あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。
一昨年の暮れにはナゾ発熱があったりしたのですが(日記はこちら)、今回の年越しは平穏無事に過ぎました。30日に実家に帰って、箱根駅伝復路テレビ中継を見終えてから自宅に戻るまで、上げ膳据え膳一番風呂、母親が入れてくれた湯たんぽで温まった自室の布団に潜り込んで爆睡する他はリビングのこたつとダイニングテーブルとトイレの三角地帯をぐるぐる移動するだけで、ずっとだらだらテレビを見るか文庫本を読むか…な贅沢な時間を満喫しました。2日の夜に眠りにつくときに、「ああ明日はもう帰らなくちゃいけないんじゃん…」と、しょんぼりしましたねえぇ…まあ自宅に帰れば溜まった中華ドラマの録画消化に萌え萌えで励んだり、ピラティスに行ったり遠征・観劇始めに出かけたりと、それはそれで楽しいのですが、仕事も始まると思うとどよよんとしますしね。完全に子供に帰れる実家がある、未だに守り甘えさせてくれる両親がいてくれることのありがたさを、改めて痛感しました。
うちの両親は今年84歳と80歳になります。5月の連休以来の帰省でしたし、ときどきはLINEでやりとりしているとはいえガクンと老け込んでいたらどうしよう…などドキドキしつつの帰省でしたが、ピンシャンしていて一安心しました。最近行った旅行や秋に見ていたドラマの話なんかをするし、一緒にテレビのバラエティ番組なんかを見ていてもちゃんとしたところで笑うしつっこむ。送った母の好物の蟹を喜んでペロリとたいらげる。元気なものでした。
父は片耳が遠くなっているそうで、単なる老齢のためというよりは障害者手帳がもらえるレベルのものだそうですが、補聴器のおかげで特に問題なく暮らしているようです。家事はあいかわらず母がすべてやっていますが、手つきが怪しいとか料理の味が変などということもなく、早くも2日朝から洗濯機を回してクイックルワイパーで床掃除して、マメなことこの上なかったです。父は免許を返納したので、ふたりとも自転車で行ける範囲でしか動いていませんが(市からタクシーの無料券が出ているそうですが、ほぼ使用していないとのこと。父はバスも無料なのですが…)、なんせ家の目の前がスーパーという立地なのがありがたいですね。ちょこちょこ病院に行ったり薬を飲んだりはしていても、基本的に健康で元気で、家の建て替えのローンは終わっていて普段の暮らしは年金で賄えていて、未だ週に数回通っているパートやシルバーボランティアのお給料がお小遣いになり、たまにツアーに乗って旅行に行ったりもしているし、悠々自適の老後です。私も弟も独身なので孫の顔は見せられていませんが、健康で働いているので最低限の親孝行はできているのではないかしらん…昭和最後のモデルかもしれませんが、まだまだ元気でいてほしいものです。そのうち老老介護になっちゃうだろうから、私も遊べるうちに遊ぼう…とも思うのでした(><)。
というわけで、毎度前振りが長いですが、今年もいろいろ観たいし読みたいし食べたいし飲みたいし出かけたいし旅したいと思っています。おつきあいいただけたら嬉しいです。
さて、今年の遠征始め・観劇始めは宝塚歌劇宙組大劇場公演『宝塚110年の恋のうた/Razzle Dazzle』でした。1月5日11時の回、1階13列下手サブセン席で観ました。
早朝の在来線、東京駅、のぞみはガラガラ、かつのぞみの車両がSで幸先がよかったです。9時過ぎの新大阪駅はまあまあ混み始めていましたが…そして帰りは在来線の本数がないわ遅延だわで予約したのぞみに超ギリギリの乗車になりましたが、のぞみも信号待ちで発車が遅れていてセーフで助かりました…振り替えようにも満席でしたしね(><)。両隣がおじさまのB席でしたが、テイクアウトしたパスタの豚高菜ピラフを広げて、愛用の蓋付きステンレスマグカップを持ち込んでセブンの安ワインを宝塚駅で買っておいて、ひとり宴会を満喫。ひとり客が多くて静かで、東京駅ででっかいトランク持って右往左往する家族連れの波にぶち当たるまで、帰京ラッシュであることを忘れていました…
