河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

672- マーラー10番 3題

2008-09-11 00:08:00 | また聴きたくなるCD





最近マーラーの10番が立て続けに3種出た。
写真の一番上から順に、


サマーレ&マツッカ補筆完成版
マルティン・ジークハルト指揮
アーネム・フィル
CD/SACD STEREO/SACD 5ch SURROUND
ハイブリッド・ディスク


デリック・クック補筆完成全曲盤(1976)
ダニエル・ハーディング指揮
ウィーン・フィル


デリック・クック全曲盤
ジャナンドレア・ノセダ指揮
BBCフィル


写真一番下のシャンドスのノセダ指揮のものは、あまり録音がよくない。音レベルも小さい。また、アンサンブル単位の録音のように聴こえ、細切れの音楽のつなぎ合わせのように聴こえたりする妙な面白さも部分的にはあるが、全体としてはマスの録音でありオーケストラとしての解像度もあまり高くない。これはジャケ半分の写真通りちょっとスキップ。ジャンピングのノセダには悪いが全体にすっきり感がない。まとまりのない録音に足をすくわれてしまった感がある。
ハーディングのイエロー盤は、ウィーン・フィルのクリーミーにとろけるサウンドが、頭の芯まで溶解させてくれる。オーケストラの実力がもろにものをいう。この曲にこのような解釈が合うのかどうか、といったことを忘れさせてくれる。美しすぎる。。
ジークハルトのSACDは、SACDにして2枚組。誠に抜群のサウンド。SACDの音は素晴らしいの一語に尽きる。凄ければすごいほどオーケストラの実力がもろに出るわけだが、ウィーン・フィルほどのクリーミーさはないが、というよりもドライな音に近いオーケストラ・サウンドはノセダのBBCフィルのような感覚に近いが、でも録音がそれらを補って余りある。第2楽章のドライなクリーミーさ加減は印象深い。

マーラーの10番の全曲盤はCDでは比較的よく出ていると思うが、国内の実演というのはあまりない。興行的には難しいかもしれないが、最近はまともなものからゲテまで、いろいろと演奏会で取り上げたりしているので、この曲ももう少し頻繁に聴けるようになってもいいと思ったりする。