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発酵と腐敗はどう違うのか

(庭のデルフィニウム)

会社に出て、O氏から「発酵の仕組みと酵母の秘密(1)」を読んだが、続きはどうなったと催促があった。この先は話が難しくてと言い訳をする。1日伸ばしにしたが、今日も横道に逸れようとしている。

O氏から「発酵と腐敗はどう違うか」と問題が出された。自分も疑問を抱いていたが、とっさには答えられない。O氏は自分で答えた。発酵も腐敗も菌が絡んで変質する作用はまったく同じなのだが、発酵した結果が発酵食品となって人の役に立つ時には「発酵」といい、食中毒など人の害になるときは「腐敗」という。人間の自己中心的な発想で分かれているだけである。後刻、ネットで確かめたが、ほぼ同じ説明が載っていたから間違いないことなのだろう。

O氏はさらに言う。ブフナーは酵母をすり潰したというが、乳鉢を使っても酵母は100%すり潰すのは不可能で、生き残ったものが発酵を進めたとは考えなかったのだろうか。

どうも話がややこしくなってきた。前回の書き込みで、ブフナーはすり潰した酵母を、砂糖漬けにしたと書いた。冷蔵庫のない時代に行われたもっとも簡単な保存の仕方は塩漬けか砂糖漬けであった。ナメクジに塩を掛けると浸透圧のためにナメクジから水分が出て縮んで死んでしまう。これと同じことが雑菌に働いて、菌が死滅するから腐らないという理屈である。

ここで保存しようと思った対象は、すり潰し死んだ酵母である。生きている酵母が残っていると予想したなら、発酵を起こす砂糖漬けなどにはしない。また結果として発酵が起きたら生き残りの酵母がいたと考えるのが普通である。ということは、ブフナーには酵母が完全にすり潰されて生きているものはあり得ないとの確信があったと考えられる。あるいはすり潰すと同時に生き残りの酵母を殺す処理がしてあったのかもしれない。

もう一つ、疑問がある。腐敗を防ぐ為に砂糖漬けにしたら、発酵してしまったという表現の中では、腐敗と発酵はしっかり区別されている。研究者も発酵と腐敗を同じ化学反応だとは考えていない。

発酵食品の中には腐っているとしか思えないようなものも多い。例えば中国の腐豆腐(臭豆腐)、鮒すし。納豆も外国人は腐っているというだろう。挙げれば切りはないが、世界にはたくさんある。そういう点では、やっぱり、しっかりと線を引くことは難しいのだろう。

ところで、政治の世界でも、国民の90%が腐敗しているというのに、ご当人たちは発酵している途中で、もう少し時間が欲しいと言う小鳩政権もあえなく消えた。少なくとも、一度腐ったものが、時間を置けば発酵食品となることは決してない。
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