当の宝塚の地はいつもと変わらずのんびりしていたと思います。大劇場ホワイエはあちこちリニューアル中で、ちょっと無味乾燥でしたかね…
さて、「宝塚歌劇百十周年記念奉舞」というショルダータイトルの和物ショーは、ちょうど届いた「歌劇」で座談会も読んでいたのですが、キキちゃんが藤原定家、さーちゃんが式子内親王、ずんちゃんが八千代、つまり春日野八千代という通し役がある、お芝居仕立てというかなんというか…なコンセプトの、ちょっと変わったものでした。この構成は、私はおもしろいなと思ったんですよね。漫然としたショーより、私は観やすく感じるのかな、と期待したのです。
でも実際に観たら、ちょっとカラオケ大会みを感じちゃったかな…私は『RUNWAY』がこうなりそうなことを危惧していて、それは幸いなことに外れたんですけど、ああこっちがこうなったか…とちょっと思ってしまいました。ただ、この感じ方にはもちろん個人差があると思います。
私としては、冒頭、チョンパからの『新・源氏物語』「恋の曼荼羅」の前奏、からのそれを歌うキキちゃん…というところがテンションマックスだった気がしました(^^;)。あれは、エモい…! ただ、キキちゃんはちょっと調子かせ悪いのか、なんかお腹から声が出ていない印象で、このところあーさやひとこのクソデカボイスに慣れていたので(笑)声量として物足りなく感じてしまいました。単純に全体的に、全員もっとマイク音量を上げてもいいのでは…? たおやかにはんなり歌って聞かせたい、という感じでもなかったと思うので…まあでもこれも個人の好みがあるかもしれません。
ま、でも、こっちの話はいいです(オイ)。東京マイ楽後にまた語ります。二度目を観たら印象が変わるかもしれませんし、幕が開いたばかりであまりくさしても…と思うので。私としてはわりと肩透かしに感じた、ということだけ書き留めておきます。
あ、でも、アイヌと琉球に安易に触れるのはいかがか、みたいなツイートも見かけたのですが、実際に舞台を観て、私はその指摘は当たらないのではないかと感じました。それぞれモチーフにした作品の主題歌を歌っている場面ですし、そこから蝦夷島男女、琉球男女、慶長男女のフィナーレになだれ込むので、アイヌと大和(この呼称が正しいのかはまた議論があるところでしょうが)と琉球とで北から南まで全部が日本、みんなで踊る日本物のショー…ということなのではないかな、と思い、無視してなかったことにするよりよほどいいのではないかと感じたからです。もちろん、当事者たちが併合などされたくなかった、と考えているという問題はあるのかもしれませんが…あとはお衣装や踊りの振付がどうしてもなんちゃってアイヌ、なんちゃって琉球になってしまうところとかね。ただこれは慶長に対してもそうだし、所詮舞台なのでどの国のどの時代に対しても多少不正確なのは仕方がないかと思います。もちろんリスペクトは大事ですが…劇団にはコンプライアンス遵守については引き続き努力していってもらいたいと考えていますが。
…といったところで一度締めます。
「ジャズ・スラップスティック」の『ラブダズ』は、私はおもしろかったです! もちろん二本ともいい、と言っている感想も読みましたが、「ショーはダメだけど芝居のために通える」と言う人と「ショーはいいけど芝居がつらい」と言う人がいるようで、自分はどれになるかな?など思っていたんですよね…でも、私はこっちが好きでした。断然芝居派!
