世田谷パブリックシアター、2025年4月8日18時。
山深い場所にそびえ立つ大御門伯爵家の別邸、通称「幽霊屋敷」。そんな屋敷に暮らすのは、女主人・大御門カグラ(天海祐希)とたったひとりの使用人、「完璧なる執事」こと鎌塚アカシ(三宅弘城)。子供のころから霊感が強く、見えるはずのないものが見えるカグラの能力のせいか、怪奇現象が絶えない屋敷でアカシは日々怯えながら働いている。そんなある日、一年前に病死したカグラの姉の夫・相良ナオツグ男爵(藤井隆)が娘アガサ(羽瀬川なぎ)を伴って屋敷にやってくる。彼らはアカシの長年の想い人、上見ケシキ(ともさかりえ)を女中として同伴していたが…
作・演出/倉持裕。シリーズ第7弾、全1幕。
大空さんが北三条伯爵家の女主人役として出演したシリーズ第5弾は観ていて、そのときの感想はこちら。
このときはラブコメドリフだった印象がありますが、今回はホラーコメディとのこと。とにかくユリちゃんが出るというので、そして池谷のぶえも出るというので、おもしろいに違いない、と前売りに参戦し、敗れ敗れてなんとかお友達に工面していただきました…
…でも、なんか、あまりおもしろくありませんでした。すみません私は、ですが…
ずっと本多劇場でやってきたのを世田パブに移したから大味になったのだ、というようなことを言う感想も観ましたが、それは感じなかったかな。お屋敷の三面を見せる盆は健在で(美術/中根聡子)、舞台のサイズ感なんかも変わらないように思えましたし。全作出ているわけではないともさかりえが今回は出ていて、でもケシキさんの身の上がけっこう変わっているのは、シリーズ全体を通す軸としては鎌塚氏と彼女のそこはかとない色恋があるのかと思っていた私としては驚いたのですが、まあ未来がないこともないと思える展開ではあったのでそれもいいかなと思えましたしね。
ただ、プログラムのあらすじからここに転記したようなカグラの設定が、作中では特に語られていなかったように思うのです。怪しい森でケシキさんが迷子になっていて、そこに鎌塚氏が現れて始まりましたが、それだけじゃなかったですか? そしてユリちゃんの登場はけっこう遅いので、幽霊屋敷とか霊能力云々ってのもどうもよくわからないままに話が進んでいた気がします。むしろ吊り橋が落ちたことで閉じ込められた山荘ものみたいになるのかな、と思わせていませんでした…?
さらに言うと、結局アガサの母親が姪であるカグラの娘ではなくアガサを優先して助けたことが悪かったんだ、ってこと? てかアガサはそれを引け目に感じていたってこと? でもカグラの方は仕方なかったととっくに納得していたということ? でもそれならアガサがカグラの養女になることで何がどう解決するの? アガサには母親がいなくとも父親のナオツグはいるのに、変じゃない? まあこのシリーズの世界観は貴族制度があるなんちゃって日本のようだから、戸籍がとか養子制度がとか言っても仕方ないのかもしれませんが…なんか、私には話がよくわかりませんでした。
まあお話の細かいところがよくわからなくても、おもしろけりゃそれでいいとも言えるわけですが、なんか…笑いどころが少なかった気がしませんか? 役者はみんな上手いので、リアクションその他そうした芸での笑いはちゃんと取れているんだけれど、脚本そのもののおもしろみがないというか、ちゃんとしたギャグが少ないというか…倉持さん、息切れしてきちゃったのでは?とか思ってしまいました。
なので役者には満足したんですけれど(期待の池谷のぶえは絶品でした。あとこの可愛らしいお嬢さんは誰だろう、達者だなとか思っていたら『虎に翼』の玉ちゃんで仰天!)、観劇としては消化不良というか、もうずっとこんな感じならよほど贔屓の役者が出ても今後はパスかな、とかちょっと思ってしまったのです…
『桜の園』に続き、ユリちゃんの華は絶好調ですね。ラスト定番のトートツな懐メロ歌唱も、高音が怪しいところを含めて(笑)よかったです。最近舞台づいているんですね、でもいつもなんでも「ユリちゃん」な気もするので、もっと全然違うタイプの舞台との出会いがあるといいのにな、とかも勝手に案じていたりします。
