さて皆さま、まずは北海道の冬道を運転するドライバーの気持ちになって、この動画を大画面で見てください。詳しい説明は後ほど。
http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/koutuu/anzen_kyouiku/fubuki_sikaifuryou/fubuki-02.mp4
いかがでしたか。北海道の冬道を運転したことがある人もない人も、背筋が寒くなる映像だったのではないでしょうか。
この動画は、北海道警察のホームページにある交通安全教育動画の一つで、「吹雪など視界不良時における交通事故の実態」というタイトルがついています。
先日職場で開催した交通安全講習会で、地元警察の交通課の方がこのビデオを見せてくれたのですが、北海道警察のホームページで公開されていました。
http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/koutuu/anzen_kyouiku/fubuki_sikaifuryou/anzen-dvd-fubuki.html
ビデオの冒頭のシーンは、視界が良くない状況で何気なく走っているドライバーの前の視界が晴れた瞬間にはもう止まることなどできず追突するしかない状況で、さらに自分が追突した数秒後にすぐ後ろを走っていた大型車両に追突されています。これが視程障害事故のリアル。なんとも恐ろしいではありませんか。
道路屋さんの専門用語では雪や霧などで前が良く見えない状態を「視程障害(していしょうがい)」と言います。警察や一般の方ならば「視界不良」の方が意味が通じやすいでしょう。
いよいよ迫った北海道の冬は、気温が低いために雪が細かく雪が降っていなくても風が吹けばそれまでに降った雪が風で巻き上げられて、ちょうど車の運転席辺りの高さで視界を遮ってしまいます。
目の前が真っ白になる状態を「ホワイトアウト」といいますが、横からの強風でホワイトアウトが起きると、自分の前を走る車がまきあげる雪でもさらに視界が悪くなるもの。ときには数メートル前の車の後部が見えなくなり、夜にはテールランプが灯っていてもそれが見えない状態になることもしばしば。
それでも一定のスピードで走っているのは、『前の車がちゃんと同じくらいの速度で走っているに違いない』という漠然とした期待を持っているからです。そして前方の交通事故でそんな期待が裏切られたのがこの動画です。
視程障害以外にもスリップや吹き溜まりなど夏と全く異なる冬道の運転は怖いです。どうぞ冬道の運転はくれぐれもご注意を。