。


45分ほどで、雲海展望台に到着する。名前のとおり見事な雲海が見える展望台だ。しかも、真正面には端正な円錐状の富士山がどっしり構えている。9月に入り、空気が澄んできたようでこの日は好天気が期待できた。


さらに1時間ほどで押手川の分岐に到着する。50年前までは川に水が流れていたそうだが、今は涸れており苔むした岩がゴロゴロしている広い場所だ。ここで、編笠山を巻いて青年小屋に行くコースと、直接編笠山に行くコースに分かれる。我々は、編笠山直登コースに進む。


編笠山直登コースに入ると、岩が多くなり歩きにくい。傾斜もきつく手足をフルに使って登っていく。分岐からは1時間ほどだが、息が切れていいかげん嫌になってきた頃、この看板を見つける。「山頂まで本当にホントにあとちょっと!頑張って!」と書いてあった。こんなふうに書いてあると元気が出るものだ。


ハイマツも終り、頭上には空しか見えなくなっていた。まったく抜けるような青空である。そして、この直ぐ先が頂上だ。


2524mの山頂は、岩だらけである。しかし広々としており360度の大展望が待っていた。


北方向には、左から阿弥陀岳、中岳、そして八ヶ岳連峰の最高峰赤岳、手前にはこれから目指す権現岳がくっきりと見える。まさに八ヶ岳南部の絶好の展望台である。


北西の方向に目を向けてみると、北アルプスの山並みが見える。雲がところどころ懸かっていたが槍ヶ岳の尖がりがしっかり見えた。


南西方向には、南アルプスが見えている。ところどころに雲が懸かり、はっきりしない時もあったが甲斐駒が岳や仙丈ケ岳、北岳などが時々確認できた。こんな景色を見ながら、こちらの男性のように何時までも山を眺めていたいものである。


南東方向には、朝から見えていた富士山が更によく見えた。


富士山の写真を撮ろうと待ち構えていると、雲がどんどん流れていき、いいシャッターチャンスを掴むのが難しい。


編笠山の展望を充分楽しんでから、青年小屋へ向けて下山する。青い屋根の建物が青年小屋だ。


下山途中でヒカリ苔を見つける。看板の下の白っぽい部分がヒカリ苔である。洞窟のような暗所においては金緑色(エメラルド色)に光るそうだ。


シャクナゲ、ダケカンバの樹林帯を過ぎると大きな岩石がゴロゴロ転がっている露岩帯に出る。赤いマーカーをたよりに下っていく。マーカーどおりに進めば、比較的歩きやすいが、マーカーを外れると大変だ。足を踏み外さないよう慎重に進む。


露岩帯が終わると、青年小屋前に出る。玄関前には、「遠い飲み屋」の提灯がぶら下げられており、錆だらけのトタン張りの建物に何故か味わいを感じる。


編笠山登山途中で見かけた青年小屋看板に書かれていた「かき氷」をさっそく食べてみた。この日の空のような「ブルーハワイ」を美味しく味わう。


青年小屋の水場で冷たい水を補給して、権現岳へと進む。振り返ると、青年小屋の後ろには、女性的なやさしい形の編笠山がよく見える。


前方に見える尖った山はギボシと呼ばれる。双耳峰である権現岳の西峰にあたる山だ。ギボシの名の由来は、山体が擬宝珠に似ていることによるものである。


ギボシへの登山道は、険しい岩稜が続く。後ろからも続々と登山者が登ってくる。


クサリ場も何箇所かある。


ギボシを通り過ぎると、鞍部に権現小屋が見えてきた。


13:10頃権現小屋に到着する。この日は、権現小屋に宿泊することにする。最大50人ほどは宿泊できるらしいが、ほとんどの登山者は通過してしまうのでそれほど込むことはないらしい。1階は、食堂、調理場、談話スペース等に分かれるがこじんまりした小屋である。2階が寝床になる。この日の宿泊者は、結局9名ほどでゆったり快適に過ごすことができた。


さて、時間的にはかなり余裕があるので、小屋より数分での権現岳山頂へ先ず行ってくる。雲が多くなって2715mの山頂からは、残念ながらほとんど展望がなかった。


権現岳だけでは、まだまだ時間が余ってしまう。赤岳への分岐からしばらく進んでみる。先には、八ヶ岳最高峰の赤岳が見えているが片道3時間もかかるので、さすがに赤岳までは行くのは無理だ。とりあえず、最初のピークである旭岳2672mまで行くことにした。東側からは、ガスがどんどん湧いてきている。


旭岳へは、いったん下る。それもかなりの下りだ。ほぼ垂直に近い鉄梯子を一気に降りていく。この梯子は「源治梯子」という名前がついており、設置者の名前に因んでいる。名前がついているだけあって、61段もあるもの凄く長い梯子である。


こちらは、梯子を降りきってから振り返って全景を写したものだ。


登山道から外れ、すこし上がると旭岳山頂である。


真正面には、赤岳の全貌が見える。この方向から見る赤岳は、勇壮である。


後方を振り返って見ると、ガスの中に人の姿のように見える権現岳が見えた。


旭岳からもと来た道を戻り、源治梯子を登り返し権現小屋に戻った。権現小屋の夕食は、名物のカレーだ。じっくり煮込んだカレーをお代わりまでして、お腹一杯頂く。


この小屋も、「ランプの宿」である。電気による照明は一切なく、小屋番が、ランプに火を灯してくれた。ランプの下でコタツに足を入れながら、みんなで談話をしてくつろいだ。テレビもラジオもなくゆっくりした時間が流れていった。


消灯前に外に出てみると、満月が輝いていた。このぶんなら、翌日の天気も良さそうだと安心して2階の寝床に戻り就寝した。


2日目に続く。