山深い場所にそびえ立つ大御門伯爵家の別邸、通称「幽霊屋敷」。そんな屋敷に暮らすのは、女主人・大御門カグラ(天海祐希)とたったひとりの使用人、「完璧なる執事」こと鎌塚アカシ(三宅弘城)。子供のころから霊感が強く、見えるはずのないものが見えるカグラの能力のせいか、怪奇現象が絶えない屋敷でアカシは日々怯えながら働いている。そんなある日、一年前に病死したカグラの姉の夫・相良ナオツグ男爵(藤井隆)が娘アガサ(羽瀬川なぎ)を伴って屋敷にやってくる。彼らはアカシの長年の想い人、上見ケシキ(ともさかりえ)を女中として同伴していたが…
作・演出/倉持裕。シリーズ第7弾、全1幕。
大空さんが北三条伯爵家の女主人役として出演したシリーズ第5弾は観ていて、そのときの感想はこちら。
このときはラブコメドリフだった印象がありますが、今回はホラーコメディとのこと。とにかくユリちゃんが出るというので、そして池谷のぶえも出るというので、おもしろいに違いない、と前売りに参戦し、敗れ敗れてなんとかお友達に工面していただきました…
…でも、なんか、あまりおもしろくありませんでした。すみません私は、ですが…
ずっと本多劇場でやってきたのを世田パブに移したから大味になったのだ、というようなことを言う感想も観ましたが、それは感じなかったかな。お屋敷の三面を見せる盆は健在で(美術/中根聡子)、舞台のサイズ感なんかも変わらないように思えましたし。全作出ているわけではないともさかりえが今回は出ていて、でもケシキさんの身の上がけっこう変わっているのは、シリーズ全体を通す軸としては鎌塚氏と彼女のそこはかとない色恋があるのかと思っていた私としては驚いたのですが、まあ未来がないこともないと思える展開ではあったのでそれもいいかなと思えましたしね。
ただ、プログラムのあらすじからここに転記したようなカグラの設定が、作中では特に語られていなかったように思うのです。怪しい森でケシキさんが迷子になっていて、そこに鎌塚氏が現れて始まりましたが、それだけじゃなかったですか? そしてユリちゃんの登場はけっこう遅いので、幽霊屋敷とか霊能力云々ってのもどうもよくわからないままに話が進んでいた気がします。むしろ吊り橋が落ちたことで閉じ込められた山荘ものみたいになるのかな、と思わせていませんでした…?
さらに言うと、結局アガサの母親が姪であるカグラの娘ではなくアガサを優先して助けたことが悪かったんだ、ってこと? てかアガサはそれを引け目に感じていたってこと? でもカグラの方は仕方なかったととっくに納得していたということ? でもそれならアガサがカグラの養女になることで何がどう解決するの? アガサには母親がいなくとも父親のナオツグはいるのに、変じゃない? まあこのシリーズの世界観は貴族制度があるなんちゃって日本のようだから、戸籍がとか養子制度がとか言っても仕方ないのかもしれませんが…なんか、私には話がよくわかりませんでした。
まあお話の細かいところがよくわからなくても、おもしろけりゃそれでいいとも言えるわけですが、なんか…笑いどころが少なかった気がしませんか? 役者はみんな上手いので、リアクションその他そうした芸での笑いはちゃんと取れているんだけれど、脚本そのもののおもしろみがないというか、ちゃんとしたギャグが少ないというか…倉持さん、息切れしてきちゃったのでは?とか思ってしまいました。
なので役者には満足したんですけれど(期待の池谷のぶえは絶品でした。あとこの可愛らしいお嬢さんは誰だろう、達者だなとか思っていたら『虎に翼』の玉ちゃんで仰天!)、観劇としては消化不良というか、もうずっとこんな感じならよほど贔屓の役者が出ても今後はパスかな、とかちょっと思ってしまったのです…
『桜の園』に続き、ユリちゃんの華は絶好調ですね。ラスト定番のトートツな懐メロ歌唱も、高音が怪しいところを含めて(笑)よかったです。最近舞台づいているんですね、でもいつもなんでも「ユリちゃん」な気もするので、もっと全然違うタイプの舞台との出会いがあるといいのにな、とかも勝手に案じていたりします。
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