たわいないオトナのお伽話…なのかもしれないけれど、よくある話でもあるとも思うけれど、よく出来た舞台で、ベタとか王道とかってやっぱり強いし、大事だよな、と感じ入りました。お衣装やセット(衣装/薄井香菜、装置/川崎真奈)のセンスがよかった、好みだったというのもあるし、田渕先生もちゃんとアップデートしているのを感じたんですよね。女優を目指してハリウッドに出てきた田舎娘のドロシー(春乃さくら)が必要以上にダサくされていたり、変に訛らされたりしていなかったのがいいし、ヒロインに恋敵になるアビー(天彩峰里)が嫌な女に描かれていないのもよかったです。ハリウッドのお騒がせ女優シャーリーン(瑠風輝。でっかくてゴージャスで美人!)も必要以上に悪女だったりお馬鹿さんだったりしなかった、そういうのがすごーくいい! ベタな話だと、作家って手癖でそういう設定にしがちだと思うんですよ。ドロシーはおマヌケなくらい純朴で、アビーは嫌みで高慢ちきで、シャーリーンは横暴でアーパー…みたいな。そこがちゃんと再考されている。もちろん演じる生徒のチャーミングさや、聡明さ、計算とテクニックに裏付けされた演技がそう見せている部分もあるとも思いますが、これは脚本からちゃんとしていると思いました。
対する男性陣はわりとテンプレかなとも思いましたが、これは演じるのが男優ではなく男役だというのがミソで、リアル男子にやられるとケッとなることも男役だと成立する、というマジックを利用しているんだと思うので、このままで全然アリだなと思いました。超お金持ちだけどそれはそれとして何も持っていない世間知らずのふわふわしたお坊ちゃん…は存在しないことはないだろうけど、リアルで出会ったらやっぱりイラッとさせられると思うのです(笑)。それを絶妙な愛嬌で魅力的に見せるキキちゃんはたいしたものです。
それでいうとトニー(桜木みなと)はそれほど描き込まれたキャラクターではないと感じましたが、親友を後押しするために、事態を盛り上げるためにあえて恋敵役を買って出る人の良さとか、主人公の親友感、当て馬2番手役がいかにも似合う感じ、いい人っぽく見えて実は腹に一物ありそうな、でもやっぱり根はいい人っぽい…みたいなキャラクターがずんちゃんには抜群に似合っていて、すごくいいなと思いました。彼がレイモンド(芹香斗亜)と親友になったいきさつとか、その婚約者としてのアビーと面識はあるんだろうけどどんな友人関係を築いてきたのかとかは特に描写がないんだけれど、定番の流れとしてはトニーはアビーを憎からず思っていてレイモンドのライバル役に立候補した、というセンがあるな…と思って観ていたのですが、特に回収はありませんでしたね。むしろレイモンドを好きで彼のために動いてあげた、まである気もしましたが、それか人気映画スターである自分のことを一番好きなナルシスト、ってのもあるなとも思えました(笑)。そういう温かさや、その裏に情念がなくもないかもしれない感じを出せる、ずんちゃんの強みがこの先も生かされるといいな、など思いました。トップになるとどうしても白い役ばかりをやらされがちだから…でも『カルト・ワイン』みたいな主役像もあるわけですしね。
ところでこういう、遺産が信託基金になっていて年金で受け取れるけどすべては引き出せない…みたいなのって海外の小説なんかを読んでいるとよくありますが、レイモンドの両親はごく若いうちに不慮の死でなくなったんだと思うので、この信託を設定したのは遠戚で養父のリチャード(松風輝)なんでしょうか? 成人したら本人の自由に、とか結婚したら、とかの条件にすることはよくあるしそれなりの整合性が感じられますが、自分の娘と結婚したら、ってのはちょっとあくどいんでないかい?とは思わなくもありませんでした。まあレイモンドの両親と以前から子供同士を結婚させる約束になっていたので…ってことなんでしょうけれどね。
で、結局、レイモンドは賭けを途中で放棄して(ちなみに自分が賭けの対象になっていたことを知らされたドロシーが、必要以上に自分をかわいそうがって泣き叫び相手をなじるようなアクションをしなかった脚本なのにも好感を持ちました。これも手癖でやりがちな展開だと思うので…あと、さーちゃんのこのおちつきや聡明さが彼女のトップ娘役としての資質、個性なのかもしれない、とも思いました)、アビーとの結婚を受け入れ遺産をすべて手に入れその上でそれをスタジオに投資することに決めたわけですが…賭けの期日の最終日、ドロシーがやってきて、さらにアビーがやってきて…実はそこからの展開がよくわからなかったんですよね。ドロシーがやっぱりレイモンドを好きで、レイモンドもドロシーを好きでも、レイモンドはその愛するドロシーを含めたスタジオすべてを救うためにアビーとの結婚を決めたんだから、ここでアビーにこう言われたからってドロシーに告白しちゃうのって、おかしくない…? というか両思いなら賭けは成立したってことなんだけど、ならアビーがこう出てくるのって変じゃない…?
