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●漫画・・ 「パイナップルARMY-アーミー-」

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 主人公、ジェド豪士は、アメリカの民間軍事援助組織、CMAというトコロに登録されている、戦闘インストラクターです。ベトナム戦争を皮切りに、アフリカ・南米などの各地域の内戦に従軍した、元傭兵です。物語を読むに、多分、最初の戦争従軍はベトナムですね。この漫画作品が雑誌初出掲載されたのが80年代ですし、漫画で描かれるジェド豪士は、30代後半から40代初めくらいの年齢みたいだし、ベトナム従軍が20歳くらいの若い頃なんでしょうね。その後は、アフリカ・南米の各紛争地域を傭兵として転々‥みたいです。ジェド豪士は日系アメリカ人かな(?)。ベトナム戦争は、国民として参加の、海兵隊員だったんだろうか(?)。ジェド豪士は、超有能で特Aクラスの腕利きの軍事戦闘マスターですが、職業はあくまで戦闘インストラクターです。軍事教練する人ですね。重火器を含む、兵器・武器使用の軍事的戦闘から、拳銃・ナイフ、まあライフルくらいまでの武器を使う、個人的な、比較的小さな戦闘まで、あらゆる戦いの、戦い方を教える戦闘コーチですね。だから、肉体的な格闘技も教えるし、本人も徒手空拳の格闘でも天才的に強い。たてまえはあくまでインストラクターで、依頼して来たお客さん個人の“戦い”には、豪士自身は基本、参加しないことになってるんですが、結局、一緒に戦うことになる。だいたいいつも、依頼人を襲って来る対敵があまりにも強大過ぎて、見ておれず、放っておけず、ついつい、結局、豪士が先頭に立って依頼者を引っ張って、重火器装備の多人数な相手と、絶対不利な条件下で、知恵を振り絞って対決する。

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 マフィアみたいな組織ギャング団や、それこそ元傭兵たち擁する、小さな軍隊規模の重火器武装集団などを相手に、おとなしい羊たちみたいな素人の依頼者たちを、最初は軍事教練のみの仕事で引き受けてるのだが、結局、あまりにも頼りない依頼者ガードから、最終的には依頼者たちを率いて、戦闘作戦を立て、数々の軍隊サバイバル経験を生かし、実際的な知恵と抜群の戦闘技術を駆使して、数量で圧倒的優勢の強敵に対して、果敢に戦い、素人依頼人たちの身を堅守しながらも勝利に導いて行く、超腕利き、実質特A級戦闘インストラクター、戦術の天才、元傭兵・ジェド豪士。戦いは、欧米の都市部や住宅地が舞台になることも多く、ビル規模の建築物が幾つも破壊されるような戦闘もザラで、ロケット弾が使われることもよく有り、タイトルにもなっている手榴弾は毎回のレギュラー兵器です。いくら80年代のニューヨーク・スラム街地域でも、小さな軍隊規模の機銃武装集団がロケット弾ぶっ放して、市街地の一角をビル規模で破壊するなんて、「ありえねえ~」って感じのストーリー展開ですが、漫画は抜群に面白い、ヴァイオレンス・サバイバル・アクション漫画の傑作です。主人公・ジェド豪士は、見てくれはちっともハンサムに描かれておらず、だんごっ鼻の、ちょっとイカツイ感じの相貌で、ガタイの良さはずんぐりむっくり、如何にも格闘が強そうな感じで描かれ、ちょっとモッサリもしてますが、これが実際的な知恵は抜群に頭が良く、サバイバル技術は超一流。タフで、実にカッコ良い。この漫画は、ハードボイルド・アクション作品でもありますね。

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 「パイナップルARMY」が、僕が東京圏でサラリーマンしていた時代の、小学館の青年コミック誌「ビッグコミック・オリジナル」に連載されていたのはよく憶えてたんですが、ぼくはその初出連載時期は、79年頃から82、3年頃だと思い込んでました。最近になって調べたら、「パイナップルARMY」がビッグコミック・オリジナル誌上で始まったのは、何と85年でした。実際、連載期間は85年から88年の間なんですねえ。僕の大きな思い違いです。僕は後に90年代半ば刊行の、小学館文庫「パイナップルARMY」全6巻で再読・完読してますが、雑誌連載後期に刊行された、ビッグコミックス版「パイナップルARMY」全8巻では、多分、2、3冊程度しか読んでないと思う。まあ、一度、雑誌で読んでるんですがね。まあ、当時から僕は、ジェド豪士のカッコ良さに憧れまくってたと思います。雑誌連載期間は、僕は20代末頃から30代アタマ頃ですね。

