ハーレムで暮らす少女シオマラは厳しい母親に猛反発していたが、高校のポエトリー・スラム部で詩のパフォーマンスを知り、自己表現の世界にのめり込んでいく…全米図書賞、カーネギー賞など数多くの文学賞を受賞したパワフルなYA小説。
少女が書いた詩のような、日記のような文体で綴られる小説で、さくさく、かつドキドキ、うるうる読みました。
主人公はとにかく「女の子なんだからアレはダメ、コレもダメ、家にいろ」と言われて育っています。特に母親はそもそもが修道女志望だったというだけあって、とても厳しい。日本でも、現代でも、女子への抑圧は未だ甚だしいものがあるわけですが、こうした宗教による厳格さはさすがにあまりないものですよね。でも、その宗教がやはり最後には架け橋になったりする。神父は教会のクラスに参加することに主人公が本当は熱心ではなく、身が入っていないことに気づいてくれるし、そこから主人公がその時間を詩の部活動に当てられるようになりもする。そしていろんなことが母に露見したあとも、神父が母と語ることでいろいろなことを取り持ってくれる…そこはやはりすごいなと思わせられました。
また、主人公の双子の兄は早熟な天才で、学校はスキップしまくりの優等生。主人公が男の子とデートなんてとんでもない、とされていても、兄がガールフレンドを連れてくるなら親は歓迎するだろう、というのもしんどい。けれど彼が愛するのは女の子ではない、となるとそりゃまた違う大問題になるわけで…このあたりも本当にせつなかったです。でも希望の灯を私は読み逃さなかったよ!
考え方が違うけれど、気の合う、共感力の高い親友がいること。教え導き支えてくれる教師に巡り会うこと。新しい仲間ができること。それらの恵みをつかむ主人公の勇気に心打たれました。
そして、やめてと言ったら止まってくれるボーイフレンド。素晴らしいよね、なかなかないよね…
原題は『詩人X』なので、そのままで、むしろもっとクールでカッコいい装丁にして、むしろ男子が読むような造本にしても、彼らを勇気づけたのではないかしらん、とも思いました。でも今の装丁も、明るい黄色が効いていて、オンナノコオンナノコしていないのがいいですね。YAってなかなか難しい分野だと思うけれど、そして私なんてもはや主人公の親か祖父母世代なんだけれど、それでも楽しく読んだし勇気づけられましたし、ましてティーンにきちんと読まれて響くといいなと思いました。すがすがしい1冊でした。
少女が書いた詩のような、日記のような文体で綴られる小説で、さくさく、かつドキドキ、うるうる読みました。
主人公はとにかく「女の子なんだからアレはダメ、コレもダメ、家にいろ」と言われて育っています。特に母親はそもそもが修道女志望だったというだけあって、とても厳しい。日本でも、現代でも、女子への抑圧は未だ甚だしいものがあるわけですが、こうした宗教による厳格さはさすがにあまりないものですよね。でも、その宗教がやはり最後には架け橋になったりする。神父は教会のクラスに参加することに主人公が本当は熱心ではなく、身が入っていないことに気づいてくれるし、そこから主人公がその時間を詩の部活動に当てられるようになりもする。そしていろんなことが母に露見したあとも、神父が母と語ることでいろいろなことを取り持ってくれる…そこはやはりすごいなと思わせられました。
また、主人公の双子の兄は早熟な天才で、学校はスキップしまくりの優等生。主人公が男の子とデートなんてとんでもない、とされていても、兄がガールフレンドを連れてくるなら親は歓迎するだろう、というのもしんどい。けれど彼が愛するのは女の子ではない、となるとそりゃまた違う大問題になるわけで…このあたりも本当にせつなかったです。でも希望の灯を私は読み逃さなかったよ!
考え方が違うけれど、気の合う、共感力の高い親友がいること。教え導き支えてくれる教師に巡り会うこと。新しい仲間ができること。それらの恵みをつかむ主人公の勇気に心打たれました。
そして、やめてと言ったら止まってくれるボーイフレンド。素晴らしいよね、なかなかないよね…
原題は『詩人X』なので、そのままで、むしろもっとクールでカッコいい装丁にして、むしろ男子が読むような造本にしても、彼らを勇気づけたのではないかしらん、とも思いました。でも今の装丁も、明るい黄色が効いていて、オンナノコオンナノコしていないのがいいですね。YAってなかなか難しい分野だと思うけれど、そして私なんてもはや主人公の親か祖父母世代なんだけれど、それでも楽しく読んだし勇気づけられましたし、ましてティーンにきちんと読まれて響くといいなと思いました。すがすがしい1冊でした。
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