私はむしろ、レイモンドがアビーに不承不承プロポーズして(そもそも条件は結婚することではなく「アビーにプロポーズすること」だったので)、でもアビーはそれを華麗に断り、リチャードがしていた信託の契約の破棄を告げて、それでレイモンドとドロシーが両思いを確認し合って抱きしめ合ったところにみんなが現れてサプライズ・パーティー突入…!みたいな流れを想定していたんですけれど…
まあ別にこのとおりでなくてもいいんだけれど、リチャードに何か説明させる必要はあった気はしました。彼は養子と、もちろん娘の幸せを願ってふたりの結婚を強制していたのだから、娘のアビーから「もういいわ」と言われればそれに応じたのだろうし(この、アビーにレイモンドへの恋心がそもそも特にない感じがまたいいんですよね。それがアビーを、フラれたかわいそうな女の子にしていない。彼女は恋愛と結婚は別だと考えているだけの冷静な現実主義者で、レイモンドのことは相手としてちょうどいいと考えていただけなのでしょう。まあ断られることに多少プライドが傷つけられはしたと思うけれど…)、自分は支えきれなかった映画スタジオもやりようによっては未来があると信じていたので、レイモンドがクラブのお飾りオーナーなんかじゃなくちゃんとしたビジネスとして映画業界にトライしようというなら応援してあげよう、とも考えたのではないでしょうか。そのあたりの台詞を足してクリアにさせないと、ややご都合主義に見えるかな、と思いました。あとサプライズってのが今のタイミングだと何かのドッキリのようでもあり、アビーとの婚約破棄がウソってこと?と混乱させる気もしたので…
でも、そこからの客席下り、フィナーレ突入、パレードのあとに送り出し演奏まで、ホットでハートフルでゴージャスで楽しい、よく出来たハッピー・ミュージカルだな、と私はまあまあ感動したのでした。
キキちゃんがエキストラとして奴隷役をやるのが『金色の砂漠』っぽいよね、とか、ずんちゃんがネブカドネザルⅡ世をやるのは『王家に捧ぐ歌』っぽいよね、とか(ところでシャーリーン王妃と踊り子ドロシーが絡む踊りに盛大にたぎったんですけど!?)、コーラスとかが『カサブランカ』っぽいよね、とか(これはずんちゃんのせり上がりにも感じましたが…てかコレ再演に足る作品だと思うんだけど(イケコだけど)、そろそろやりません? てか『誰鐘』は私はありうたちで再演してかりんさんアグスティンが「戦争なんてくだらねえぇーっ!」って叫ぶものだとばかり思っていたんですけれど…とにかく大空さん時代の作品の再演、そろそろ観たいなあ。『ヴァレンチノ』でも『シャングリラ』でも…)、いろいろオマージュが感じられるところもなかなかニクくて好みでした。
新公は、フィナーレまでやらないのかなあ…『金色~』は確か本編だけだったと思いますが、尺的にはどうなんでしょう? 私はショーの新公もたまにはあったほうが下級生の経験値が上がると考えているのですが、まして宙組子は場数がだいぶロスってるので、ロケットやデュエダンはカットするにしても群舞などはやってもいいのではないかしらん?とも思いました。が、人数も少なくて、苦しいか…(><)
ホント適材適所と言えば聞こえはいいけれど人がいなくて、まっぷーなっつりっつがああ置かれてまなが印象的な二役やって、一昔前ならもんちがやってそうなところは凰海くんですよねわかりますって感じで、スター格のこってぃナニーロキョロちゃんはエキストラ役といえどいい感じでしたが、役としての個性が出ていくのはまだこれからかなと思え、あとはりせなるが警官役でちょっと、それにましろっちくらい。娘役はりずさよが芝居してあとはブッキーひろこちっち、ですもんね…でも前回のバウヒロインを経てブッキーの扱いがちゃんと良くなっているのには安心しました。こってぃには大きい気もしたけど3組ではちゃんとセンターで、フィナーレではじゅっちゃんのシンメもあったし、おはねが来る前にちゃんとしてあげないとね…など思いました。プログラムのスチールが、珍しくナニーロまで組長の前で、4番手以下でここに載せてもらえることってなかなかない気がするのでこれは喜ばしかったです。パレードのセンター下り、ダブルトリオも妥当でしたしね。
個人的にはナニーロひろこのカップルが麗しく、好み同士で観るのが楽で助かりました(笑)。あと冒頭のセレブ女の夢風ちゃん、華があったなあぁ…!
次に観るのは大劇新公ですが、どうしてくるのか、楽しみです。
ずんさーのプレお披露目は『ZORRO』、評判いいので楽しみにしています。
今年もたくさんの良き舞台との出会いがありますよう、そして宝塚歌劇においてはますますのいろいろな改善と、ちゃんと墓参をせーよと念じています…!