 東京圏でサラリーマン生活していた十年ちょっとの間、漫画が大好きで漫画を読むのが最大の娯楽だった僕は、毎月毎月、週刊・隔週刊で発行される、数種類の青年コミック誌を愛読してました。ビッグコミックオリジナル、ビッグスピリッツ、週刊アクション、別冊アクション、プレイコミック、ヤングコミックなどなどです。たいていは通勤帰りの駅のキョスクで発売日に買い求め、帰り掛けの車中で読んで行き、電車の中だけでは読み終えないので、途中で降りた街の一角の喫茶店か、当時の僕はほとんど外食してたから、洋食レストランとかトンカツ屋、ラーメン屋などの食堂内で、読み残し分を読んで、店を出て家路に着いても雑誌は捨てずに持ち帰っていた。雑誌でも、「読み捨て」なんて勿体ない、漫画は僕には特別なものでしたからね。でも結局、引越しのとき処分してたけど。群馬大田や埼玉熊谷に飛ばされたときは、たいてい会社帰りのコンビニで買い求めて、そのまま乗用車を何処かに停めて、座席倒して車中で読んでた(秋冬は仕事帰りは暗いから、何処か店入ってたんだろうね)。無論、漫画誌はアパートに持って帰る。後々、処分はするけど。

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 「パイナップルARMY」は、最初、85年のビッグコミック・オリジナルに、不定期で読みきり短編として掲載されていたんですね。それが4話続いた後、中篇の続きもの「五人の軍隊」の巻から、毎号連載となった。僕が十年ちょっと勤めた企業を退社して東京から去り、Uターンで帰郷したのが86年の10月頃。そこから一年半近く、僕はニート生活をしてるからなあ。あの当時、雑誌は買い控えてたから、帰郷してからはビッグコミック・スピリッツは毎号購読していたものの、ひょっとしたら帰郷してからは、ビッグオリジナルの方は毎号買ってまで読んでないかも知れない。でも、これといって趣味のなかった僕は、常にコミックは買ってたから、「パイナップルARMY」のビッグコミックス版は、2、3冊はあの当時、買って読んでるかも知れないですね。その内、空手道場に通い出し、社会復帰してニート生活にピリオド打つ訳だけど、東京の大企業でサラリーマンやってたときに比べたら、愕然と収入が下がったから、また働き始めても、ここからはそれほどは漫画本も買えなかったな。思えば、関東圏サラリーマン時代には、膨大な量の漫画雑誌と漫画単行本を廃棄してるな。勿体ない。コレクターになろうと思えば、やはりネックは収納場所ですね。

 「パイナップルARMY」は、今やもう、日本コミック界の大御所の域に居る、と言ってもいい存在の、鬼才の漫画作家、浦沢直樹さんがデビュー間もない頃の、氏初めての連載作品ですね。86年からはビッグスピリッツで「YAWARA-ヤワラ-」の連載が始まり、これが大ヒットして、ここから絶え間なく次々と、ヒット作を発表し続けます。小学館雑誌・新人時代からの良きパートナー、プロ編集者、後に作家の長崎尚志氏とは、この「パイナップルARMY」で深い絆を築いたのではないでしょうか。原作の工藤かずや氏は、小池一夫劇画村塾第一期出身の原作者・作家であり、この人も劇画原作で次から次とヒット作を送り出す、漫画界の一方の大ヒットメーカーですね。工藤かずや氏の作品は主に、ヴァイオレンス・アクションもの作品が多く、そのストーリーの面白さは読者を熱血・熱中させます。「パイナップルARMY」は、読みやすい短編連作です。ジェド豪士の活躍に血沸き肉踊り、胸のすく思いを味わえます。

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