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駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ミュージカルカンパニーMMG『メランコリック・ジゴロ』

2018年11月11日 | 観劇記/タイトルま行
 お茶の水女子大学徽音堂、2018年11月4日16時半。

 1920年代のヨーロッパ。ある日、パトロンを失ったダニエル(おかもん)は親友のスタン(なっしー)に勧められ、新聞記事に出ていた「睡眠口座」を狙った詐欺に手を出すが…
 脚本/正塚晴彦、演出/木村真優。2015年宝塚歌劇宙組版をもとに企画制作。

 1992年に誕生したお茶大公認サークルで、他大学や専門学校の女子学生も参加して、主に宝塚歌劇の演目を上演しているそうです。私は数年前にその存在を知って、ずっと観てみたいと思っていたのですが毎年の文化祭に都合が合わず、今年やっと出かけられました。私の卒業は92年、『メラジゴ』初演は93年、その東京公演が私の宝塚歌劇初観劇作品でした。そして今、初めて観たMMGの公演がその『メラジゴ』…なんとも奇遇ですね。ちなみに花組再演版の感想はこちら、三演はこちら、宙組はこちら。もうすぐれいまい花組全国ツアー版も開幕しますね、楽しみです。

 さて、会場はホールとも言えない、ぶっちゃけ講堂の演台で、装置やセットはなく、カウンターやテーブル、椅子程度の小道具と照明のみでしたが、充分雰囲気がわかりました。あとオケがとてもしっかりしていて、もちろん録音なんだけれど、いちいち楽譜に起こして演奏して収録したのかなあ、感心しました。
 振りやミザンスも完コピで、カフェの客とかカーニバルの客とか、もうまんまなんですよ。なんかちょっとしゃべってハケていく女子三人とかね! それにもものすごく感心しました。 音声はマイクを使っていて、ときどきガリガリいっていたのは残念でしたが、台詞も歌詞もとても明瞭でよかったです。まあそれは私がほぼ暗記してしまっているからかもしれませんが…
 客席は出演者の家族や友達が多いんだろうな、メラジゴどころか宝塚歌劇も観たことがない人が多そうだな、という印象でしたが、とても集中して舞台を観ていて、ちゃんと笑っていて、話の眼目もちゃんと伝わっているようで、安心しました。どこ立ち位置の心配なんだ、って感じですが。

 で、キャストは、そりゃスタイルも技量もバラバラで、男役が背が高いとも限らないし、芝居のテンションも個々でけっこう違って見えはしたのですが、ちゃんと鍛錬されていて、声が出ていないとか棒立ちだとかはまったくなくて、感心しました。もちろんつたないところもいっぱいあるけれど、ちゃんと芝居になっているし、各キャラクターになっていて、大きなトラブルもなく舞台を進行していて、それはものすごく素晴らしいことだなと思いました。普通に、という言い方はよくないんでしょうけれど、見入っちゃったし感動しちゃいました。ノルベール(ぽん)がまたいい芝居をするもんだからさあ…!
 ダニエルが本当にハートのある芝居をするタイプで、フェリシア(かよ)がいじらしくて、スタンがちゃんとチャラくて、よかったです。
 アネット(ゆゆ)とレジーナ(りな)がめっちゃ上手くて、ルシル(ともちょ)も達者で、カティア(れいな)が色っぽくて…娘役さんにはやっぱり目が行っちゃいましたね。
 マチウ(たーちゃん)はめおちゃんっぽいコミカルさがあって、バロット(おちゃん)がちゃんと笑いを取ってて、ユベール(りん)のスペックが高すぎて来年以降が楽しみになりました。
 そうそう、男役と娘役の数の問題か、ロジェ(もえ)とデパートの店員が娘役になっていたのにもニヤリとしました。
 フィナーレがあるのもいいなと思っていて、それもいろいろなショーの再現なんですけれど、娘役群舞があって男役群舞があって、四組くらいのデュエダンがあってトップコンビのデュエダンまであってリフトまでするんですよ! そしてまたパレードとしてメラジゴに戻る…! なんかもうすごくハッピーになって、うっかり泣いちゃいました。
 みんな、好きで一生懸命がんばってやっているのがビンビン伝わるし、キラキラしてて…つたなさに鼻白む、みたいな自分を恐れていたのですけれど、観に来てよかった!と純粋に思いました。やる方は難しいんだろうけれど、コメディだったのもよかったのかなあ。どシリアスの悲劇のメロドラマとかだと、つたなさに泣けなかったりしたのかな、とか思いました。機会があればまた観てみたいです。
 創作はしていなくて、これから受験するわけでもなくて、でも単に好きだから真似してやってみている、というのがむしろシンプルでいいなと思うし、でも懸命に工夫して努力して練習しているんだろうなということも充分窺えたので、応援したいなと思いました。楽しかったです。


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