一昨年の暮れにはナゾ発熱があったりしたのですが(日記はこちら)、今回の年越しは平穏無事に過ぎました。30日に実家に帰って、箱根駅伝復路テレビ中継を見終えてから自宅に戻るまで、上げ膳据え膳一番風呂、母親が入れてくれた湯たんぽで温まった自室の布団に潜り込んで爆睡する他はリビングのこたつとダイニングテーブルとトイレの三角地帯をぐるぐる移動するだけで、ずっとだらだらテレビを見るか文庫本を読むか…な贅沢な時間を満喫しました。2日の夜に眠りにつくときに、「ああ明日はもう帰らなくちゃいけないんじゃん…」と、しょんぼりしましたねえぇ…まあ自宅に帰れば溜まった中華ドラマの録画消化に萌え萌えで励んだり、ピラティスに行ったり遠征・観劇始めに出かけたりと、それはそれで楽しいのですが、仕事も始まると思うとどよよんとしますしね。完全に子供に帰れる実家がある、未だに守り甘えさせてくれる両親がいてくれることのありがたさを、改めて痛感しました。
うちの両親は今年84歳と80歳になります。5月の連休以来の帰省でしたし、ときどきはLINEでやりとりしているとはいえガクンと老け込んでいたらどうしよう…などドキドキしつつの帰省でしたが、ピンシャンしていて一安心しました。最近行った旅行や秋に見ていたドラマの話なんかをするし、一緒にテレビのバラエティ番組なんかを見ていてもちゃんとしたところで笑うしつっこむ。送った母の好物の蟹を喜んでペロリとたいらげる。元気なものでした。
父は片耳が遠くなっているそうで、単なる老齢のためというよりは障害者手帳がもらえるレベルのものだそうですが、補聴器のおかげで特に問題なく暮らしているようです。家事はあいかわらず母がすべてやっていますが、手つきが怪しいとか料理の味が変などということもなく、早くも2日朝から洗濯機を回してクイックルワイパーで床掃除して、マメなことこの上なかったです。父は免許を返納したので、ふたりとも自転車で行ける範囲でしか動いていませんが(市からタクシーの無料券が出ているそうですが、ほぼ使用していないとのこと。父はバスも無料なのですが…)、なんせ家の目の前がスーパーという立地なのがありがたいですね。ちょこちょこ病院に行ったり薬を飲んだりはしていても、基本的に健康で元気で、家の建て替えのローンは終わっていて普段の暮らしは年金で賄えていて、未だ週に数回通っているパートやシルバーボランティアのお給料がお小遣いになり、たまにツアーに乗って旅行に行ったりもしているし、悠々自適の老後です。私も弟も独身なので孫の顔は見せられていませんが、健康で働いているので最低限の親孝行はできているのではないかしらん…昭和最後のモデルかもしれませんが、まだまだ元気でいてほしいものです。そのうち老老介護になっちゃうだろうから、私も遊べるうちに遊ぼう…とも思うのでした(><)。
というわけで、毎度前振りが長いですが、今年もいろいろ観たいし読みたいし食べたいし飲みたいし出かけたいし旅したいと思っています。おつきあいいただけたら嬉しいです。
さて、今年の遠征始め・観劇始めは宝塚歌劇宙組大劇場公演『宝塚110年の恋のうた/Razzle Dazzle』でした。1月5日11時の回、1階13列下手サブセン席で観ました。
早朝の在来線、東京駅、のぞみはガラガラ、かつのぞみの車両がSで幸先がよかったです。9時過ぎの新大阪駅はまあまあ混み始めていましたが…そして帰りは在来線の本数がないわ遅延だわで予約したのぞみに超ギリギリの乗車になりましたが、のぞみも信号待ちで発車が遅れていてセーフで助かりました…振り替えようにも満席でしたしね(><)。両隣がおじさまのB席でしたが、テイクアウトしたパスタの豚高菜ピラフを広げて、愛用の蓋付きステンレスマグカップを持ち込んでセブンの安ワインを宝塚駅で買っておいて、ひとり宴会を満喫。ひとり客が多くて静かで、東京駅ででっかいトランク持って右往左往する家族連れの波にぶち当たるまで、帰京ラッシュであることを忘れていました…
