小学校の校長をしている友人が、なんと私が45年前に卒業した札幌市立発寒西小学校の校長をしていることがわかりました。
退職の挨拶状を出したところ、「一度様子を見に来ませんか」ということになり、懐かしさが募って今日小学校を訪問してきました。
懐かしい校舎の扉を開けて中へ入ると、S校長先生が出迎えてくれました。Sさんは相変わらずはつらつとして精力的に校務をこなされているようで頼もしい限りです。
私はこの小学校に4年生の時に稚内から転校してきたのですが、当時は学校の新設が相次いでいて体育館の設置が間に合わず、廊下で跳び箱をした思い出があります。
その後にできたカマボコ型の屋根の体育館は既にま四角な屋根の新体育館に建て替わっていて、夜には学校開放でも良く使われているそうです。
最近の小学校事情を伺うと、体育館以外の校舎はもうすぐ新しい校舎に建て替わるのだそう。耐震のこともあるのでしょうが、大きなテーマは地域の拠点化が進むということのよう。
「新しい小学校にはまちづくりセンターも併設されて、さらに災害時の避難拠点としての防災拠点性も高まることが期待されています」とはS校長先生のお話。
そのためにはお年寄りが避難生活をできるようにバリアフリーにするとか、避難民の情報提供のために無線ランを整備するとか、新しい時代に見合った機能や設備が備えられなくてはなりません。
その上災害時に地域の避難所として機能するためには、日頃から地域の人たちがこの校舎の中をよく知っているとか、そこで働いている教師やまちづくりセンターの人たちとも知り合いであるといった関係性も育てなくてはなりません。
教室の黒板の前で子供たちを前にして教科書を開くという教師像は、いくつもある多面的な要素の一つであって、教師たる者これからはより高度で多様な役割を果たさなくてはならないようだ、と感じました。
【S校長先生と職員室で(許可を得て掲載します)】
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実はこの「これからの学校は地域生活全体の拠点化」といったことは、縦割りで行われてきた行政の横串化といえ、これからの社会の方向性そのものの姿です。
国土交通省でも、本来は地方自治事務である災害対応にあたってはできるだけ地域に寄り添って御用聞きをし、支援をするという方向に動いています。
人口減少下の地域で、公的組織もスリム化していく中では、相互に関わり合い助け合い協力し合うということが当たり前にならないと、財政的にも負担の大きい非効率な社会になることでしょう。
特にそれは地方自治行政に顕著なことで、どの自治体もスリムで効率的な自治体経営を目指して様々な工夫がされています。
教育機関もまちづくりの一つのパーツとして考えなくてはならないという札幌市の姿勢に、大いに考えさせられる一日でした。
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話が進む中で、私が卒業した年次の卒業アルバムを見せていただきましたが、45年前の自分が写真のなかに写っています。
「おい、自分。この先面白い人生が待っているから目の前のことに一生懸命に立ち向かえよ」 そういってやりたい自分がそこにいました。
皆さんもたまには母校を訪問してみてはいかがですか。