当の宝塚の地はいつもと変わらずのんびりしていたと思います。大劇場ホワイエはあちこちリニューアル中で、ちょっと無味乾燥でしたかね…
さて、「宝塚歌劇百十周年記念奉舞」というショルダータイトルの和物ショーは、ちょうど届いた「歌劇」で座談会も読んでいたのですが、キキちゃんが藤原定家、さーちゃんが式子内親王、ずんちゃんが八千代、つまり春日野八千代という通し役がある、お芝居仕立てというかなんというか…なコンセプトの、ちょっと変わったものでした。この構成は、私はおもしろいなと思ったんですよね。漫然としたショーより、私は観やすく感じるのかな、と期待したのです。
でも実際に観たら、ちょっとカラオケ大会みを感じちゃったかな…私は『RUNWAY』がこうなりそうなことを危惧していて、それは幸いなことに外れたんですけど、ああこっちがこうなったか…とちょっと思ってしまいました。ただ、この感じ方にはもちろん個人差があると思います。
私としては、冒頭、チョンパからの『新・源氏物語』「恋の曼荼羅」の前奏、からのそれを歌うキキちゃん…というところがテンションマックスだった気がしました(^^;)。あれは、エモい…! ただ、キキちゃんはちょっと調子かせ悪いのか、なんかお腹から声が出ていない印象で、このところあーさやひとこのクソデカボイスに慣れていたので(笑)声量として物足りなく感じてしまいました。単純に全体的に、全員もっとマイク音量を上げてもいいのでは…? たおやかにはんなり歌って聞かせたい、という感じでもなかったと思うので…まあでもこれも個人の好みがあるかもしれません。
ま、でも、こっちの話はいいです(オイ)。東京マイ楽後にまた語ります。二度目を観たら印象が変わるかもしれませんし、幕が開いたばかりであまりくさしても…と思うので。私としてはわりと肩透かしに感じた、ということだけ書き留めておきます。
あ、でも、アイヌと琉球に安易に触れるのはいかがか、みたいなツイートも見かけたのですが、実際に舞台を観て、私はその指摘は当たらないのではないかと感じました。それぞれモチーフにした作品の主題歌を歌っている場面ですし、そこから蝦夷島男女、琉球男女、慶長男女のフィナーレになだれ込むので、アイヌと大和(この呼称が正しいのかはまた議論があるところでしょうが)と琉球とで北から南まで全部が日本、みんなで踊る日本物のショー…ということなのではないかな、と思い、無視してなかったことにするよりよほどいいのではないかと感じたからです。もちろん、当事者たちが併合などされたくなかった、と考えているという問題はあるのかもしれませんが…あとはお衣装や踊りの振付がどうしてもなんちゃってアイヌ、なんちゃって琉球になってしまうところとかね。ただこれは慶長に対してもそうだし、所詮舞台なのでどの国のどの時代に対しても多少不正確なのは仕方がないかと思います。もちろんリスペクトは大事ですが…劇団にはコンプライアンス遵守については引き続き努力していってもらいたいと考えていますが。
…といったところで一度締めます。
「ジャズ・スラップスティック」の『ラブダズ』は、私はおもしろかったです! もちろん二本ともいい、と言っている感想も読みましたが、「ショーはダメだけど芝居のために通える」と言う人と「ショーはいいけど芝居がつらい」と言う人がいるようで、自分はどれになるかな?など思っていたんですよね…でも、私はこっちが好きでした。断然芝居派!
たわいないオトナのお伽話…なのかもしれないけれど、よくある話でもあるとも思うけれど、よく出来た舞台で、ベタとか王道とかってやっぱり強いし、大事だよな、と感じ入りました。お衣装やセット(衣装/薄井香菜、装置/川崎真奈)のセンスがよかった、好みだったというのもあるし、田渕先生もちゃんとアップデートしているのを感じたんですよね。女優を目指してハリウッドに出てきた田舎娘のドロシー(春乃さくら)が必要以上にダサくされていたり、変に訛らされたりしていなかったのがいいし、ヒロインに恋敵になるアビー(天彩峰里)が嫌な女に描かれていないのもよかったです。ハリウッドのお騒がせ女優シャーリーン(瑠風輝。でっかくてゴージャスで美人!)も必要以上に悪女だったりお馬鹿さんだったりしなかった、そういうのがすごーくいい! ベタな話だと、作家って手癖でそういう設定にしがちだと思うんですよ。ドロシーはおマヌケなくらい純朴で、アビーは嫌みで高慢ちきで、シャーリーンは横暴でアーパー…みたいな。そこがちゃんと再考されている。もちろん演じる生徒のチャーミングさや、聡明さ、計算とテクニックに裏付けされた演技がそう見せている部分もあるとも思いますが、これは脚本からちゃんとしていると思いました。
対する男性陣はわりとテンプレかなとも思いましたが、これは演じるのが男優ではなく男役だというのがミソで、リアル男子にやられるとケッとなることも男役だと成立する、というマジックを利用しているんだと思うので、このままで全然アリだなと思いました。超お金持ちだけどそれはそれとして何も持っていない世間知らずのふわふわしたお坊ちゃん…は存在しないことはないだろうけど、リアルで出会ったらやっぱりイラッとさせられると思うのです(笑)。それを絶妙な愛嬌で魅力的に見せるキキちゃんはたいしたものです。
それでいうとトニー(桜木みなと)はそれほど描き込まれたキャラクターではないと感じましたが、親友を後押しするために、事態を盛り上げるためにあえて恋敵役を買って出る人の良さとか、主人公の親友感、当て馬2番手役がいかにも似合う感じ、いい人っぽく見えて実は腹に一物ありそうな、でもやっぱり根はいい人っぽい…みたいなキャラクターがずんちゃんには抜群に似合っていて、すごくいいなと思いました。彼がレイモンド(芹香斗亜)と親友になったいきさつとか、その婚約者としてのアビーと面識はあるんだろうけどどんな友人関係を築いてきたのかとかは特に描写がないんだけれど、定番の流れとしてはトニーはアビーを憎からず思っていてレイモンドのライバル役に立候補した、というセンがあるな…と思って観ていたのですが、特に回収はありませんでしたね。むしろレイモンドを好きで彼のために動いてあげた、まである気もしましたが、それか人気映画スターである自分のことを一番好きなナルシスト、ってのもあるなとも思えました(笑)。そういう温かさや、その裏に情念がなくもないかもしれない感じを出せる、ずんちゃんの強みがこの先も生かされるといいな、など思いました。トップになるとどうしても白い役ばかりをやらされがちだから…でも『カルト・ワイン』みたいな主役像もあるわけですしね。
ところでこういう、遺産が信託基金になっていて年金で受け取れるけどすべては引き出せない…みたいなのって海外の小説なんかを読んでいるとよくありますが、レイモンドの両親はごく若いうちに不慮の死でなくなったんだと思うので、この信託を設定したのは遠戚で養父のリチャード(松風輝)なんでしょうか? 成人したら本人の自由に、とか結婚したら、とかの条件にすることはよくあるしそれなりの整合性が感じられますが、自分の娘と結婚したら、ってのはちょっとあくどいんでないかい?とは思わなくもありませんでした。まあレイモンドの両親と以前から子供同士を結婚させる約束になっていたので…ってことなんでしょうけれどね。
で、結局、レイモンドは賭けを途中で放棄して(ちなみに自分が賭けの対象になっていたことを知らされたドロシーが、必要以上に自分をかわいそうがって泣き叫び相手をなじるようなアクションをしなかった脚本なのにも好感を持ちました。これも手癖でやりがちな展開だと思うので…あと、さーちゃんのこのおちつきや聡明さが彼女のトップ娘役としての資質、個性なのかもしれない、とも思いました)、アビーとの結婚を受け入れ遺産をすべて手に入れその上でそれをスタジオに投資することに決めたわけですが…賭けの期日の最終日、ドロシーがやってきて、さらにアビーがやってきて…実はそこからの展開がよくわからなかったんですよね。ドロシーがやっぱりレイモンドを好きで、レイモンドもドロシーを好きでも、レイモンドはその愛するドロシーを含めたスタジオすべてを救うためにアビーとの結婚を決めたんだから、ここでアビーにこう言われたからってドロシーに告白しちゃうのって、おかしくない…? というか両思いなら賭けは成立したってことなんだけど、ならアビーがこう出てくるのって変じゃない…?
私はむしろ、レイモンドがアビーに不承不承プロポーズして(そもそも条件は結婚することではなく「アビーにプロポーズすること」だったので)、でもアビーはそれを華麗に断り、リチャードがしていた信託の契約の破棄を告げて、それでレイモンドとドロシーが両思いを確認し合って抱きしめ合ったところにみんなが現れてサプライズ・パーティー突入…!みたいな流れを想定していたんですけれど…
まあ別にこのとおりでなくてもいいんだけれど、リチャードに何か説明させる必要はあった気はしました。彼は養子と、もちろん娘の幸せを願ってふたりの結婚を強制していたのだから、娘のアビーから「もういいわ」と言われればそれに応じたのだろうし(この、アビーにレイモンドへの恋心がそもそも特にない感じがまたいいんですよね。それがアビーを、フラれたかわいそうな女の子にしていない。彼女は恋愛と結婚は別だと考えているだけの冷静な現実主義者で、レイモンドのことは相手としてちょうどいいと考えていただけなのでしょう。まあ断られることに多少プライドが傷つけられはしたと思うけれど…)、自分は支えきれなかった映画スタジオもやりようによっては未来があると信じていたので、レイモンドがクラブのお飾りオーナーなんかじゃなくちゃんとしたビジネスとして映画業界にトライしようというなら応援してあげよう、とも考えたのではないでしょうか。そのあたりの台詞を足してクリアにさせないと、ややご都合主義に見えるかな、と思いました。あとサプライズってのが今のタイミングだと何かのドッキリのようでもあり、アビーとの婚約破棄がウソってこと?と混乱させる気もしたので…
でも、そこからの客席下り、フィナーレ突入、パレードのあとに送り出し演奏まで、ホットでハートフルでゴージャスで楽しい、よく出来たハッピー・ミュージカルだな、と私はまあまあ感動したのでした。
キキちゃんがエキストラとして奴隷役をやるのが『金色の砂漠』っぽいよね、とか、ずんちゃんがネブカドネザルⅡ世をやるのは『王家に捧ぐ歌』っぽいよね、とか(ところでシャーリーン王妃と踊り子ドロシーが絡む踊りに盛大にたぎったんですけど!?)、コーラスとかが『カサブランカ』っぽいよね、とか(これはずんちゃんのせり上がりにも感じましたが…てかコレ再演に足る作品だと思うんだけど(イケコだけど)、そろそろやりません? てか『誰鐘』は私はありうたちで再演してかりんさんアグスティンが「戦争なんてくだらねえぇーっ!」って叫ぶものだとばかり思っていたんですけれど…とにかく大空さん時代の作品の再演、そろそろ観たいなあ。『ヴァレンチノ』でも『シャングリラ』でも…)、いろいろオマージュが感じられるところもなかなかニクくて好みでした。
新公は、フィナーレまでやらないのかなあ…『金色~』は確か本編だけだったと思いますが、尺的にはどうなんでしょう? 私はショーの新公もたまにはあったほうが下級生の経験値が上がると考えているのですが、まして宙組子は場数がだいぶロスってるので、ロケットやデュエダンはカットするにしても群舞などはやってもいいのではないかしらん?とも思いました。が、人数も少なくて、苦しいか…(><)
ホント適材適所と言えば聞こえはいいけれど人がいなくて、まっぷーなっつりっつがああ置かれてまなが印象的な二役やって、一昔前ならもんちがやってそうなところは凰海くんですよねわかりますって感じで、スター格のこってぃナニーロキョロちゃんはエキストラ役といえどいい感じでしたが、役としての個性が出ていくのはまだこれからかなと思え、あとはりせなるが警官役でちょっと、それにましろっちくらい。娘役はりずさよが芝居してあとはブッキーひろこちっち、ですもんね…でも前回のバウヒロインを経てブッキーの扱いがちゃんと良くなっているのには安心しました。こってぃには大きい気もしたけど3組ではちゃんとセンターで、フィナーレではじゅっちゃんのシンメもあったし、おはねが来る前にちゃんとしてあげないとね…など思いました。プログラムのスチールが、珍しくナニーロまで組長の前で、4番手以下でここに載せてもらえることってなかなかない気がするのでこれは喜ばしかったです。パレードのセンター下り、ダブルトリオも妥当でしたしね。
個人的にはナニーロひろこのカップルが麗しく、好み同士で観るのが楽で助かりました(笑)。あと冒頭のセレブ女の夢風ちゃん、華があったなあぁ…!
次に観るのは大劇新公ですが、どうしてくるのか、楽しみです。
ずんさーのプレお披露目は『ZORRO』、評判いいので楽しみにしています。
今年もたくさんの良き舞台との出会いがありますよう、そして宝塚歌劇においてはますますのいろいろな改善と、ちゃんと墓参をせーよと念じています…!
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